「職場のメンタルヘルスケア」の山本さん
のお話は、産業カウンセラーの使命を自覚さ
せるもので、その語りの熱さは感動さえ覚え
るものだった。しかし、冷静に振り返れば、
産業カウンセリングの役割には限界がある。
そもそも社会がストレスなど大きな歪を抱
えるようになったのは、米国のグローバリゼ
ーションの考え方により、大量生産&消費の
モノを浪費する社会に移行したためである。
だから、最近のモノが売れないことは、決し
て悲観すべきことではなく、モノを浪費する
社会から、心の豊かさを求める社会への移行
の絶好の機会であると思う。
そのような環境において、私の目標は社内
では産業カウンセラーとして、ストレスを抱
えた労働者を救い、会社の中のシステムを労
働者がストレスを抱え込まないように変える
ことである。また、社外では心の豊かさを求
める社会への意識変革を促進するために、ア
ートなど感性を刺激するものを介して、人の
心を豊かにするとともに、それらの人が繋が
りお互いにソーシャルサポートとなるような
コミュニティを運営することである。
社内の産業カウンセラーとしての最大の課
題は、控えめな性格はクライアントに対して
だけにして、積極的にリーダーシップを取る
ように努めることである。また、社外に対し
ての課題は、組織のオーガナイズのスキルや
リーダーシップの能力を身に着けることであ
る。