日々の雑感 [2010/01-03]

一昨年が最悪だと思ったら、昨年はさらに悪くなった。まだまだ悪くなれそうだ。今年は一日を大切に生きたいと思う。


つぶやき:対人関係療法勉強会・実践応用編ワークショップ@麻布福祉会館

今日は朝から夕方まで対人関係療法の勉強会。ケースを扱うから中継はほとんどできない予定。

対人関係療法はフオーミュレーションが命。

役割の変化、医原性役割の変化、対人関係の欠如のフオーミュレーションの違い。それぞれはうつ病系、気分変調性障害系、摂食障害系に向く。

対人関係療法はアサーション、SFAと相性が良いと感じる。

帰ったら、IPTのボットを作ろう。

発達障害のIPTは学問的にはない。臨床的には発達障害者のために対人関係スキルの教育などが必要となる。

離別となる役割の不和の場合、男女関係のときは相手をストーカー化させないためのテクニックが必要。男の場合は持ち上げてメンツを立てるなど。

離別に伴い経済的自立が必要なときには障害年金などを利用。

クライアントとのフォーミュレーションの合意は治療効果に影響。しかし、問題領域はクライアントにくっついているので、うまくクライアントに受け入れられるように説明するのが重要。

IPTのグループ療法では、治療焦点の維持のためには、メンバーは均質の方が良い。例えば、リワークでは復職への役割の変化として対応。

グループ療法では、治療者が意識的に話題どうしに繋がりをつけるのがキモ。グループのコミュニケーションを促進する。

グループのメンバーの均質化のために、例えば過食(神経性大食症)の場合は問題領域を対人関係の欠如とする。

[2010/2/28]

つぶやき:クリスト展@21_21DESIGN SIGHT

六本木一丁目の出口から迷ったもののクリスト展なう。

クリストの作品集を持ってたから、最近の作品以外はなんだか懐かしい。最も懐かしいのは観に行ったアンブレラ。落雷で亡くなった人がいた。

昔から好きな梱包の作品が何点か展示されていた。妖しい。

上映はヴァレーカーテンとランニングフェンス、ビデオを持ってるはずだけど、久し振りに観て、クリストの制作してきた困難さを思って泣けてきた。

[2010/2/22]

生きテク

朝日新聞に「生きテク」サイトのオキタリュウイチさんのインタビュー。
「生きテク」は生きるテクニックが蓄積されていくサイト、自殺の要因と解決法をそれぞれ8つに分類して例示。
サイトを見て自殺を思いとどまった人の延べ人数が1万1千人。
別インタビュー
[2010/2/9]

森俊夫先生「KIDS式気質別対応セミナー」

1月31日(日)に解決志向アプローチ(SFA)の森俊夫先生の「KIDS式気質別対応セミナー」を聴きに行ってきました。
クレッチマーの気質論を利用して、気質ごとにSFAの対応を変えようというものです。
「パーソナリティ」は遺伝の影響の強い「気質」と環境の影響の強い「性格」に分けられます。
性格ではなく気質に注目したのは、恐らくカウンセリングが人間の本質的な部分に関わるからだと思います。
また、なぜ今どきクレッチマーなのか、やはり外見から判断しやすいからのようです。
森先生は冒頭で「今日の話はエビデンスはないです」と断言していました。
パーソナリティ理論としては疑問の部分もありますが、他のパーソナリティ理論との関連付けもできそうだし、何よりも臨床経験からうまく対応付けられていると思いました。

下記はTwitter中継内容です。(括弧「〈〉」の部分は説明です)

クレッチマーと解決志向ブリーフセラピー。
〈正確にはクレッチマーの変形+ヒステリー気質〉

森先生は自閉症?
〈分裂気質がメインでヒステリー気質が入っているらしい〉

臨床で大切なのは理論ではなく枝葉。
〈枝葉にエリクソンのような天才は対応できるが、凡人は対応できないので気質対応にまとめたらしい〉

森先生は医学系なのにクロニンジャーのパーソナリティ理論を知らなかった?
〈飲み会で求められ説明しました〉

今日の話はエビデンスなしらしい。
〈現在のところ神経伝達物質の受容体の遺伝子多型の研究はありますが、そこから気質までにはまだまだ検証すべきことがあります〉

精神疾患はわからないもの。ちゃんと測定できると身体疾患。

DSMは研究用、臨床には誤診に繋がり使えない。

統合失調症患者のうつ状態に抗うつ薬では悪化する。
〈DSMのように状態からの診断では適切な治療が行えない例〉

状態に囚われると、部分てんかんなどで誤診。粘着気質で確実に判定。
〈症状が部分てんかんから来るものなら、てんかんが起きやすい粘着気質の対応をする〉

循環気質だと典型的なうつ。
〈クレッチマーの循環気質は双極うつを想定、森先生の循環気質では単極うつを想定〉

気質対応のカウンセリングが必要。コミュニケーションパターンなど。
〈基本的には同じ気質で対応する〉

クレッチマーの循環気質は躁うつ。今回は循環気質を単極に限定。それにヒステリーを追加。

ロジャーズは循環気質のみに有効。

認知思考の違い。分裂気質はシンプル&リニア。循環気質はモザイク&パラレル。

粘着気質は一点でうず巻き。ヒステリー気質は思考なしで感覚のみ。
ヒステリー気質は自分中心ではなく、他者中心でもなく、自分と他者との関係がすべて。
〈ヒステリー気質の特長は関係性の駆け引きをすること〉

各気質の詳細説明。

外見からすぐに気質に対応する必要あり。特にヒステリー気質。
〈このために判断が容易なクレッチマーを採用したようです〉

喋りはうまいなぁ。特にアイコンタクトを一人ひとり取るところが良い。
〈森先生は循環気質ではなく分裂気質なので、単にテクニックとして使ってる感じです〉

文字は、分裂は小さく悪筆。循環は丸い達筆。粘着は強い筆圧か速筆。ヒステリーは修飾。

粘着とヒステリーはお互いに全く合わない。粘着は対応も難しい。
〈粘着気質からはヒステリー気質はちゃらちゃらしてると見え、ヒステリー気質からは粘着気質は駆け引きで変化しないのでつまらない〉

難しいのは粘着&ヒステリー。循環はヒステリーの餌。
〈循環気質はヒステリー気質の駆け引きに巻き込まれて疲弊する〉

夫婦問題は気質論で解決しやすい。

気質論は外在化で使うのが正しい。
〈問題を気質のせいにして対処法を検討する〉

メディアと気質論。携帯電話による情報交換から繋がりへのコミュニケーションの変化。ツィッターなどによるメッセージの短文化。粘着気質には住みにくい世界。循環気質には住みやすいかと思ったら、循環気質は対面でないとダメらしい。

対応の基本は同じ気質。分裂は論理的現実的シンプル、例えば論理療法。

循環は情緒的支持的、ロジャース系。

粘着は一方的に聞き話す、ゲシュタルト系。

ロッケルは関西のボケ。ボケて重要な話に戻す。

分裂にはコンプリメントは不要。他者評価はいらない。

循環にはコンプリメントがタップリ必要。

分裂と循環は逆対応。

粘着には絶対傾聴、「わかりました」は禁句。

ヒステリーは駆け引きを楽しむ。一目置かせて親分子分の関係を作る。もちろんカウンセラーが親分。
〈初回面接で関係を作らないとダメ〉

ヒステリーは「来るものは拒まず、去るものは追わず。」の対応。
〈適切な距離を取ろうと思わないこと〉

粘着は親分子分ではなく、子弟関係。

粘着やヒステリーには豊富なネタの仕入れが必要。
〈最初にウンチクを垂れて親分子分や師弟関係を作らなければならない〉

日本では循環気質が重視され、女性は特に思われたがる。
〈気配りしてると思われたいから〉

気質は自己評価できない。クライアントからの見え方が重要。
〈主観評価は難しいので誰かにやってもらってくださいとのこと〉

森先生と飲み会、僕は分裂がメインで、粘着とヒステリーらしい。粘着は入ってないと思ったけど、確かに凝り性なところがある。

今日のTwitter中継の講座は森俊夫先生の「KIDS式気質別対応セミナー」でした。

[2010/1/31]

抗うつ薬の効果のメタアナリシス

Twitterから転載。

nasaAsukai RT @Coubot: [news]軽症うつ病患者への抗うつ薬の効果、偽薬との差はわずか
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/jama/201001/513832.html

これまでの複数の実験結果を再分析するメタアナリシス。
メタアナリシスだけが増えても困るけど、これまでの実験の再評価としては重要ですね。

「今回のメタ分析の結果は、日常診療において、抗うつ薬が偽薬に比べ臨床的に意義のある効果を示すのは極めて重症の患者であること、軽症から中等症の患者では偽薬と実薬の有効性にほとんど差はないことを示した。」

軽症の患者に対しては薬の副作用など悪影響の方が大きいと解釈できるのではないでしょうか?
[2010/1/21]

ストレスに強くなろう!〈4〉(対人関係療法編4)

〜言った!言わなかった!「コミュニケーション分析」〜

「ストレスに強くなろう!」の対人関係療法編の第4回です。
今回は「コミュニケーション分析」、コミュニケーションがうまくいかない原因のお話です。

相手に伝えたと思っていたら、相手が全く理解していなかったことってありませんか?

雨の日、満員電車って嫌ですよね。
濡れた傘が足にあたって「冷たいっ!」と叫びたくなるときってあると思います。
そんなとき「貴方の濡れた傘が私の足にあたって冷たいです。」なんて言えなくて、ギロッとにらみつけてしまったりします。
でも、相手はチラッとこちらを見ただけで、無視してさらに傘を押し付けてきたりします。

対人関係療法のコミュニケーション分析では、問題のあるコミュニケーションとして下記の5つを挙げています。
 1.あいまいで間接的な非言語的コミュニケーション
 2.不必要に間接的な言語的コミュニケーション
 3.自分の言いたいことは伝わったという思い込み
 4.自分が理解したという思い込み
 5.沈黙

「あいまいで間接的な非言語的コミュニケーション」、これは上の満員電車で私がしたことですね。にらみつけたり、ため息をついたりです。
「不必要に間接的な言語的コミュニケーション」、これは嫌味を言ったり、婉曲的に言ったりすることです。
「自分の言いたいことは伝わったという思い込み」、これははっきりと言わなくても相手が自分の気持を理解してくれるという思い込みです。
本当に伝えたいときは相手に空気を読ませないようにしましょう。
「自分が理解したという思い込み」、これは相手がはっきりと言っていないのに、確認しないで例えば「自分は嫌われている」と思い込んでしまうことです。
「沈黙」、これは言うまでもありませんね。

相手に何かを伝えることはちょっと怖いかもしれません。
言いたいことを我慢するとストレスがたまるけれども、言いたいことを言ってしまうと相手を傷つけると思っていませんか?
そんなときには自分も相手も大切にするアサーションという伝え方を使ってください。

3つのステップの最初、客観的に事実を伝える「濡れた傘が私の足にあたってます」。
次に、自分の気持を伝える「冷たくて困ってます」。
最後に、相手にゆだねる「何とかしてもらえませんか?」
普通の人なら最初の言葉で傘を何とかしてもらえるでしょう。
もちろん伝えることによって、一時的に今より関係が悪くなることもあります。
でも、長期的には必ず良い関係になりますので、大切だと思っている相手には我慢せずに伝えましょうね。

 

次回は『悲観しすぎないで!「例外探し」』、対人関係療法編はこれで終わり、次回からは解決志向ブリーフセラピー編です。
「どうしてこんなにダメなんだろう」とか落ち込んだことはないですか?
そういうときも、実はうまくいっていることはいっぱいあるものなのです。
[2010/1/5]

明けましておめでとうございます

旧年中は大変お世話になりました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
[2010/1/1]


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