Hello,World
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プレイしてみた「Hello,World」の感想&供与者(Aoxさん)への独断と偏見に基づくレポート。面倒なので大きくネタバレしています。尚、18禁です。
評価(5段階中):4.0
シナリオ完了順:愛原奈都美→笹ヶ瀬薫→北城千絵梨→久我山深佳→友永遥香→久我山若佳菜
主人公友永和樹は、人間の技術を超えた人工知能「無機脳」を搭載したロボット。「彼」は「HIKARI」の指令により、「グローバルイルミネーション」の為、人間の感情を調べるように指令を受けた。こうして「彼」は皇路学園に入学し、高校生として人間の感情を調査する事になるが.........
Nitro+の第四作目。既存の「ハードボイルド」「殺さなきゃ殺される」テイスト全開の絵柄が一気になりを潜め、ほんわかとした絵に変わっています。でも外見だけというのは後で判明しますが(笑)
尚、今回はCD4枚組みで、一般にDisc2を「第一章」、3を「第二章」、4を「第三章」と称するようです。ここでもそれに準じていく事にします。
ちなみに、VirtualPC6.01で稼働させています。MacOS9で稼働させないとちと辛いかも......動画やアニメーション、声などは極力切っています。今回は結構あれこれ動くんですけど、ちとVPCでは辛いですので.......
○総評
え〜、Nitroものとしては今までで一番きつい点数にしていますが。
一つの模索をしていった作品に感じます。色々と今までに無い毛色を見せていまして、更に初めて一人称視点だけで描かれた作品です。また、ヒロイン毎にNormalとTrueのルートを用意しています(一部例外あり)。
戦闘や緊急時の「強さ」は相変わらずで良かったですし、また話の強烈さやよく考えられた設定とそれを活かしたシナリオ作りはさすがです。昨今の「物語」を作るメーカーでここまでアイデアを詰め込み、そしてキッチリ屋台骨を作っていくのはそうそう無いでしょう。システムもより良くなっており、選択肢に戻るが追加され、更にスキップ時に描画をあえて省いて高速で先に進めてくれるのはポイント高いです。
では、何がまずかったか?
個人的にはまず時間がかかりすぎた事。そして、それに見合う各個ヒロインのシナリオを提供し切れなかった事です。特に話を共通化しすぎて第二章、第三章でヒロインの存在感が薄い、もっと正しい言い方をすれば「一部のヒロインに寄りつつ、他のヒロインも皆平等にしてしまったが故に、特定ヒロインのルート上でありながら、その人物との繋がりに希薄さを感じる」様はちとまずいかと。ま、あわない部分もあったかもしれませんが.......巨視的にシナリオを見ると、その中心の部分で話の強烈さはあるので話その物のインパクトは強いですが、ヒロインの存在意義に疑問を投げ掛けてしまいかねない部分はどう取るべきか?
一応、話の根幹にある部分=屋台骨はしっかりしていて、その部分が非常にハイレベルでインパクトあるものを提供しているのは確かですが、ヒロインがそれに対して単なる「従」に過ぎず、それゆえに薄れていった感は否定できないです。
結構手を加える事になるでしょうが、二ルート用意して個性ある話がnormalだけでは、片手落ちですよね....... Normal並に手をかけたTrueがあれば、文句無く4.4とかそれ以上まで行けた可能性はあるのですが......
これ、かなりもったいないと思います。
ま、しかし面白いのは確かですけどね(^^; 時間さえあれば楽しめると思いますが.........
以下ネタばれ
○難点
取りあえずシナリオ等の評価の前に数点。
- 誤字・脱字、ファクトチェック
文章量が多いせいか、一杯(^^;
「てにおは」系とかありましたが..........SIGがP226のはずですが、P220になっているのがあったような?(深佳のルートだったかなんだったか.....確かにP220は日本で使っていますけど) 後はM82はBarrettですが、これって「バートレット」と呼ぶものでしたっけ? 普通は「バレット」だと思いますけど。作中オリジナル?
後、Trueエンドは2026年ですが、奈都美達はおそらく23歳前後。被選挙権の年齢変わったのでしょうか........いや、政界進出するならもうちょい後でも(^^; 微妙に気になるんですよね、ここら辺は。
ま、他にも色々とありましたが、ちと多かったんで減点対象。
- 矛盾点・整合性
結構気になるのがありました、珍しいくらい。
例えば深佳シナリオで源の店行って、翌日行って「初めて来た」ような応対は気になりますし、「あった事も無い」人が主力に据えられて「さっぱり」と言うのもありましたし。ここら辺はちと目立つものがあり、奈都美シナリオを最初にやって北城霧江が突然「お願い君」持って出られてもさっぱりな上、千絵梨のペットロボが出た記憶も無いのに「紫陽花」にアクセスしている事が書かれていたり........
一つの屋台骨シナリオに沿っているから、全員分併せて納得、って方式は結構ですが、説明していないものはやっぱり説明しましょう。最初にこういうのに当たると、「分かっているでしょ?」って言われているようでなんか不愉快なんですよね........
結構減点でかいです。
#そう言えば、後半は完全にエネルギー(=食料)の存在が消えているよなぁ。
○シナリオ以外の評価
- システム
合格。
充実しています。非常に満足です。特にスキップで描画が省けるのは有り難いといえるでしょうか。まぁ、場合によっては定期的に画面の隅っこにでも画面のサムネイル表示などすれば「どこで止めるか」がもうちょい分かったりしたかもなぁ、とか思ったりしますが。まぁ、それでもやっぱり良くできていると思います。
- ムービー
オープニングとアルファのシーンがありますが。
気になったのはオープニング。いや、顔が本編と違う..........(^^;
#開発との間のタイムラグが結構あったんだろうか.......
- 音楽
相変わらず雰囲気に合っています。
今回はおちゃらけというかお笑いというか、そういうシーンが多いですが、それにはそれ用の。そして、各ヒロイン毎にもテーマ曲を用意していますか。ヒロイン毎の曲も良くできていたと思います。遥香のテーマとか「それらしい」ですしね........
後、歌が結構多かったようですが。
奈都美だけは別格でしょうか(笑) Normalに専用の曲を作っていますね........個人的にはTrue用の「煌星」は結構良かったと思います。あれ、ヒロインから見た主人公への歌ですね.........と言うか、Nitroのエンディングテーマの歌は良くできていますね。力がある上、内容にちゃんと沿ったものになっているのは結構評価しています。
#Phantom-DVD「Fly」、ヴェドゴニア「Moon Tears」とか、鬼哭街もそう。
- 絵
今回はほんわかしていますが。まぁ、後半はNitroですけど。
何となく、立ち絵とギャップがあるような絵があったのが気になりましたが、まぁ良いでしょう。後、ちゃっかりPhantomとヴェドゴニアの絵を流用していて笑ったり(^^; いや、悪くないですよ(^^;
まぁ、雰囲気はちゃんと伝えられていたと思います。悪くないです。
- こだわり
今回もすごいですね........
世界設定をキッチリ使っているのは評価高いですが、ネット系やロボットに関する話はともかく、武器系も充実してオリジナルを混ぜ、F2000に雷閃など色々とありますか。そして戦闘にF-22にSu-37。知っている人間は大喜びという(笑) F-22Jなんて妙にリアリティがありますねぇ。もっとも、相変わらず用語が専門的で素人おいてけぼりと言うのもなんですが.......(^^; 空戦がなかなか。
#航空機系も人を選ぶと思う.......(^^;
空戦というと、ちと空戦の挙動がつかみにくかったかなぁとも。
折角だから「無機頭脳による予測」の図とかで航空機の挙動とか示したら少し親切かも?
○シナリオ感想総評
シナリオに関しては前述の通りの評価ですが........まさに「駆け抜けていく一ヶ月(実際にはそれ未満)」と言う、そして「ヒロインたちの成長物語」でしたか。密度は濃く、カレンダー見て「まだこれだけしか」と思う部分も(笑) ただ、ちゃんと考えていくと、エンディングテーマのが分かるようですね。
つまり、「煌星」は和樹であり、和樹のいた時間はまさに「永遠の つかの間の」様な時間の中の話という。
取りあえず、第一章の「ぬるさ」と第二章、第三章の強烈なギャップは見物ですねぇ(^^;
多分、既存の作風を中心に考えていた人は第一章のぬるさに期待外れに感じ、二章からのNitro節炸裂具合に「やっぱりか!」と思うでしょう。誰が第一章を見てその先に「生死を掛けた激しい銃撃戦」が待ちかまえていると思うのか!?(笑)
設定なども良くできていましたし、その活かし方、展開などは評価できます。非常に見ごたえ・歯ごたえのあるイベントがあったのは素晴らしいの一言です。
また、初めて完全な一人称で話が進められましたが、個人的には悪くなかったですかね。また、無機頭脳の成長の過程やその説明、そして主人公の変化の表現は良くできていると思います。まぁ、ちと最後まで「ロボット臭さ」が抜け切れませんでしたが、それも味でしょう。
個人的には、和樹が残した手記、と言うのは結構興味がありましたが。まぁ、何となく分かるものはありますけど。
他のキャラクターの個性も遺憾なく発揮できたと思います。キッチリとキャラクターが立っているから楽しい、と言えますし。それぞれの人間関係についても主力組は良くできていたと思います。
ただ、第二章および第三章のTrueルートにおける話の共通化が本作での失敗かなぁ、と。
基本的には「一つの大きな骨格となるイベント・話」が大きく存在し、その周辺にヒロイン毎のシナリオがある、と言う感じでしたが。中心の屋台骨部分は太く、非常に手ごたえがある上に良くできています。が、その周辺のヒロイン達のシナリオがまた何というか........
一応、やれば分かる通りメインヒロインの愛原奈都美を中心に世界が回っています。そして、彼女の関係が屋台骨に深く関与しており、それが他のヒロインでも等しく発生している為、彼女らの存在が薄くなったというべきでしょうか。と言うより、下手すると奈都美すら存在が薄くなっていくという。逆に別の、麻生純子などが強烈な程の個性を持って話に参加していくというのがまた.......第二章と第三章、個人的に「メインヒロイン」が麻生純子としてもおかしくないんじゃないかと思ったぐらいですから.......
#何となくでNitro+の人気投票を見たら、案の定トップだし(^^;
#えぇ、よく分かりますとも。
まぁ、やっぱりヒロイン毎のルート上で「その人物ならでは」の話が第二章から減ってしまい、共通して「薄くなって」いってしまったのが痛いですかねぇ。例外は各人のNormalルートですが、Trueもそれくらい力入れた方が良かった気もします。たとえ攻略対象のヒロインを減らしてでも力を入れて欲しかったですかね、個人的に。
だって、一回奈都美ルートのTrueを見たら、Trueに関しては各人スキップでオーラス以外が全部飛ばせてしまいますから。第二章、第三章でヒロインが話の中心で「活躍」出来ていたか? 特にルートの対象となったヒロインはどうだったか?
それが薄いならあまり「ルート」は作って欲しくないですね.......特に時間を食う作品でしたし。
後は共通化の弊害として。
いきなり「ろくに知らないヤツ」がおもむろに出て話の根幹に関わるのはもうちょいどうにかして欲しいかと。上にも書きましたが、霧江がいきなり奈都美を拉致して大活躍。はて、この人誰? って感じはどうかと。後はVIFCの流行の様はかなり大規模に扱う割に、後半で極めて重要な「お願い君」信者の増加があまり触れられておらず、ニュースで一回程度、後はみここが出る程度で「へ?」と思う物があったのも正直なところ。
もうちょっと何らかの形でサポートしても良かったのでは、と言うのが正直なところです。特に霧江がなぜ「お願い君」信者になったのか、結局よく分かりませんでしたし。千絵梨ルート上ならなおのことですが........
まぁ、そういう意味でシナリオの根幹部分は良いと思いますが、骨が太く手ごたえがあり出汁もよく出るけど、肉が「美味いけど」厚さが薄かった気がします。
根幹部分が持っていたからまだ良かったと思いますけどね........まぁ、この手の話でヒロインが薄いのもまたどうかとも思いますので。もうちょっと工夫が欲しかったです。
そういう意味では、今までの作品を越えたか、と言うと越えられなかったというべきでしょうか。
そうそう、ところでタイトル「Hello, World」。
作中に出てきたのは起動時の一回、そして奈都美のNormalの計二回出てきました。これ、どっちが「メイン」だったんでしょうかね?
○各シナリオ毎の評価と、主要キャラクターの人物評
- 友永和樹
主人公のロボット。全て「彼」の視点で話が進む事になる。
え〜、Nitro+ものでは初めてのタイプの主人公でしょうか。
「感情」を学習していく訳ですが........主人公の見せていく「変化」がなかなか面白かったですかね。最初の妙な「固さ」から徐々に人らしさを持っていくという過程がなかなか楽しいというか。そして、それの解説が非常に細かい物がありましたが.......結構「あぁ、納得できるかも」という。結構、人の精神構造を考えつつ「クラスタ」と言う設定を上手に利用してると言う印象がありましたかね。
ま、とにかく話を進めていくと、何となくアシモフ物、特に『アンドリューNDR114』を思い出すものがあったというか。
こう、「あぁ、やっぱり人間じゃ」って思わせる部分がまた。そう思わせただけ成功なのかもしれませんけどね。だから、Trueの最後とかは色々と思うものがあるかと。
「人間より人間らしい」部分があったロボット、かもしれません。だからこそ惜しむものがあったというべきか。
彼がもし生き延びていたら、どうなっていたのか?
「思い」を語るシーンが非常に印象的なキャラクターでした。
- 愛原奈都美
メインヒロイン。というか、もともとこの話の主人公はある意味彼女(^^; 「宇宙から帰還した遅咲きの天才」。
面白い娘さんでしたねぇ。
いや、人の良さとか良かったですし。無駄に回転が早くて、勝手に結論付けてしまってパニックとか、見ていて楽しいキャラクターでもありましたが。ま、ある程度似たヤツを現実に知っている(とはいってもここまで酷くは無い)ので、結構親近感がもてるという(笑) 実際、「好かれるキャラクター」なのでしょうけどね........同時に、大きな災厄の中心にもなってしまうという、不幸なものがありましたが。
誰が血まみれで包丁を持つ彼女の姿を想像できたか?
ただ、第二章で見せた脆さと復活過程、第三章でTrue/Normalルートで徐々に見せてくる強さ、と言うのは彼女の成長の証でしょうか。実際、この物語は彼女の成長の物語であると言えますし、それはよく描かれていたと思います。特に「迷いだらけで動けない」状況から脱していく、と言うのは立派な成長だと思いますし。
まぁ、メインヒロインだけあって、と言う事でしょうね。
しかし、エンディング。
Normalはまたなんつぅか.........(^^; 全員生き延びていないんだろうなぁ、と思うとまた悲し。しかし、Trueで宇宙から呼びかける奈都美の感動とその頃の主人公のギャップがまた物悲し。
う〜ん.......複雑。
個人的に印象深いのはいくつかありましたが。
ま、第一章で彼女のルートは大分面白いものがあるんですけど。妙に嫉妬深い事もあいまって「佐知美さんって何!」と幻覚寺(すごい名前だよなぁ)で問答無用で詰め寄るシーンとか笑えました。後は第二章の修羅場(ひでぇよなぁ)と、第三章で正体がばれた時、ですかね。
「痛くない?」って聞いてくる辺りがこのキャラクターならではないかと........
結構好きなキャラクターです。
- 笹ヶ瀬薫
奈都美の親友。スポーツ少女で人気者。
この娘さんも結構面白かったですが。彼女自身もまたトラウマ持ちという.........
水泳への打ち込みと、過去とのしがらみに悩んでいく、と言うのは良くできていたでしょうか。その一方で奈都美の理解者でもあり、またお互いに支え合っている、と言うのはよく描かれていたと思います。
ただ、不思議と影が薄い部分が多いのは気のせいだろうか(^^; いや、色々と関与しているんですけどね。結構奈都美とシナリオが重複してしまう部分が多かった事もあるのかもしれませんけど。また、第二章では影山邸の辺りとかまでは結構良いのですが、その後、学園の地下のところでは結構というかなんというか........邪魔だよなぁ(^^;
......あれだけ自信満々で早速突撃?
「足引っ張るな!」と皆思ったのは想像に難くないという.........(^^;
エンディング、Normalはまたクラスメートの野田嬢が美味しいところを持っていってしまいましたが.......これも影が薄い理由か? また更に報われないんですよねぇ......一応生き延びていますけどね、彼女は。でも、皆消えてしまい、と言う。Trueではスポーツにボランティアに大活躍ですが。まぁ、成長、何でしょうね........
ちなみに、印象に残ったのはいくつかありますが。
おとり捜査の日の話、後は昼食中の「漫才」ですかねぇ(^^; それ以外は実はあまり.......影が薄いような.......(^^;
- 北城千絵梨
財閥のお嬢様。下手なだじゃれと嫉妬深さ、わがままが印象的(笑)
まぁ、なんつぅか。古典的な感じですが「自由を求めて」「普通を求めて」と言うのが彼女の願いだった訳ですけど。
面白いキャラクターでしたかねぇ.......最初は結構固いですけど、打ち解けてからが非常に楽しい。何が楽しいって嫉妬深いところ(笑) 「私だけ見ていてください」と言うのがもろ出てくる訳ですが、これで微妙な修羅場が形成されるという........(^^; 本人はたまったもんじゃありませんが、プレイヤーは他者ですから笑えると言う(^^; また、わがままなキャラクターでもありましたけどね。ある意味対人スキルの低さは深佳に次ぐような........
ま、孤独な彼女が徐々に打ち解けていく、と言うのは良かったと思います。家でのしがらみ、サポートをする帯刀、そして出生の秘密など色々とありますが、その中であがいていく、と言う。良い意味で話が組み立てられている、と言えるでしょうか。そして、家族をちゃんと「得る」わけですからね.......
で、Normalルートは熾烈ですね。帯刀の奮闘に、両親の思い、そして霧江の怨念の凄まじさを見せつけられるという。狂気がバンバンたたきつけられるような話でしたが、しかし決着をつけたのは帯刀。そして、エンディングで両親は消え、二人だけになり、そして最後の最後で........そう、「何か忘れている」気がしたんですよ。えぇ、そしてその忘れた正体がよく分かったという........
後味悪い......(- -;
Trueは影薄かったですが(^^; いや、美味しいところは全部帯刀が持っていった気が........(^^; う〜む......
印象的なシーンは彼女は比較的多いですね。
何といっても「嫉妬深い」絡みで生じるシーンは全部見どころかと。笑顔で足を踏みつけてみたり、奈都美との修羅場、深佳、奈都美と3名での修羅場、そして薫との「女キツネvs女タヌキ」対決........全部傑作(笑) まぁ、実際に見たらとげとげしくて野郎の出番無しでしょうけど(^^; 後は結構好きなのが絵画展からの脱走とか。
#モネを見た直後だったんだよなぁ(笑)
- 久我山深佳
久我山工業社長の娘。若い、天才的ハードウェアエンジニア。
飛び級したほどの天才少女、ですが。
え〜.......対人スキルが低いと評されるように、彼女の人間的幼さがもろに出てくる話でしたかね(^^; コンプレックス持ちでそれが原因で級友になじめないという。また父親と対立して研究が進まない、とまぁストレス多き少女でしたけど。こう、色々と「背伸び」をしようともがいているのが印象的でしたかね....... そういう点はちゃんと書かれていたと思います。
でも、成長しようとしても直球一直線、と言うのもまたこのキャラクターの特徴でしたが(^^;
ま、なんだかんだ言いながらも薫や奈都美、主人公から影響を受け、更に若佳菜に見守られて成長をしていく姿、と言うのは良かったと思います。実際、強くなっていく、と言うのがエンディングでよく出ていましたしね.........
エンディングはしかし両方とも彼女の成長がよく描かれていたと。
Normalのエンディングはまた.......世界が滅び、そして残された中から機械を直し、そして和樹も、と言うひた向きさというか。成長した証だと思いますけど、彼女はその後和樹を「治す」事が出来たのか? また、trueでもまた無機脳の製作に携わり、と言う。主人公を信じていればこそ、と言う話でしたか。
いや、良かったと思います。
印象に残るシーンはエンディング。結局、彼女の成長物語としてみると、エンディングにそれが最も現れていますので。
後は、盆踊りですかね(笑) そりゃ自分が必死にやっているのに、相手が盆踊りで自分を上回っちゃムカツクわな(^^; 後は「卓ちゃん」の辺りですかね........
- 久我山若佳菜
久我山工業社長の娘。現国教師だが、ソフトウェアエンジニア。深佳の姉で親代わりも勤めた。
え〜........最も「大人」かと思ったら実は目茶苦茶に脆いという.........(^^;
非常にストレスがたまりやすいというか。まぁ、環境が環境ゆえに、と言う事でしょうけど........そういう環境の中で見失っていたものを、見つけ、弱い自分を見つめていく、と言うのが彼女のシナリオの主題だったといえるでしょうか。
ま、とにかく色々なシーンでインパクトが強いですね。特に「ギャップ」と言う意味で(^^; まぁ、本当はあそこまで本音いっちゃいかんのですがね、教員が(^^; しかし、所々の対処が最も「大人」であったのもまた事実であったというべきか。苦労人と言うのがにじみ出ていたかと。
まぁ、自分を見つけていく、と言う成長物語だったかと思います。そして、それはちゃんと書かれていたかと。
しかし、またルートというか。
Normalは深佳と基本的に共通ですが、エンディングが........(^^; 希望があるのか、あるいは絶望の狂気の一つだったのか? Trueはまた豪快でしたけどね。大活躍でしたが........とにかく車+若佳菜=暴走、と言う印象を決定づけた気がします(笑)
印象的なシーンですが。
え〜、やっぱり車で大疾走と言うのは各人のシナリオで登場していますが、強烈です。特に高笑いを上げながら疾走する様は「こういう性格ですか」と言う(^^; 後は悩む部分、ですかね......この人が一番深刻で(^^;
後は、彼女のNormalで純子とさや当てしているところでしょうか?
- 麻生純子
サイバー犯罪の取り締まりを対象としている警察官。
え〜.......やった人はよく分かる通り、この人は攻略対象ではありません。
しかし、こう思うのも確か.........ある意味「真のヒロイン」?(笑) いや、この作中でも最も気に入った人物を上げろと言われたら真っ先にこの人です。何といってもただ一言「良い女」に集約されるキャラクター。もっと言って良いなら「カッコよい女」。えぇ、プロフェッショナル意識と思いやりがまた良いというか。和樹がロボットである事を真っ先に受け入れ、更に「人間」として受け入れていき、また大切な事を教えていく、そして義理深いと言うのがもう。
活躍シーンが圧倒的に多く、他のヒロインを食う(というか食ったというか)勢いで最も印象深いと言う。
そりゃ人気出るよなぁ(^^;
印象的なシーンは一杯ありますが。
本格的登場から最後まで、ですけど........第二章での大活躍はもちろん、この章での「大宴会」(笑) いや、あれは意表を突き過ぎ(^^; そして第三章での元パーカー男戦後のシーンからもう目茶苦茶に良い感じです。もう「ちゃんと理解している」と言う感じで。更に「誰を助けるか」の決断後に彼女が和樹に言う言葉、と言うのも非常に良い。「人」として和樹をキッチリと認めているというのが本当によく現れていますしね。
だからこそ、久我山姉妹のルートでの孤軍奮闘ぶりがまた悲しいんですよね..........
作品上最強の「パートナー」であったと言えるでしょう。
#っつぅか、結構「クロウディア+ドライ」で良識持たせたらこういう感じ、何だろうかという気も(^^;
- 入間 佐知美
ネットニュースの取材やらもろもろ。薫を追っかけまくる、騒がしい芸能リポーター。
攻略対象ではありません。が、彼女の存在なくしてこの話はないです。
ま、「ヒロイン?」と言う気にはなりませんが、結構ワイドショー的ながら結構人間的にしっかりとしているという。彼女も和樹をロボットでありながら受け入れた人物ですよね........特に最初は「邪魔」だったのに、協力してくれる様になると非常にこの人の存在が有り難いという。
純子ほど力などは無いけれど、しかし自分のやる事をちゃんと見据えてそれに向かっていた、と言う意味での強さがあるキャラクターだったと思います。実は結構気に入っていたり。ま、ベクトルが違うけどある意味「良い女」と言うか。
なんだかんだ言って純子との友情が生まれる様は結構良い感じでした。
印象的なシーンはまぁ、色々ですが。
やっぱり純子との宴会ですかね(笑) 修羅場後にこれを見ると笑ってしまうというか。スキップする気にならないシーンの一つ(^^; そして、薫ルートだったかで出てくる穏やかなほほ笑み。あぁ、良いなぁ、と。
えぇ、気に入っていますとも。
- 友永遥香
元販売店の営業ロボット。後に無機頭脳搭載のロボット。主人公の「妹」。
え〜、最初こうなるとは思いませんでしたが(^^; 非常に味のある良いキャラクターでした。と言うか、第二章での彼女の存在は非常に暖かみを持たせる訳で、「あぁ、良いなぁ」と思うんですが。
と言うか、何よりも人間臭い。とことん人間臭い。主人公よりも人間臭いところが良いのかもしれませんけどね。
で、ここで彼女にかなり入れ込むと第三章で一気に崩壊するという(^^; さすがはNitro+。えぇ、心傷めますとも。っつぅか、なんかすごいよなぁ........生き延びて欲しかった一人、と思える訳ですから彼女の存在は成功でしょう。そして、そういう部分をトータル的に見ると、また彼女も本来のヒロインたちを「食った」とも言えます。
一応、攻略できますけどね........あれもまた結構悲しいものがあるんですよね.........
印象的なシーンってのはまぁちょこまかとありますが。
宴会で戸惑ったり、あるいは主人公への気遣い、と言うところが良いですね。あぁ、良い娘だなぁ、と。そして何といっても第二章終わりの豹変と、第三章での残虐さ全開のギャップの激しさが忘れられません。
避けられない悲劇が悲しいですね.......
後は、彼女のTrueの絵。彼方を指さす彼女の絵が印象的でした。
結構良い役割を持ったキャラクターだったと言えるのではないでしょうか?
○脇役達への賛歌
多すぎるんで、取りあえず記憶に出てきた連中のみ(^^;
- 品川圭介
友人・同級生。よく考えると、Nitro+物で初の男の同級生の友人(笑)
え〜........第二章途中まで良い味を出していましたが。その後、が.........(^^; 第三章では完全に忘却の彼方。果たして彼は生き延びていたのでしょうか?
それとも?
- 影山貴紳&そあら
元ネタは言うまでも無い(笑)
なんだかんだ言っても、といった影山と、それをずばり言って和ませてしまうそあらのコンビが良い味でした。そしてあまりクローズアップされませんが、影山もそあらも、主人公がロボットであることを知りながら、何も言わず受け入れているんですよね.........わき役ではありましたが、かなり良い味を出しているキャラクターだと思いました。
そあらとのコンビで味が出た、と言えると思いますけどね。
彼らは、Trueでは何をしていたのでしょうか?
久我山姉妹の手伝い?
- 古屋都
久我山若佳菜の後輩で元「恋人」。そして天才であり、災厄の大元の一人。
孤独な人物、だったのでしょうが........あまりにも脆すぎた、と言うべきか。虚無的すぎたというべきか。それが如実に現れていたと思いますけどね.......そして殺されてしまいますし。
なんだか。
でも、その為に第二章終わりでの純子の声が非常に響くものがある訳ですけどね.........「ねぇ、今の気分はどう?」「最悪」「奇遇ね、私もよ」、そして「心のデバグをしなさい」と言う........
しかし「役割」はしっかり果たしたキャラクターだと思います。結構むかつきますけど(^^;
- 帯刀
北城家執事筆頭。
千絵梨始め、北城家の為ならえんやこら、と言う人物。特に千絵梨への愛情は非常に細やかで、見ていて「あぁ、この人は大事にしているんだなぁ」と言うのがよく分かります。そして、マーシャルアーツはするは、SVTOLの操縦もばっちり。この人がいると、修羅場を容易に切り抜けられるような気がしますねぇ(^^;
実はかなり気に入った人物です。
ま、千絵梨への愛情は本当に細やかで、破られた絵の修復をこっそりやっておくとか、彼女の頼みを断り切れないとか。だからこそ信頼されているのでしょうけどね.........だからこそ千絵梨Normalでの死は凄絶な物を感じますし。
いやぁ、良いキャラクターでした。お気に入り。
- みここ
薫のファン。と言うよりストーカー?
「おねがい君」の存在を初めて見せたキャラクターですが........両親ともそれにはまってしまっていた、と言うのがなんとも。家庭状況が「イカレた宗教一家」的様相を呈しているのは想像に難くないですが........でも、彼女の役割は作中では多く、なんだかんだ言いながら関与していましたね。
特に薫ルートでの必死さは印象的でしたが........まぁ、各自Trueルート以降の彼女はどうだったのか、と言うのが結構気になります。
- 久我山雷蔵
久我山工業社長。久我山姉妹の父親。
娘たちを守る為、と言う事が描かれていますが........何となく、風貌が印象的で(^^; ま、やっぱり「親」だった、と言う意味で活躍していましたね。
- 北城霧江
悪役。第二章、第三章での混乱に加担。
ま、北城家のごたごたが無ければまだ彼女も違っていたのでしょうが........千絵梨ルートでの悪役っぷりがまた豪快です。彼女もまたどこか、都みたいに心の中に虚無的なものを持っていた、と思いますが.........とにかく彼女の狂気っぷりは見事です。
まぁ、でもこういう問題がなくても、なんだかんだ言って亡者だったでしょうけどね。
ただ、個人的には彼女が「おねがい君」に本当に傾倒していく様、とかそう言うのをもう少し出して欲しかったなぁ.......話を補完する為にも。
- パーカー男
悪役でしたが。
なんか「人のゆがんだ部分を集約」させて破壊衝動持たせるとこうなるのかなぁ、と言う感じがしますけどね.........ま、和樹の裏返し、といったキャラクターでしたが。
本当「悪役」だったよなぁ........
- 須々木詠美
誰、って?
施設のおばあさん(^^; 微妙なんだけど良い味していたよなぁ、と言うか。彼女は奈都美の成長のきっかけの一人、と思いますが......
- 野田瑞穂
薫のNormalルートで最も美味しいところを持っていったキャラクター。
生き延びられなかったか........
- 小寺小町
えげつないヤツでしたが。
彼女、結局意識不明のままどうなったんでしょうかね?
- 神田川むつお
代議士。
...........悪徳、の一言。
以上、ですね。
ま、大分実験的な作品に感じましたが。思ったより魅力は出せていたと思います。そして、骨太すぎてヒロインの余地が少なかったのが残念でしたが..........取りあえず、新しい取り組み、と言う点で意欲的だったのは評価しています。ま、ちと大ボリュームですけど(^^;
後は、もうちょい「肉を厚く」して欲しいなぁ、と。それだけです。
・供与者への謝辞
面白かったです。
どうもありがとうございましたm(_ _)m>Aoxさん
(最終更新 2003/03/23)
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