で、職場内無職状態で少し気力があったので、映画を一本見ていたんですが。
見ていたのが「黙ってピアノを弾いてくれ(Shut Up and Play the Piano)」。
2018年/85分/ドイツ・イギリス。監督:フィリップ・ジェディッケ、製作:シュテファン・ホル/アントワネット・コスター。出演:チリー・ゴンザレス、ジョー・フローリー、シビル・バーグ、アダムトレイナー他。
内容:カナダ出身のピアニストで作曲家であるチリー・ゴンザレス(ジェイソン・ベック)。その生き様や軌跡を追い、インタビューからその魅力を追っていくドキュメンタリー。
ということで、以前Amazonのセールで見かけたんですが、タイトルがなんか強烈だったので買ってみたものなんですが。
え〜、どこかで聞いたことがあるのかもしれないものの、基本的には全く知らない人でして。「こういう人もいるんだ」という感じで見ていたドキュメンタリーでしたかね......というか強烈ですね、この人。父親がカナダで建設大手のCEOで、兄とともに音楽畑を歩むものの、二人の音楽性が全く別物というところからの話から始まるんですが。若いときはラップとか、とにかく人の目を引くような破天荒っぷり前回で進み、段々とクラシックを「ちゃんと勉強」してやるようになっていって.....けど、結局まぁそれでも「破天荒」というか。
まぁ、前半は俺を見てくれ、という「自己表現の強調」が強く、後半はもっと「音楽を楽しむ」という方向になった、という感じはあるんですが、しかし一貫してエンディングの曲(その名も「Shut Up and Play the Piano」)でラップしているように、この人の根源は「刺激が欲しい」なんだろうなぁ、と。前半の毒が強い、ラップ全開から後半の楽団の前で繊細にピアノを弾いたりやらする一方で、かなりエンターテイメントを入れないと死んじゃうのかなぁ、という感じもあり。
で、その刺激のためなら冒頭のビデオクリップの如く「嫌ってくれ」というところにも行き着くのかなぁ、と。
そういう意味では、自己表現に徹底してこだわっているところがアーティストなんだろう、とは思うんですが。
でも、見ていてなんとなくおもしろいのは、段々と時間を重ねていくと、諸々の根源は割とクラシック的なところに行くのかなぁ、というのはなんとなく感じるところもありまして。以前見た、ヴィム・ヴェンダースの「都市とモードのビデオノート」での、モードで売っている山本耀司の根源にクラシックなものがあるように、どこか職人的なところを突き詰めていく人はそういうところに行き着くのかなぁ、と思うものはありまして。
正しいのかは分からんのですが。
基本というか、根源というか、そういうのへと突き詰めて行く側面もあるんだろうなぁ、と。
ま、かなりイレギュラー的に見てみましたが、ドキュメンタリーというところではなかなか面白い。音楽系で、このチリー・ゴンザレスという人を知っていて興味があって未見ならば、確実におすすめできるでしょうか。芸術家についてのドキュメンタリーとしてみても面白いと思いますので、そういうのに興味がある人もおすすめですかね。
個人的には、ベクトルが向いている人については間違いなくおすすめですかね......ただ、ドキュメンタリーが合わない人にはおすすめできないかと思いました。