「『カウンセリング(来談者中心療法)』を『身の上相談』及び『コンサルティング』と比較してその特色について述べてください」


 来談者中心療法は、人間の自己成長力を信
じ、感情と行動の間の自己不一致に陥ったク
ライアントを、共感と受容による傾聴を用い
て、自己一致の状態に導こうとする、ロジャ
ースにより提唱された療法である。
 身の上相談とコンサルティングが指示的方
法であるのに対して、クライアントの自己決
定を重視した非指示的方法である。身の上相
談が回答者の価値観を重視するのに対して、
コンサルティングと同様にクライアントの価
値観を重視する。身の上相談が理解を重視せ
ず、コンサルティングが評価的理解を重視す
るのに対して、傾聴による共感的理解を重視
する。身の上相談が素人、コンサルティング
が解決すべき問題の専門家であるのに対して、
心理学の専門家が行う。
 私は来談者中心療法を受けた経験があるが、
最も重要な部分は自己決定であると思う。身
の上相談やコンサルティングでは問題を解決
できても、次の問題を解決できる保証は全く
ない。これに対して、来談者中心療法の自己
決定には次の問題を解決できる可能性を感じ
る。ただ、現代のストレスに満ちた社会では、
いたるところで問題が発生する可能性があり、
これをカウンセラだけで解決するのは不可能
だと思う。すべての人がメンタルヘルスや傾
聴やアサーションなどのカウンセラ的なスキ
ルを身につけることで、問題を未然に防いだ
り、自分で解決できるようにすべきであり、
このための学校教育も必要だと思う。


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