この3年、暑い夏が終わり、涼しくなってこれから、というときに、疲れが溜まって突発性難聴、夏の終わりは気をつけねば。
これまでに使ってきた香水とか化粧品の想い出。
●資生堂、BRAVAS (1969) [中学生〜高校生]
最初に使った化粧品。確か黒っぽいボトルのムスク系の香りも出ていて、ずっとムスク系を愛用していた。
●カネボウ、VALCAN (1976) [高校生〜20代]
特に香りが好きというわけではなかったものの、オーデコロン、ヘアートニック、ヘアークリーム、アフターシェーブローションを中心に良く使っていた。
Top Notes: Green Notes, Lemon, Lime, Bergamot, Aldehyde
Middle Notes: Jasmin, Cedarwood, Sandal, Carnation, Rose, Basil
Base Notes: Musk, Moss, Tonka, Amber
●資生堂、TACTICS (1979) [大学生の一瞬]
コマーシャルがソリッドで格好良かったので使ったものの、グリーンフローラルの香りが馴染めず、すぐにVALCANに戻した。
●ARAMIS、ARAMIS (1965) [大学生、20代の一時期]
姉が使っていたオーデトワレを貰ったのがきっかけ。
最初は気に入らなかったものの、その後はたまに使うようになる。
「シプレー系最高峰の一つにして、メンズフレグランスの代表作。1964年に世界初の男性総合化粧品ブランドとして誕生したアラミス。その名を冠したこの香水は、1965年発売当時そのストレートな男らしさで一世を風靡し、今なお高い人気を保っています。ベルガモット、ガーデニアなどのトップ。ジャスミン、アイリス、パチョリなどのミドル。レザー、オークモス、アンバー、サンダルウッドなどのラスト。実に 134種類以上の天然香料を使用して、ある種ぺダンチックなまでの官能を表現。着実に経験を積んできた大人の男性という演出にピッタリ。ボトルも重厚感があります。ちなみにアラミスとは、あの三銃士のアラミスにちなんで付けられたもの。現代の銃士たちへの贈り物。」
Top Notes: Bergamot Oil
Middle Notes: Clary Sage, Myrtle Oil, Clove Bud Oil
Base Notes: Patchouli, Sandalwood, Vetiver, Tree Moss
●DUNHILL、BLEND30 (1978) [20代〜30代]
ずっとムスク系が好きだったのに、気に入るものがなかったところに、渋谷の西武百貨店で見つけて購入した。
その後、製造中止になるまで使い続ける。
しかし、今ではこの香りはちょっと単調できついと感じる。
Top Notes: Lavender, Clary Sage, Neroli, Bergamot, Lemon, Rosemary
Middle Notes: Geranium, Sandal, Carnation, Cedarwood
Base Notes: Oakmoss, Hay, Musk, Amber, Labdanum, Tonka
この後、しばらくは特に香りなしの期間。
●CHANEL、ANTAEUS (1981) [40代の一時期]
もらい物。
最初はほとんど着けなかったものの、最近ではちょくちょく使っている。
「ANTAEUS。ギリシア語源ではアンタイオス。海の神ポセイドンと大地の女神ガイアの息子で、ヘラクレスに倒されるまで無敵を誇っていた巨人です。彼は母なる大地に足をつけている限り無敵といわれており、最後はヘラクレスに抱きかかえられ首を絞められて倒されたと伝承されています。強靭であると同時に脆さも兼ね合わせたこの巨人の名を冠した香水は、80年代の男性イメージとの同時代性から、当時一大センセーションを巻き起こしました。三代目調香師ジャック・ポルジュ初のメンズフレグランスとしても知られています。95種類以上の成分からなる複雑な調合で、男性の二面性を表します。力強いレザーやウッドなどの香りと繊細なシトラスやラベンダーなどが溶け合い、ミルやパチュリ、クラリセージなどを隠し味に加え、一筋縄ではいかない甘さを創出します。神の血を表すようなダークレッドのパッケージと、知性を帯びた神の瞳のような漆黒のボトルの色合いが美しい。コンセプトも香りも非常に女性受けする香水です。現在では隠れ名香的な存在なので、玄人好みかもしれません」
Top Notes: Clary Sage, Myrtle
Middle Notes: Patchouli, Sandalwood
Base Notes: Labdanum, Beeswax Absolute
●CHANEL、ALLURE HOMME (1999) [40代の一時期]
もらい物。
最初はほとんど着けなかったものの、ALLUREを着けていた女性の香りが気に入ってたまに着けている。
「女性版と同様、トップ、ミドル、ラストといった定義がなく、4つのノートのうちどれが最初に香るかは人によってそれぞれ異なるという、画期的な香水。 ALLUREとはフランス語で「魅惑、魅了」という意味。魅力とは、個性であるというテーマに基づいた、調香師ジャック・ポルジュの意欲作。基調はフレッシュ・スパイシー・ウッディ。4 つのノート1つめはフレッシュ。マンダリン、ベルガモット、コリアンダーが、力強くて行動力に満ちた若々しさを表します。2つめはセンシュアル。トンカビーン、ラブダナム(シストローズの製油)などを用い、エキゾチックでミステリアスな大人の官能を引き出します。3つめはウッディ。アトラス山脈産シダーやベチバーなどが、芳しい憩いの香りを広げます。最後はスパイシー。マダガスカル産ピンクペッパーが、雄雄しい風に跳ね回ります。スクエアカットのボトル、シャンパンメタリックのキャップ、タバコブラウンのパッケージ。シャープでシンプルな男性美を象徴します。香りが個性を刺激して、確固たる成功を導き出す、あなたをさらに一段高めてくれる香水です。」
Top Notes: Bergamot, Mandarin, Citron Zest
Middle Notes: Jamaican Pepper
Base Notes: Vetiver, Patchouli, Sandalwood, Cedarwood, Tonka Bean, Labdanum
●GIVENCHY、OBLIQUE PLAY
(2000) [40代〜]
もらい物。
かなりのお気に入りで、製造中止になってからも、ネットから買い集めた。
同じシリーズのRWDとFWDの香りは好きではない。
「半世紀以上にも渡って世界のファッション・シーンをリードする、パリのクチュール・メゾン「GIVENCHY」。ユベール・ド・ジバンシーの美への熱いパッションをモダンに展開し、さらなる発展を遂げているトータル・ビューティのトレンドセッターは、現在フレグランス・ラインも輝かしい活躍を続けております。こちらは2000年発売のユニークなレディス香水です。現在、過去、未来という三つのコンセプトからなる「オブリーク」ファミリーの中の一つで、こちらは「現在」をイメージした一品。今を生きるライブリィでオプティミスティックなスタンスを表現した香りは、柑橘香のエナジャイジングなテンションが若々しいシトラス・ウッディの香調をベースにしており、まさに強くたくましくアーヴァンスタイルを謳歌するモダンなフェミニンの魅力をアピールできそうな、ライトでフレッシュな香りに仕上がっております。シトラスやレモンどがスッキリとヴィヴィッドに香り立つトップから、プラリネ(焦がしアーモンドのお菓子)やフローラルが現代的なソフィスティケーションを表出させるミドルへ。ラストはウッディ・ノートやムスクが穏やかに香りをドライダウンさせ、アロマティカルな情感をふっと湧き上がらせてくれそうです。デイタイムのオフィスでもカジュアルでも、ルミナスフルな貴女の魅力を振り撒けそうな、元気の良い香りと言えるでしょう。香水はスリムなレフィル二本に分けられており、彫刻家パブロ・レイノソがデザインした、未来的でユニークなボトルに入れてお使いいただくようになっており、持ち運びに大変便利です。現在廃盤中で、とてもレアなアイテムです。」
Lemon, Praline, White Musk
現在は、OBLIQUE PLAYを中心に、気分によってANTAEUSやALLURE
HOMMEを利用している。
[2007/12/31]
「夜中にトイレに行くときに明かりを点けない」
昔は明かりを点けていたものの、明るいと目が覚めてしまう。
ということで、いつの頃からか明かりを点けないものの、目は暗順応しているから何不自由ない。
子供の頃は、離れの二階に一人で寝ていたので、明かりを点けても本当に怖かった。
一方は外に面している廊下を、隣の誰もいない暗い部屋の前を過ぎて、階段の明かりを点けて一階へ。
これも一方が外に面している一階の暗い廊下、窓には外灯に照らされた樹の影が揺れている。
真っ暗な会議室の横を通って、正面はこれも真っ暗な応接室、不運にも会議室や応接室のドアが開いていると、真っ暗な中に何かが潜んでいるみたい。
応接室の右手がトイレ、やはり窓がついていて、外灯に照らされた樹の影が揺れている。
トイレを済ませると一目散に二階へ、この背中を向けているときが一番怖かった。
[2007/12/29]
朝、上野の国立西洋美術館にムンク展を観に行ってきた。
最初の作品がいきなり「吸血鬼」(1893-4)でくらくら。
こういう女性に憧れていたかも。
「不安」(1894)、思春期の頃にNHK教育TVで、初めてムンクを見て強烈な印象を受けたのが、この「不安」や「叫び」を含めた真っ赤な空の橋の上のシリーズ。
「赤い蔦」(1898-1900)、これを見ると、ほぼ同時期に聴いていた四人囃子の「一触即発」(1974)というアルバムの「空と雲」を想い出す。
「長く細い坂の途中に、お前の黄色いうちがあったよ」、赤じゃなくて黄なんですけどね。
抱擁など男女の塊の表現、人間のネガティブな感情の表現は凄い。
一気に思春期の頃に戻ってしまった。
入場券:1,400円、展覧会カタログ:2,500円、マドンナの黒のTシャツ:3,500円
絵葉書:400円(「吸血鬼」、「不安」、「赤い蔦」、「声/夏の夜」(1893))
「声/夏の夜」、これは見た記憶がないものの、女性の表情に惹かれた。
[2007/12/19]
東京大学本郷キャンパスに『テクタイル(TECHTILE)展:触覚の工学×触覚のデザイン』を観に(触りに)行ってきた。
全体としてはちょっと物足りない感じ、説明されると面白いのだが、説明されないと充分にわからない。
下記の[]内はコメント。
触音、筧 康明、制作年:2007年
プレゼンテーション等の場でマイクを通した紙の音を聞いて,妙にその紙に触れたくなった経験がある。マテリアルの音は、触欲を誘起する要素があるのかもしれない。触を音の面から考えてみました。
[やっぱり音ってエモーショナル。聴覚の拡張という感じ。最近、左耳を患ったときに、耳栓をして食事をしたら、噛む音がうるさくて、食べた気がしなかった。]触覚コンタクトレンズ、佐野 明人 菊植 亮 望山 洋 武居 直行 藤本 英雄、制作年:2004年
手掌で表面をなぞる際に生じる力学的作用を、簡単な物理現象を利用して増幅させる触覚デバイス。物体の微小な凹凸を鋭敏に、素早く検出可能となる。
[凹凸によって面が変形したときに、面の上の突起が横方向に広がって触刺激を与える。]tingle disc、筧 康明+城 堅誠+橋田 朋子+仲谷 正史、制作年:2007年
光と音と触刺激を融合したインタラクティブ作品。徐々にその速度を変えるターンテーブル上のピンマトリクスに指を添えると、目・耳・指先を通じてさまざまな刺激が展開されます。
[原理をちゃんと理解できてません。アクチュエータとしては、ピンマトリクスによる触刺激、プロジェクションされた光による視覚刺激、ヘッドフォンからの音刺激。]Strinoの葉、天野 翔+飯田 誠+苗村 健、制作年:2007年
植物は、風や雨粒などの周囲の環境に応じてわずかに動いています。Strinoの葉は、このようなかすかな動きに応じて音を鳴らす作品です。植物の茎にひずみゲージが取り付けられており、茎がゆれた際に生じるひずみを計測しています。測定したひずみの変化に合わせてスピーカーから音を出力しています。
[それぞれの茎に音が割り当てられ、複数の茎が揺れると和音が響く。]
パロ、柴田 崇徳、制作年:2002年
人と共存し、楽しみや安らぎを与えることが可能なアザラシ型メンタルコミットロボット。視覚・聴覚に加え、心地よい触感を与える毛皮と、人との相互作用に使われる触覚を持つ。
[昔から知ってるものの、やっぱり本物の動物にはかなわない。]見た目 触り目、小川 将克 + 仲谷 正史、制作年:2007年
触覚の錯覚を利用した、見た目と触り目の違いを感じてもらう作品。
[錯視の多義性が触覚により一意に感じられるなど面白いものの、説明してもらわないと全くわからない。]メタルTシャツ、仲谷 正史(技術)+ 筧 康明(作品デザイン)、技術協力:城 堅誠、制作年:2007年
金属に微細な凹凸を有する表面加工を施すと、布に近い触感が得られる。金属はどこまで布に近づけるのか―。メタル色本物のTシャツと、Tシャツの形状と触感を模したメタルを並置する。
[やっぱり断熱性と伝導性が違う、と思ったら、ライトで後ろから暖めて体温と同じぐらいの温度になっているところがあった。でも、押したときの毛の弾力感、擦ったときの変形感がまだまだ。]空間構成、tacticicle、nosigner、制作年:2007年
今回の会場構成を作る上で根源的な触覚(tactile)について考えていたら、最終的に「氷」に行き着きました。 冷たさで鋭敏になる触覚。霜柱を踏んだときの触覚的な快感。2000円/?という予算の中で、氷の持つ多くの触体験を無意識に思い出すような場所が作れないだろうか。
tacticicleは、私たちの身近にある食品用ラップフィルムを数十枚重ねて、空間にたくさんの巨大な氷柱(icicle)を作り出す試みです。
ラップフィルムで出来た巨大な氷柱の表面を触ると、まさに薄い氷をつぶしたような音を立て、触体験を刺激します。
[ちょっと期待しすぎていたので落胆。でも、最初に見たときはとてもラップとは思えなかった。]
[2007/11/26]
11月17日(土)に草月ホールで開催された『ルネッサンス・ジェネレーション
'07: 情動−欲望・操作・自由−』の資料に載っていた言葉。
「心理療法は全部プラセボ」、確かにそういう言い方もできなくはないが...
【プラセボ効果】
薬効のない偽薬によって精神のみならず身体症状まで改善する現象。経験や認知・期待によって身体反応が変化を起こすことを示す一つの例。生物学的に言えば心理療法は全部プラセボだが、その治療効果は大きい。動物実験でもプラセボ的な現象を示すことができる。
[2007/11/17]
歳をとってくるとめったに感動しなくなってくる。
それは知覚の感度の劣化もあるし、蓄積された経験による慣れもある。
知らず知らずのうちに、より強い刺激を求めていたりする。
子供の頃はどうだっだろう?
子供の頃は、見るもの触れるもの、すべてが鮮やかで、驚きと感動に満ち溢れていた。
子供の頃の驚きと感動を再現できないものか。
知覚の感度の劣化、これは逆フィルタリングで与えることができそうだ。
ただ、それはより強い刺激を与えているだけに過ぎない。
蓄積された経験による慣れ、これを取り除くことは可能だろうか?
記憶を消し去ることは非常に難しいし、脳の発達や劣化は逆フィルタリングできそうもない。
記憶はコンピュータのハードディスクのように消去はできない
海馬など記銘の機能劣化は新しい記憶を妨げるだけ、想起の機能劣化も驚きや感動に結びつきそうもない。
TMS(経頭蓋磁気刺激)による脳機能の抑制も、その安全性に対する見返りがあるほど多くは望めなさそうだ。
驚きや感動は、知覚の増幅や記憶の消去ではなく、脳のダイナミックな変化を必要とするようにも思う。
ニューロンが震える手を伸ばして繋がり合うように。
[2007/11/10]
会社帰りに岡山まで行き宿泊。
翌朝、岡山から宇野まで高速バス、宇野港から直島の宮之浦港にフェリーで向かう。
宮之浦港に海の駅なおしまができて、地中美術館ができる前の2002年に訪れたときとは雰囲気がかなり変わっていた。
山本うどん店まで10分ほど歩いて、ぶっかけうどんの昼食。
それからバスで本村エリアの家プロジェクトを巡る。
そして、地中美術館。
宿泊はベネッセハウスのOVAL。
安藤忠雄さん設計のOVALという楕円の宿泊施設には中央に水が湛えられており、夜は信じられないような幻想的な光景を見せる。
遅い夕食までの時間、夜のミュージアムを回る。夕食ではガラスが入るという信じられない出来事。
翌朝は海岸を散歩。
それから再び地中美術館へ。
人の合間を縫って、Open Fieldを2回体験。
それから再び家プロジェクトへ。
政府の関係者らしき人を案内している安藤忠雄さんに出会う。
会釈すると会釈を返してくださったのが嬉しかった。
帰りは宇野からのバスは渋滞に合うので電車で岡山まで出て新幹線に。
[2007/10/18-20]
いつのまに!
Amazonでぷらぷら買い物をしていて、たまたまDVDから"William
Forsythe"で検索してみたら出てきた。
Forsytheの振り付けで定評のあるデュオ、踊るのはDana
CaspersenとForsythe。
即買い!
FROM A CLASSICAL POSITION
William Forsythe, acknowledged as one of the greatest choreographic talents of our time, and his long-time collaborator Dana Caspersen, also of the Frankfurt Ballet, perform a duet conceived especially for the camera. From a Classical Position constitutes a one-off experience of Forsythe and Caspersen's work, giving dance lovers a unique vision of their art as choreographers, dancers and now film-makers. The piece is performed to an original score by Thomas Willems, a composition for a single piano, which like the dance, is at once naked in its simplicity and at times spell-binding in its complex intensity. To this sometimes-music and sometimes-silence, Caspersen and Forsythe dance a duet of sublime passion and sophistication, a love story without sentimentality.
Choreographed, Directed and Danced by DANA CASPERSEN and WILLIAM FORSYTHEJUST DANCING AROUND?
To produce this intimate portrait, Mike Figgis (Director of the Oscar-winning Leaving Las Vegas) spent six weeks with William Forsythe at the Frankfurt Ballet, where he has been Artistic Director since 1984. A rare choreographic talent whose work is both intellectually and physically challenging, Forsythe makes a clear and articulate case for his method of deconstructing classical ballet. Figgis takes the role of fascinated outsider, pursuing his volatile subject with a dogged enthusiasm. The documentary focuses on the build-up to the first performance of Forsythe's The Loss of Small Detail, and the soundtrack features the avant-garde music of Thomas Willems and Handel's Concerti Grossi.
[2007/10/7]
←英語版 (日本語版)
真っ暗闇の体験、"Dialog
in the Dark"。
初めて体験した2002年の赤坂の東京ドイツ文化センター、2回目は2004年の外苑前の梅窓院、そして2007年は赤坂メディアアート展として旧赤坂小学校で「学校の放課後〜冒険編〜」。
光の中に戻ってくるのが切なく、ずっと闇の中に留まっていたかった。
闇の中では人との距離感が近付いたように感じる。
渋谷の雑踏の中で人ごみを眺めたとき、こんなに混雑しているのに、何だかスカスカに感じた。
闇の中での我々はグシャグシャに固まっていたのだろうか。
闇の中では視覚障害者が健常者で、我々健常者が障害者。
後天的な視覚障害者の空間認知は、健常者の空間認知と同じ3次元空間にマッピングされる。
では、先天的な視覚障害者はどんな空間認知をするのだろう?
みんな同じような空間認知をするのだろうか?
つらつらと考える。
その後、渋谷ユーロスペースで馳星周原作の映画「M」。
ユーロスペースって、こんなホテル街に移っちゃったんだ。
内容は楽しめるかと思ったけど、意外と重くてずどーんときた。
人は誰でも心の中に闇を抱えている。
その闇は"Dialog in the Dark"の闇のように暖かくはない。
[2007/10/4]