さらに落ちるよ。でも、今年も『500個の風鈴の音を聴く』イベントを開催できた!
期間:2010年7月4日(日)から18日(日) (18日(日)は18時まで)
場所:池上本門寺 (アクセス)
主催:『500個の風鈴の音を聴く』実行委員会
、イキイキ推進委員会
協力:池上本門寺
2010年も池上本門寺とイキイキ推進委員会のご協力のおかげで、上記のように『500個の風鈴の音を聴く』を開催することとなりました。
テーマは「人と人のつながり、人と自然のつながり」です。
風鈴の短冊に描かれた願い事が、風鈴の音の響きにより繋がっていきます。
風が弱いときには、風鈴の音から風の動きが感じられます。
風が強いときには、風鈴の音の異次元のような共鳴の世界を体験できます。
風がないときには、残念ながら何も聴こえません。(笑)
開催中の土日の昼過ぎには、風鈴の短冊に願い事を描くワークショップを、現地でゲリラ的に開催いたします。
短冊に描いた願い事は良く叶うと評判ですので、ぜひ皆さんも描いてみてくださいね。
ひとつ残念なことは、いつも吊るしていた場所の一部が、工事のため吊るせなかったことです。
しばらくは日蓮聖人像広場に入れませんし、その辺りの音の厚みが欠けています。
その代わり、階段(此経難持坂)の風鈴のロープが一本から二本に、仁王門に近い場所に一本増えています。
さらに昨年よりなぜか風鈴の数が50個ほど増えています。
[2010/7/4]
双極性障害にエビデンスのある対人関係・社会リズム療法(IPSRT)の一般向けの本。水島広子著『対人関係療法でなおす双極性障害』創元社
「対人関係療法を通して、人と人のつながりを育てていくことが、病気の治療を越えた意味を持つ時代になっていると思います。」
章立て。双極性障害という病、双極性障害と社会リズム、対人関係・社会リズム療法とは、社会リズム療法、対人関係療法、双極性障害対策チームを作る。
「対人関係・社会リズム療法(IPSRT)…通常の対人関係療法に「社会リズム療法」という行動療法を加えたもので、ピッツバーグ大学教授のエレン・フランクによって(1990年に)考案されました。」
双極性障害に必要なのはリチウムなどの薬物療法。しかし、薬の効果に個人差があるのと、長い目で見ると決して良い経過をたどらない。
「双極性障害が比較的若い頃に発症する病気であり、… 生活の変化によって急速にバランスが崩れる病気。」
再発するきっかけの多くは「決められたとおりに薬を飲まなくなる。ストレスの多い出来事(特に対人関係上の問題や社会的役割の変化)。社会(生活)のリズムの乱れ。」
「対人関係・社会リズム療法は、すでに双極I型障害の躁状態やうつ状態の再発予防効果、双極 I 型障害・II 型障害ののうつ状態の治療効果が証明」
第 I 部 双極性障害を患うということ。第1章 双極性障害という病。
リチウム。炭酸リチウムとして製剤化。躁状態・うつ状態の改善効果と予防効果、自殺予防効果のすべてを持つ唯一の薬。治療量と中毒量が近いため定期的に血中濃度を測定しながら服用。副作用は下痢・食欲不振・喉の渇き・手の震え。甲状腺機能低下症をきたすこともある。
「躁状態あるいは混合性エピソードで入院した人たちの回復を調べた研究では、退院後12ヶ月のうちに48%の人が診断基準を満たさなくなっていたものの、機能的に回復した人は24%… 機能的な回復をサポートするという意味でも薬以外の治療は重要です。」
双極性障害への対人関係・社会リズム療法以外の効果のある精神療法は、家族に焦点を当てた治療法(Family-Focused Treatment)と認知行動療法。
双極性障害には心理教育だけでも効果。「自分の病気を自覚する。治療法を守ることの必要性を理解する。再発の早期徴候を知り、生活スタイルを規則正しくする。」
「双極性障害の患者の家族の感情表出を調べた研究では、高い感情表出でネガティブに反応する親をもつ患者は、退院後9ヶ月で94%が再発… そうでない患者では、再発率は17%」
第2章 双極性障害と社会リズム
「双極性障害は、概日リズムとの関連が強く指摘されている病気です。タイムゾーンをまたいで飛行する場合、東へ向かって飛ぶ人は「操」になりやすく、西に向かって飛ぶ人は「うつ」になりやすいという研究結果があります。… リチウムは、概日リズムに影響を与える」
対人関係のトラブルは、精神的ストレスとしてだけでなく、社会リズムを乱す因子として注目。
第2部 対人関係・社会リズム療法の進め方 第3章対人関係・社会リズム療法とは
「対人関係・社会リズム療法は、社会リズムを規則正しくするための社会リズム療法と、対人関係ストレスを減らしたり、社会的な役割の変化に適応しやすくしたりするための対人関係療法を組み合わせたもの」
研究結果から「対人関係・社会リズム療法を始めるのにベストな時期は、うつ状態の最中か、躁状態(または混合エピソード)からの回復し始めのタイミング」
双極性障害における対人関係・社会リズム療法は薬物治療に対する付加治療。特に双極 I 型では薬物治療は必須。
対人関係・社会リズム療法の効果:予防療法としての効果(次のエピソードの再発予防)。うつ状態に対する治療効果。
治療期間は、単極性うつ病に対する12〜16回の面接とは異なる。初期(治療の土台作り。通常週一回)、中期(社会リズムの調整と対人関係問題への取り組みを続ける。通常週一回)、維持期(週一回から月一回に減らしていく)、終期(3〜4ヶ月に一回)。
第4章 社会リズム療法
社会リズム療法は、SRM(Social Rhythm Metric)という表に、起床した時刻、人と初めて接触した時刻、仕事・学校・家事・ボランティアなどを始めた時刻、夕食をとった時刻、就寝した時刻(五項目版)などを記録していく。
「時刻」とともに「人の刺激」と「気分」を記録する。人の刺激は、自分一人(0)、他人がただそこにいた(1)、他人が積極的に関わった(2)、他人がとても刺激的(3)、気分は、非常にうつ(ー5)と非常に高揚(+5)の間の数字を記録する。
「自分は社会リズムを安定させたくても、職場の事情や、他人との関係のなかでそれができないという場合には、対人関係療法でその「対人関係問題」を解決していく」
活動の刺激が強すぎると「操」、活動の刺激が少なすぎると「うつ」。双極性障害では、「操」にならない程度に行動を抑制、「うつ」にならない程度に行動を活性化。
第5章 対人関係療法
対人関係のストレスが、社会リズムを乱し、精神的なストレスになり、結果としてエピソードが再発する。
対人関係療法の問題領域は四つだが、双極性障害に対しては「健康な自己の喪失の悲哀」という第五の問題領域を付加。なお、通常の病気では「役割の変化」として扱う。
「双極性障害が生涯にわたる病気である以上、どこかの時点で腹をくくって診断と治療を受け入れていかなければならないのですが、そのための「儀式」が、「健康な自己の喪失」という枠組みにおける悲哀」
「双極性障害の場合、「健康な自己の喪失」を受け入れて悲しんだ後の「現在の生活」というのは、「双極性障害という病を受け入れて、うまくコントロールしていく生活」」 コントロールは薬物療法だけでなく、社会リズムの安定化と、支えてもらえる人間関係づくりを含む。
問題領域「役割をめぐる不一致」。双極性障害では本人と周囲の役割期待のずれが起こりやすい。例えば、家族は躁状態を重く見るが本人は軽く見る傾向があり、本人はうつ状態を重く見るが家族は軽く見る傾向がある。
「病気だから本人の責任ではない」という認識と、「家族が傷ついた」という認識は、どちらも重要。患者は、病気を認めて、治療を受けるとともに、罪悪感を手放して、傷ついた家族を支えることが大切。
「「役割の変化」が問題領域となるようなケースでは、その本質は、「変化そのものの見通しが立たない」ということよりも、「自分や周囲への基本的な信頼感を見失ってしまっていること」にあります。「まあ、そのときは何とかなるだろう」ととても思えなくなってしまうのです。」
「自分の力や周囲とのつながりを取り戻す…ために何よりも必要なのは、自分が現在どういう変化を経験しているのかという「位置づけ」になります。」
「双極性障害の場合は、何にも増して社会リズムの安定が重要なのですが、「役割の変化」のときには、往々にして社会リズムが変わります。… 自尊心が低下し、「これからどうしていったらよいか、わからない」と思う時期には、「いつも通りに生活できている」ということが精神的安定につながる」
第6章 双極性障害対策チームを作る
「周囲」対「患者さん+病気」の対決ではなく、「患者さんチーム」対「病気」の対決という構図を作る。(外在化と類似)
危機管理法を決めておくことが最も大切。「躁状態になりかけたとき」と「躁状態になったとき」、まずは不眠に対する予防的措置をとる。
フランク教授「私は最初のスーパーバイザーから患者さんの「できないこと」ではなく「力」に焦点を当てなさいと教えられました。」
[2010/7/1]