今年は病気や仕事など試練が多い。さて新年度、人生を削るだけのことをしよう!
日曜日。
8回にわたって行われる東京家政大学の福井至さんの認知行動療法の講座の第1回。
相手を論駁する論理療法の流れを汲んでいるし、スキナーのマウスを連想させる行動療法の流れも汲んでいるので、認知行動療法ははっきり言って好きではない。
と言うことで、認知行動療法にエビデンスとして劣らない対人関係療法を勉強している。
しかし、認知行動療法をきちんと理解しておきたいことと、技法的には使える部分もあるだろうということで、重い腰を上げて受講してみた。
論理療法でクライアントの持つ「不合理な信念」を「合理的な信念」に変える部分が、前日のソリューションフォーカスの「例外探し」とほぼ同様で興味深かった。
また、何かが怖いという強迫性障害などの社会不安障害には、恐怖の対象を体験させて馴れさせるという暴露法が用いられる。
この暴露法に、以前に研究していたVRのシステムが利用されているのが懐かしかった。
VRは、飛行機恐怖症のように恐怖の対象を体験させるのが困難なものや、対象の恐怖をコントロールすることが容易なのは利点である。
この暴露法のときに、心拍・GSR・呼吸の計測が行われていた。
ただ、もう少し後の段階では、実生活の中で治療することも重要だと思われ、仕事で我々が携わっているような簡単に生体計測できるシステムが役に立つのではないかと思った。
しかし、医療・健康系でない企業の中で、このようなコラボをするのはなかなか難しそうだ。
興味深いワークとしては、自分でも陥りがちな「自己否定」に対して、目を閉じてダメな自分を想像して、数分ごとに自己評価でダメさを100点満点の点数でつける。
これも暴露法で、20分ぐらい経つとダメさが0点になってしまうから不思議だ。
[2008/6/29]
土曜日の夜。
池上本門寺の『一泊てらこや』という小学生がお坊さんの修行を体験するイベントに行ってきた。
目的はイベントの中で、風鈴の短冊に絵を描くワークショップを開催すること。
小学生たちが絵を描いた短冊は、来週の日曜日から始まる『500個の風鈴の音を聴く』イベントで使われる。
OHPシートの短冊にポスカで絵を描いてもらうのだが、例年は机の上に新聞紙を敷いて汚れないようにしている。
今年は新聞紙の上にビニールシートなどを敷いて完璧だと思ったら、予想に反して畳がかなり汚れてしまった。
短冊に絵を描いた子供たちがイベントに来てくれて、風鈴は500個もあるけど、その中から自分が絵を描いた短冊を探してくれると嬉しいな。
子供たちが短冊に絵を描いた風鈴が、共鳴によってどんどん繋がっていくよ。
[2008/6/28]
土曜日の昼。
マイミクの関係している半日のソリューションフォーカス入門講座に参加してきた。
13時開始だったので、12時に着いて現地で昼食を食べるつもりが、食べてから13時前に着こうと気が変わった。
最寄り駅は高円寺だったものの、電車が中野どまりだったので、歩いたら30分近くかかって、暑かったこともあり汗だくになってしまった。
ソリューションフォーカスアプローチは、ブリーフセラピー(短期療法)のひとつで、クライアントの問題の中の原因を見つけるのではなく、問題の中でうまくいっているところ(ソリューション)にフォーカスするというポジティブなアプローチだ。
「うまくいっているところは変更しない」、「もしうまくいったらもう一度する」、
「もしうまくいっていないなら何か違うことをする」というルールをこの順番で適用する。
「例外探し」という問題の中でうまくいっている部分を探すワークを行った。
例えば「俺は全くダメだ」と言うクライアントには、「少しはダメでないところもありますよね」とアプローチする。
もちろんクライアントのすべての言葉に例外探しをするわけではない。
「俺はすべてうまくいっている」というクライアントに、「少しはうまくいっていないところもありますよね」とは言わない。
クライアントの目指すゴールに対して障害となっている問題の中のソリューションを探していく。
所属部署が潰され、新しい職場も決まらないで、へこんでいる自分にとっては、ソリューションフォーカスのポジティブな見方は元気が出た。
ソリューションフォーカスをちょっと勉強してみようと思う。
[2008/6/28]
Forsytheとのコラボで有名な武道家の日野晃さんの夏のワークショップReal Contact。
見た目はおっちゃんだけど凄いんです。
頭で理解しようとすると身体がついてきません。
舞台関係者以外は身体塾がお奨めです。
2005年に身体塾と表現塾に参加して衝撃を受けたものの、その後はサボっていました。
今年辺り行ってみたいな。
身体塾は平日の昼間なものの、このままだと今年は仕事がなさそうだし。(笑)
[2008/6/27]
こんな簡単なMaxMSPのパッチで音楽になるんだ。
Enoは最初に聴いた"Here Come the Warm Jets"のイメージが悪くて、サウンドスケープとしても重要なアンビエント系を聴いていなかった。
Enoが提唱したリアルタイムに生成される音楽Generative
Musicのパッチ。
センサ入力でパラメータを変えてみるかな。
[2008/6/26]
90年代はCGのレンダリングの仕事を始めて、メディアアートにも関わるようになった。
ただ、すぐにレンダリングの仕事だけでは飽き足らなくなって、VRのインタラクションの仕事も始めた。
でも、あるとき急速にCGやメディアアートに興味を失った。
ディスプレイがどうしようもなく受け入れられなくなった。
会社のボスはCGが本物と見間違うほどリアルだと言った。
しかし、それはディスプレイを通してのリアルだった。
それをリアルだと思わせるのは、ディスプレイの中へと入り込む想像力による幻想に過ぎない。
幻想が消えてしまえば、そこにあるのはチカチカと光る箱だけ。
それに最初に気付かせてくれたのは、James Turrellの作品かもしれない。
だから、CGの学会でありながら、2001年のSIGGRAPHで黒い液体(磁性流体)が音もなく変形するのには驚いた。
その後、ネットワークによってすべては繋がると言われた。
しかし、人が繋がるためには最後の30cmを想像力で飛ぶしかない。
そのような想像力は必要なのか?
想像力なしに知覚や記憶を変容させるエーテルのようなものがあったとしたら。
世界の見え方や捉え方は劇的に変容するかもしれない。
[2008/6/26]
池上本門寺に自転車で行ってきた。
『一泊てらこや』という子供たちがお坊さんの修行をするイベントで、風鈴の短冊に絵を描くワークショップを開催している。
そのときに使用するために作成した短冊100枚を、池上本門寺の朗峰会館に準備しておくのが目的。
今年の短冊は、開けた穴に金属のハトメを付けて、糸が切れないように工夫している。
今年は池上本門寺の五重塔が建立されて400年らしい。
紫陽花が綺麗に咲いている仁王門の前が、500個の風鈴の音で満たされる予定。
精進アイスの「黒ごま」を買って、食べながら風鈴を吊るす場所の確認。
が〜ん!
樹に昨年のロープが残っているところを発見。
これは見なかったことにして、今年の準備のときに片付けよう。(笑)
下にゴミが落ちてないかは確認したものの、まさか外し忘れがあるとは予想しなかった。
昼過ぎ、池上会館の展望台でおにぎりとパンを食べる。
今日は天気が良いので風がかなり強い。
帰り、細い川沿いに帰ろうとしたら行き止まり。
川がひとつ違っていた。
川沿いになっていたビワ、自然な味で美味しかった。
[2008/6/7]
生田緑地ばら苑、再び自転車で行ってきました。
次々に花の香りをクンクン嗅いでいる変な人でした。(笑)
先週は咲いてなくて、以前に良い香りだと思った白バラのカレドニア、以前に感じたほど良い香りだと思えませんでした。
また、先週は良い香りだったブルームーン、香りが少し落ちたように感じました。
深い真紅のクリムソン・グローリ、今週はいっぱい咲いていて最高の香りでした。
バラの棘、子供の頃にゲンコツの中指のところに付けて、動物のサイとか言ってたような...(笑)
[2008/5/24]
初台の東京オペラシティにSteve
Reichの公演を聴きに行ってきた。
お気に入りのサウンド・インスタレーションが仕込まれた階段を上がってホールに辿り着く。
Drumming (1970-71)は以前に渋谷のオーチャードホールで聴いたが、Proverb
(1995)とMusic for 18 Musicians (1974-76)は初めて生で聴いた。
席が前だったので、黒ずくめのReichを近くで見られて感激した。
僕の中ではReichの音楽はもはや懐メロとなっている。
Music for 18 Musiciansの演奏者の動きを見ていると異世界に引き込まれていった。
終演後、スタンディング・オベーションしようか迷っていたら、近くの人が立ち上がったのでスタンディング・オベーション。
後ろを見ると、ホールの多くの人がスタンディング・オベーションしていて、もの凄く盛り上がった。
みんなと一緒のスタンディング・オベーションも悪くないと思う。
公演後に来ていたマイミクの人とお話しする。
感性の豊かな人と話すのは楽しい。
Reichの音楽の特徴は「プロセスとしての音楽」という考え方だと思っている。
作品としての形を重視するのではなく、音楽を生成するプロセスを重視する。
そして、「プロセスとしての人生」も悪くないのではないかと思う。
人生のゴールを追い求めるのではなく、どこに向かうのかはわからないけれども、確固たる姿勢で乗り切っていく。
[2008/5/22]
「暗闇ごはん」というイベントで、浅草の緑泉寺に行ってきた。
暗闇ごはんはDialog in the Darkと同様に暗闇を体験するイベント。
真っ暗にすると消防法上問題があるそうなので、薄明かりでアイマスクをして精進料理を食べる。
以前に『500個の風鈴の音を聴く』イベントで、風鈴を吊るすお寺を探すのを手伝ってくださったお坊さんが精進料理を作ってくださっている。
たまたま今回はNHKラジオの取材で、アンガールズの田中さんが来ていた。
6月9日(月)の20時5分から放送されるそうだ。
せっかくの機会なので『500個の風鈴の音を聴く』イベントを売り込んでおいた。
まずは目隠しをして、手を引かれて席に案内される。
誰が前に座っているか分からないので、まずはアイスブレイキングで目の前の人とジャンケン、勝ち負けを相手の手を触ることで確かめる。
最初は飲み物。
さらっとした青っぽい香り、やっとトマトとわかる。
後で説明してもらったら透明なトマトのジュースだった。
二番目はお豆腐、ひとつの材料は良く知っているはずだが、なかなか言葉に出てこない。
周りの人の言葉でひとつは枝豆、ソラマメの方は分からなかった。
お箸で食べようとしたが、うまく掴めたかどうかわからなくて、諦めて手で食べることにした。
お箸と手では食べるものに対する触覚情報が桁違いだ。
三番目は皮と身の食感でナスの茹でたものと分かる
四番目は茹でたアスパラガス、これも緑のと白のとがあるのが分からなかった。
五番目はふたつの冷たい容器、ムースっぽい。
これも知っている香りだが思い出せない。
正解は赤と黄のパブリカ。
六番目はナスの焼いたもの、油はベーコンを使ったものらしい。
七番目はうどんの匂い、カツオ出汁に四種類のおふでした。
最後に、目隠しを取り去って、オニギリに竹の子と瓜のお漬物、そしてデザート。
オニギリはひとつは普通の炊飯器、もうひとつは釜で炊いたもの、後者はもち米のような食感だった。
マイミクの日記に「引き算な能力」のことが書いてあった。
暗闇ごはんも視覚情報の引き算、こういう「ないことの価値」には可能性を感じる。
暗闇ごはんのような感覚の遮断による引き算だけでなく、脳機能の引き算とかをできないものかと思う。
わかりやすい例は、小さい子供の頃の体験。
脳も未発達で記憶も僅かなのにもかかわらず、何に触れても新鮮な驚きに満ち溢れていたと思う。
[2008/5/21]
久しぶりにお昼をちょっと高めのオフィスの中のフランス料理屋さんに行ったら。
ん?、キッチンの両脇に見たことのある絵が...
キャンバスに描かれたままのRothkoの絵。
責任者らしい女性に、失礼にも「あのRothkoの絵、本物ですか?」と声をかけた。
「気が付かれた人、初めてです!」と喜ばれた。
何でもオーナーが買ったらしい。
左の絵は赤主体のRothkoらしい雰囲気の絵、右の絵は黄と青の上の方に白い雲のようなライン。
メインのチキン料理は好みではなかったものの、追加で頼んだスープがサツマイモとバナナで、スープというよりデザート感覚で面白かった。
[2008/5/19]
川崎市の旧向ヶ丘遊園地にある生田緑地ばら苑に行ってきました。
今年で3年連続。
昨年まで2年間は遅めに行って、バラが痛んでいたので、今年は公開2日目を狙いました。
2週間ほど早かったため、好きなバラの香りを堪能できたり、逆にお目当てのバラがまだ咲いてなかったり。
でも昨夜の雨のおかげで、バラのコンディションは香りも見た目も良くなかったです。
まずは階段を下りたところのバーゴラ通り。
お目当ては香りの良い白いバラ。
残念ながら、まだ花が開いておらず香りを堪能できず。
ただ香りの良いピンクのバラが咲いていた。[バラ写真の左上]
次にバーゴラ通りからロイヤルコーナーに向かう途中。[地図の左下のAの場所]
なぜか花がなく棘だけの怖いだけのバラ。(笑)[バラ写真の中左上]
つるバラのコモドーレ、いかにもバラという香り。[バラ写真の中右上]
隣につるバラのクリムソン・グローリ、これはかなり深い良い香り。[バラ写真の右上]
深みのある色に香りもマッチしている。
ロイヤルコーナー、ここも香りの良いバラが多い。
ケーニギン・ベアトリクス、これはあま〜い不思議な香り。[バラ写真の左下]
昨年はほとんど終わっていて残っていなかったが、この時期だとたっぷりと香りを堪能できた。
ロイヤルコーナーから右奥に進んでいったところ。[地図の中央の樹の右手、Eの上辺り]
ここは意外と穴場、良い香りのバラが多いものの、この時期はまだあまり咲いていない。
ブルー・ムーン、薄紫の色に魅せられるが、香りも素晴らしい。[バラ写真の中左下]
近くには同じ色だが香りのほとんどない別のバラも。
ファースト・レディー、ローズハウスの近くだったかな。[バラ写真の中右下]
この頃になると、バラの香りを嗅ぎ過ぎて、なにがなんだがわからなくなってくる。
決して、バラの催淫効果のせいではありません。(笑)
ハナムグリもバラの蜜に溺れている。[バラ写真の右下]
その後はナンが美味しいインド料理屋さんでお昼、それから生田緑地に寄ってプラネタリウム。
時間が足りなくて、岡本太郎美術館は回れませんでした。
[2008/5/18]
会社の同僚と大阪の話になり、最後はLPコーナーの話で盛り上がった。
梅田駅、阪神百貨店でJUNの服を買って、紀伊國屋書店で本を買って、LPコーナーでレコードを買うのが、中高時代のひとつの楽しみだった。
紀伊國屋書店では、悪く言えばファッションとして、アナーキズムのコーナーの黒い本に憧れたり、埴谷雄高の『闇の中の黒い馬』の豪華本を買ったりした。
さて、LPコーナーは阪急東通りの汚いアーケード街の中。
硬派を気取っていたものの、途中の風俗店の前ではドキドキしていた。
狭い二階建ての店舗の中、兄弟が店番をしていて、いつの頃からか末っ子の人と顔見知りになり、新着のお奨めを教えてもらっていた。
もちろんお目当てはプログレ(Progressive Rock)、YESやKing
Crimsonなどブリティッシュ・プログレでは本当にお世話になった。
しかし、次第にブリティッシュ・プログレがつまらなくなってきた。
ドイツのTangerine Dreamのアルバムで唯一日本で発売されていた"Alpha
Centauri"(1971)を聴いて、ジャーマン・プログレに傾倒するようになった。
ところが、その当時はロック系のドイツ版のレコードは、LPコーナーを始めとする関西のレコード屋さんには置いていなかった。
ニューミュージックマガジンという音楽雑誌に載っていた情報から、主に新宿レコードなどから通販で買うようになった。
ダンボールのパッケージを開いたときに、Tangerine
Dreamの"Zeit"(1972)やKlaus Schultzeの"Irrlicht"
(1972)や"Cyborg"(1973)が現れたときの感激は今でも覚えている。
たまに新幹線に乗って東京に遠征することもあった。
東中野の中野レコードに初めて行ったときは、畳二帖ほどのスペースの狭さに驚いた。
でも、珍しいレコードがあって、1万円だったスウェーデンのRalph
Lundstenの"Olskog"(1970)を思わず買ってしまったこともあった。
ジャーマン・プログレのグループが世界的に有名になって、音楽が徐々にポップになってつまらなくなっていくにつれ、ジャーマン・プログレから知ったミニマル・ミュージックなど現代音楽を聴くようになって行った。
池袋の西部美術館にできたアールヴィヴァンから、現代音楽や美術書を買うようになった。
通販で買ったり、たまに遠征して遊びに行くので、お店の人がリストを送ってくれた。
"Drumming"(1971)などが入った箱入りのSteve
Reich作品集、Gaudiの建築の写真集もアールヴィヴァンから通販で買った。
それから数年後、突如として音楽を受け付けなくなった。
その後まともに聴けたのは、Voyagerが宇宙で測定した電磁波を音にマッピングしたSpace
Soundsシリーズ。
今は想い出としてしか音楽を聴けない。
[2008/5/4]
すごいなあ。
フォーサイスの振り付けを踊るワークショップ。
"In The Middle Somewhat Elevated"と"The Second
Detail"。
対象は上級者、論外ですね。
●「意識による判断の7秒前に、脳が判断」:脳スキャナーで行動予告が可能
ドイツのマックス・プランク研究所の実験。
Libetの実験では数百ミリ秒前だったが、この実験ではなんと7秒前。
Libetの実験は行為の準備のための脳の準備電位の話だが、これは準備電位が現れる前に判断のための脳内処理が行われるという話らしい。
ただ、すべての判断が7秒前だったら、新しい刺激が提示されてから7秒間は意識が判断できないことになってしまうので、限定された判断だと思う。
新しい刺激が提示されたとき、脳で判断が準備されていて、それが7秒間は保持されると解釈できるか。
(元論文は読んでいないので記事からの推測)
[2008/4/20]