DOOM3 レビュー

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始めに

 PowerMac G5(2GHz Dual)を購入したのに併せてDOOM3を入手しました。
 ゲームとしては基本的に一本道なので、まぁ日記にするほどでもなし。ですが、とりあえずレビューぐらいでも、という事で一応記事にしてまとめる事にします。
 購入・プレイを考えている方はご参考まで。やった方は振り返るなりで。



・概要
 id softwareのある意味原点である代表作「DOOM」シリーズの最新作。
 「DOOM」は古参のゲームプレーヤーには説明不要とも言えるゲームの代表格であり、本格的な3DFPSのはしりとも言える作品。もっとも当時はいわゆる「ポリゴン」というものは無く、2Dで疑似的に3Dを描いた作品だった。
 DOOMシリーズは多く、DOOM、II、Ultimate、Finalなどがある。
 基本スタイルは「たくさんいる敵をとりあえず片っ端から殺す」というスタイルであり、ストーリーはあってないようなもの(一応あった(笑))。部屋にあふれんばかりの敵をBFG9000の一撃で全滅させる、など「じゃんじゃんばりばり」を地で行くゲームで、「破壊の爽快感」が売りのゲームだった。
 そして、2001年にDOOM3の製作が発表(ちょうどGeForce3が注目されていた頃)。色々と新フィーチャーを加えて、となっていたものの中々出てこない。結局、2004年8月に登場した。
 登場したものは、初期の想定に比していくつかの要素が省かれたり簡素化(「壁をぶち抜いて破壊してルート開拓も可能」という構想もあった)されていたものの、恐ろしくパワーを要求するもののハイレベルな映像をひっさげ、また「じゃんじゃんばりばり」から映画「エイリアン2」型のサバイバルホラーとして登場してきた。
 暗闇と敵の造形が怖い作品となっている。



・ストーリー
 基本は初代DOOMをアレンジ。
 初代では火星の衛星フォボスなどを舞台にしたものの、今回から火星本星での戦いに。2145年11月、人類が火星に進出している未来で、UAC(Union Aerospace Corporation)の火星基地で最近異常な事態が発生し始めた。UACはこの真相を解明すべく、研究者スワン(Swann)と、そのボディーガードであるキャンベル(Campbell)を派遣。同時に、海兵隊(Marines)の一人である主人公もUACに着任した、というもの。
 ボディーチェックを受け、軍曹と面会したのちに、科学者を探しに地下に行くと.......主人公は見た事のない化け物と遭遇。ついに地獄の門が開かれてしまった........

 なお、この世界では「火星には古代文明があり、その文明の発掘が行われている」という設定になっている。
 その発掘や、UACの役割等については、全て作中、PDAでムービーなどを観る事で知る事になるが、英語が必須である(^^;



・勧めるとしたら?

基本スタイル

 現在の典型的な3DFPSと一緒。Quake型とも言うべきか?
 武器は旧作から増えて10+α種類あり、それぞれで使い勝手が異なる。初代などと違うのは昨今の3DFPSと同じで、「リロードをしなければならない」「ジャンプが出来る」「ダッシュできるが、制限がある」などがある。
 ただし、DOOM3を特徴づけているのは「闇」と「音」。
 今回は総じて暗い場所での行動が要求されており、それに対処すべく主人公には「懐中電灯」が持たされている。これで制限された範囲での暗闇を照らす事が出来る......ものの、ライトと同時じに武器は持てないシステム。という事で、戦闘時には「ライトを下げて武器を持ち帰る」という事が必要に。
 困った事に、UACの基地ではほとんどが暗い所となっている。
 ライトで照らしながら進み、ルートを探し出して戦闘を繰り返し、また探索、という動作の繰り返しが基本となる。その間に様々なストーリー展開をみる事になるだろう。

 また、今回強化されたストーリーは一本道ながら一貫性を持ったものとなる。
 舞台はUAC基地の各所と文明の発掘サイト、そして地獄が待ち受ける事になる。研究施設が多く、また各所のアクセス方法も様々で、基本は「ドアを開ける」物であるが、その認証を得る為にPDAを探したり、あるいは生存者との接触をしたり。あるいはモノレールで移動をするという事もある。
 それぞれの施設も背景がちゃんと用意されており、管理本部や各種処理施設、原子炉、通信所などがある。
 また、時として各施設の移動の際には、火星の表面を移動する必要がある。この場合、ハッチが用意されて減圧する事があり、また主人公も酸素の制限があるなど、時間の勝負を強いられる所がある。

 また、ストーリーを補完するものがかなり多い。
 かなり強力(=性能を要求される)なグラフィックを要求されるものの、カットシーンなどは全てムービーを使っていないという事である。それが話の一貫性や一体感を持たせているのは成功しているか? つまり、過去のゲームのように「粗めのポリゴン」から「きれいなムービー」にいきなり切り替わる、という事はない。
 また、特徴的なものにPDAがある。
 これは主人公が火星基地に着任したときに渡されるもので、メールやムービー(UACの案内が多い)や音声ログを保存し、さらにセキュリティ等の認証を行うのに使われているという設定。セキュリティの認証は重要で、認証を得て開く扉もある為にそのアップデートのために走り回る事となる。さらにメールで指令が来たり、その内容などを確認できる。作品中では研究者や海兵隊のPDAを入手し、ここからメール、音声ログを入手して、ストーリーや情報を得る事が可能となる。
 音声ログやカットシーンでの会話などでは一切字幕は出ない為に、ストーリーを理解したければ英語力は多少は必要。また、弾薬等が置いてある個人ロッカーの暗証番号は、持ち主のPDAのメール、あるいは音声ログから入手する必要が有り、ざっとででも英語力がないと辛い事になる。もっとも、ロッカーだけでなく重要なルートのキーもメールや音声ログから出るケースもある......
 実際、中盤のデルタラボではアルファラボで手に入れたPDAのメール+音声ログで、暗証番号が判明した。そういう点では少し辛いことがあるかも?
#ま、キーとなる3〜4桁の数字だけ拾えば良いという話でもあるが。


世界ガイド

武器

 今回の武器は10+α種類。使える使えないに関わらず、使用する事になる。
 なお、前作とは異なり、各種武器(パンチなどは除く)は他の武器と弾薬を共通するものはない。また、今回はリロード動作が入るので、使い方に注意。

戦闘

 これは実はVIDEO設定で大きく変わる。
 管理人は640*480のHigh Quality(マシンに任せるとMidium)。ADVANCEDオプションは大体チェックを入れた。とにかくも影の設定の有無でこのゲームの遊びやすさは大きく変わる。影をリアルに設定すると、柱や敵などの影も忠実に出てくるので、臨場感は増すがパワーは必要。また、その設定の方が全体的に「暗い」傾向になり、敵の識別は苦労する事になる。
 さらにいたずらにマシンパワーに見合わない設定をするとこま落ちが激しくなると思われる為、ベストの設定を時間をかけてでも調べておく事をお勧めする。

 戦闘は総じて一苦労。
 戦闘する環境はやると分かるが、大体「狭い」「暗い」ところが多い。また敵は一定の場所を通過する事で出現フラグが立つケースが多く、しかも挟み撃ち、連続テレポートも定番パターンで来る。
 初めてプレイする場合は初代で雑魚だったインプにすら苦戦する事は必須。早め早めに戦闘パターンを確立する事がお勧め。ダッシュの利用も忘れずに。
 なお、気をつけないといけないのは「暗い」事。フラッシュライトでの戦闘は勧めないが、武器に持ち替えると当然暗くなる、という事が多い。ブライトネスの設定(これはソフト的にも、ディスプレイの設定でも)をうまく変えないと余計に暗くなる事になる。戦闘全体の約1割は真っ暗闇で行われる可能性がある事は覚えておくとよいだろう。
 また、マニュアルにもある通り、「赤いランプ」「赤い霧」には要注意。
 さらに打撃系の敵は、こちらの視界を悪くしたり、あるいは向いている方向を変えてしまうものもある。早期に敵を発見し、これを適切な武器で処理、あるいは適切な場所で対応することをしないと追いつめられてなぶり殺しになる事があるので要注意。
 ただ、ダメージは見かけの派手さほどはない感じ。Normalであれば、実はそれなりにバランスがとれている状態になるので、サバイバリティは意外と高いと感じる事がある。

 敵の欠点は「頭」。頭が悪いのはもちろん(基本的に「こっちに向けて一直線」である)、ここを狙う事でダメージは二倍程度になるらしい。
 インプ、レイスなどはショットガンの至近距離の頭への一撃で潰せる事が多いので、そのような腕は磨いておくと良い。大型の敵でも基本的には一緒。特にマンキュバス、ヘルナイト、アーチバイル、レヴナントなどの早め早めに潰したい連中には、的確に高威力の武器を頭にたたき込むと良い。
#面倒ならBFGか?
 なお、雑魚相手なら弾薬は節約を。それと、敵を倒すとモンスター型は溶けるように消滅し、その時に色が見えるので、暗闇での判断はそういうシグナルを利用するほうが良い。もっとも、見えにくいので「倒したのか倒していないのか」分かりにくい事があるので注意。
 なお、照準は敵にあたると赤くなるので参考にしておくと良い。

 なお、戦闘に必要な「弾薬」は進め方次第で非常に大きく変わる。
 暗闇に紛れてある弾薬類はもちろん、面倒でもPDAでナンバーを調べて個人ロッカーは開けておくべきである。早めに強力な武器が手に入る事もあるし、体力・アーマー、弾薬もかなり手に入る事になるだろう。

 戦闘はしかし総じてワンパターンになる事がある。
 覚えゲーになってしまう傾向もあり、ここら辺の評価はなんとも難しいものであるが.......ただ、後半はかなり変化があって楽しいとは感じるので、中だるみをいかに越えるかも課題かも?
 後半の強力モンスター複合攻撃はかなりハードではあるが、それをBFGで一掃するような快感は確かにあった。



 今回は消えたり新入りが出たり。

以下ネタバレの感想









































 「DOOM」というのはオールドゲーマーにはある種の、たとえ好き嫌いがあるとしても大きなブランドという感じがする。
 で、実際に管理人もDOOMのデモ版とFinal DOOMをやっているのでそれなりに楽しんではいるが、「方向性が大きく変わったなぁ」と。サバイバルホラーとして普通の3DFPSへの脱却を狙ったような作品に感じた。
 実際やってみると、気分は映画「エイリアン2」に近い。
 で、これが成功したのか?
 画像という意味では素晴らしい。マシンパワーがあるなら色々とオプションをチェックしてその画像を堪能する価値はあるはず。解像度は落としてでもやる価値はあると言える。特に影の雰囲気はかなりのもので、インプの投げる火球により生じる影がリアルタイムで変わっていくのは美しい。また、「分厚いガラスによる光のゆがみ」も見事に再現しており、これは本当に感心した。敵の造形もかなり良くできており、近寄られると不気味さ炸裂。もっとも、近寄られる状態になると大体ダメージを食らうときなのでじっくりと見る事は出来ないが。
 他にも演出的に使う影も良い。部屋に入り、壁に走るインプの姿が見える、というのは確かにサバイバルホラーを感じさせる。
 ただ、影を色々と駆使したものは良かったが、いくつかの要因がこれを打ち消してしまったように感じた。
 例えば総じて暗過ぎるのはかなり「失敗」の部類に。じゃんじゃんバリバリ型にしない、という方向はそれでよいが、戦闘のやりづらさや、消滅する敵は倒したのか分からず、また戦闘による爽快感を減らしてしまった。ライトか武器か、の二者択一を迫るというのは分かるけど、この作品ではそのバランスは成功しているとは言い難い。
 だから、メインとなるような戦闘でストレスがたまる。
 他にも暗くて狭い、という環境下で同じような敵の攻撃の繰り返しも目立ち、これで非常にいらつくというか。厄介で単調なパターンが繰り返される事もあり、これが中盤の中だるみになっている感じがかなりした。実際、「サバイバルホラー」というために環境を暗くする、それはまぁ分からんでもない。しかしAIは単調で、基本的には突っ込んでくるだけだから戦闘は「作業」に近くなる。
 ではこれはどうごまかすか? 実は「後ろにも出現させて挟み撃ち」「連続出現させる」「数を増やす」「暗い状況にする」「狭い場所で戦闘」という感じにしている状態。つまり「暗い」場所は戦闘の単調さをごまかす為の道具と化している部分もある。
 これは総じて減点対象になるものであり、どうにも辛い。もっとも、後半のテンポの良さはこの失点をやや取り返しているかとも思ったが。
#アーチバイル+ヘルナイト×2とかはさすがに悲惨だったが。

 PDAの活用は良かったが、情報量が多過ぎた。
 英語ばかりでしかも字幕もないのに音声ログなどが大挙してくるケースも有り、これはどうにかして欲しいものである。実際、じっくり読んでいると英語ネイティブでないので、非常に時間がかかって仕様がない。音声ログも周りの環境音のノイズで聞き取りにくい事も有り、実際の所「ロッカーの数字をどう拾うか」しか集中しなかった。
 また音声ログも2分近く言うものもあり、早送りなども出来ずに非常にいらいらするものがあった。これはどうにかして欲しいものである。

 ここまで書くと、色々と家人の言葉を思い出すものもある。
 実は中盤でDOOM3の概要を家人に説明した所「あぁ、つまりFF(Final Fantasyシリーズ)か」と言われたが、まさにそういうたとえがしっくり来る事も。
 つまり、画像はきれいだが戦闘は単調な部分が有り、しかも映像はきれいだけどストーリーは一本道。
 何ともなぁ、と。

 とりあえず、画像はきれいだったのは間違いない。
 しかし、3DFPSの目玉となるべき戦闘という点では、複合的な要因から成功しているとは言い難く、「嫌いじゃないんだけど、特に褒められない」という点があったのは否定できないだろう。
 また、物理エンジンで、例えば折角クレーンゲームみたいな部分もあったが、あぁいうので死体も運べるという、「ようやるわ」的な要素もあったが、そういう部分を活かしてもう少し、何か戦闘や暗闇以外での「遊び」というのが無かったのが残念に感じた。
 そういう意味では、この作品を強く他者に勧めるか、というと実は勧めにくいものがある。
 「もう少し」何かが欲しかったし、それがあれば良かったのに、と。
 再プレイなどをするならどうか、と言われたら個人的にはDOOM3はもうおなか一杯。個人的にはHALOとか別の方で遊んでしまうというのが結論。

 映像や世界観がしっかりしていた分だけ、肝心の柱が弱かった事は非常に残念であった。
 Quake4では改善されている事を願う。


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