One 〜輝く季節へ〜


もどる


※:これは、ゲストブックの「過去ログ32」の2000/5/16 23:07より、引用です。


 取りあえず、プレイしてみた「One 〜輝く季節〜」の感想&供与者へのレポート。

 評価(5段階中):4.6±0.1
 シナリオ完了順:川名みさき→椎名繭→長森瑞佳→里村茜→上月澪→七瀬留美

 個人的に初めてプレイしたタイプのゲーム.........ではなく「ビジュアルノベル」という事になります。
 で、小説という点に立脚してみた場合、6つ(+1らしいが)の話がある、という事ですが..........一部シナリオにおいて結構琴線に触れるものがあって感動しました。
 一応、小説に対する最大級の賛辞であると思っています。一応、私的には最上位クラスに入れても良いかと思っています。
 まぁ.......涙もろいと泣くだろうなぁ、と思います。管理人は泣きませんでしたが(^^;; 基本的に泣かないので..........
#劇画「子連れ狼」読んでて電車で泣きそうになった事がありますが(爆)
#↑「牙志」とラスト.......(T_T)

 ま、自分でも意外なことに、結構肌に合いました。かなり気に入っています。

 尚、絵(顔とか)そう言うのは良く分からないんでこちらで評価はしません。内容に関しての感想です。


 で、評価。

○難点
 最初に持ってきておきます。ま、結果的には充分補われているように感じましたけど.............

・複数回やらないと意味が通じない
 見方による部分と、やるシナリオによる部分がありますが。 最初やった時は全然分からず、気付いたら「あの時間」になるわけですな。
 結局、長森嬢のシナリオの回想シーンでやっとピンと来て、里村嬢ではっきりするという.......... そのためにみさき嬢でのシナリオの残っていたセーブデータをひっぱり出して.......という「手間」が生じました。
 もちろん、「ある程度前提がある」という上でやるのも良いのですが...........個人的にちょっとこの点はマイナスです。 また、「攻略」に挑もうとした場合、順序によっては4、5回目でやっと意味が、ってことになりますよね............
 最も、これがある種の利点にも繋がるんですけどね...........(後述)

・「いきなり何?」
 これ、シナリオによってはこう思うところが(^^;; すでに分かっていることを前提、ってのは気を付けないと話の重みを失うんですよね.......

・誤字/脱字
 一応。小説な訳ですし、製品なわけですし...........


○評価
 まぁ、総合的な部分でもあるんですけど............
 まず、キャラクターとシナリオがちゃんとしていたのは評価できますね。 もちろん、そうでないと本来はいけないのですが(^^;; ちゃんとキャラクターが確立されていたので、どのシナリオでどのキャラクターが出てきても「あぁ、らしいわ」と言えるのが良いかと思います。
 ストーリーは........基幹をなす部分が難解ですね。結構。 ま、そのために複数回やる、という部分もあるのですが............. ただ、話の筋がわかると色々と「くる」ものがありました。 特に、徐々に「あの時」に向かっていく、という様なシナリオでそれが描かれていると.......... やっぱ、辛いですよね。その直前が。 特に、みさき嬢と里中嬢で。

 以下、シナリオ毎の感想(プレイ順)。
・川名みさき嬢
 手探り状態で進めていて最初に当たったシナリオ。 最も「大人」なキャラクターか。 ま、色々な意味でキャラクターがかなり勝利しています(笑) シナリオも良いですし。
 まぁ、最初だったんでなかなかピンと来なかったんですけど........クリスマス以降が重くて来るものがありますね........... ラストの所なんかは最初ピンと来なかったのですが、「その時間」が来てから「はっ」っとなりました。 それですごく来るものがありましたね........絵的にも話的にも。 ま、オーラスがそれでしっくり来るようになるんですよね..........最後の祝福の一言は色々な意味を含んでいるかと思います。
 色々とありまして一番、琴線に触れるものがあったシナリオです。 一番のお気に入り。

・椎名繭嬢
 「みゅー♪」で片づけられると言われましたが、まんまでした(笑) また、関係者が保護者状態になるのがある種ほほ笑ましいシナリオでした(笑) でも、クリスマス以降に「恋人」はちょっと..........「突然?」でしたが。
 まぁ、キャラクターの成長過程が良く出来ていますね。「あの時」の直前で上手く昇華したというか。 一番来るものがあったのは、オーラスの方ですかね。友人との会話の所で振り返るとき、ですか。
 ま、結構笑わせてもらいました(^^;;<保護者騒動というか(^^;;

・長森瑞佳嬢
 主人公の幼なじみ、ということですがその献身ぶりには非常に敬意を表します(笑) ストーリー上、特に回想シーンでの最重要キャラクターですね。当然世界観の確立に必要なキャラクターです。 このシナリオで結構ピンとくるものがありました。
 いやぁ.........この人もキャラクターがかなり大きいですね。1月以降の出来事が結構重かったです。 また、会話で色々と........肝心な部分を示唆しているキャラクターでもありますか。
 最期の日は.........このキャラクターでないと成立しませんねぇ。あぁ言うのは。 結構お気に入り。

・里村茜嬢
 「メインを張る」と言っても全然遜色ないシナリオでしたな(^^;; 徐々に心を開く、というプロセスが良く出来ていたと思います。
 個人的にクリスマスは色々と笑わせてもらいました(笑) キャラクターによる役割分担が良く出来ていますね............
 しかし.......この話の基幹をなす部分についてですが、このキャラクターはその点において一番重いですね。 やっぱり、「あの日」に近づいていくプロセスに至るようになってはかなり。 ずっしりというか来るものがありました。 世界観での確立に必要なキャラクターですが.........
 結構辛いですねぇ.........ま、それ故オーラスが安心できる、という感じですかね。 お気に入り。

・上月澪嬢
 繭嬢に続いてある意味ほほ笑ましい感じのシナリオでしたが..........(^^;; 結構豪胆なキャラクターですね(笑)
 まぁ.........最後まである意味「かわいい妹」的な感じがしました(^^;; ただ、やっぱり「あの日」が来るまでの時間が長かったりしたので重い部分が結構。 また、言葉がしゃべられない故のスケッチブックが結構良い感じを出していたような気もします。
 ただ、全体的に.........他のシナリオに埋もれている感じがありますね。 オーラスも友人が語っていましたし。
 ま、その点が残念というか。

・七瀬留美嬢
 密かに「夫婦漫才」に期待していましたが、見事に(笑) なんつぅか、「壮大な空回り」に結構笑わせてもらいました(^^;;
 キャラクター的には面白いですね。「乙女」にあこがれるということでしたが、所々の空回り具合とか(^^;; 主人公にある意味最も振り回された部分のあるキャラクターですな。良くも悪くも。
 ま、テスト以降の、クリスマス以降でのシナリオの内容はなかなか良かったかと思います。 ただ、「あの日」が比較的早く来たためにそこら辺の重みが無かったのが残念ですか。他にあったような悲壮感が今一つでした。
 オーラスの心境は結構痛いですが.............結構、あっさりしたシナリオかも知れません。


 ま、こうみると「先がある程度見える故」の重さというか、そう言うのがありますね。確かに。
 ともかくも、ある程度理解が出来るようになってからが面白かったです。 自分がここまで気に入るとは思わなかったんですけどね(笑)
 良い勉強ができたかと思います。

・謝辞
 面白いきっかけをありがとうございましたm(_ _)m>Aoxさん



以下ネタバレ関係
(追加分)




























○ネタバレ入りの個人的解釈、感想、与太。
 サイトを巡ればこの作品についてのサイトがいくらでもあるようですけど.........実は一つも見ていません。
 ま、色々な解釈が出来る話ですけど..........どういう解釈がされているのか分かりませんが、個人的な解釈でも書いておきます。
 感想はまだしも、「クレーム」は不可です。
#好きに解釈させて下さい。

・「夢」の世界
 厳密には「夢」じゃ無いんでしょうけど........日が変わるときに出てくる謎のシーンがありますね。 あれ、「えいえんの世界」に飛んだときの話でしょうね。 寂しい世界が色々と出てきますけど、やっぱり「みさお」が死んでからの彼の心象風景なのでしょうか。 で、この世界が現実の部分と徐々にオーバーラップしていっている、のでしょうねぇ.......特に、あっちとこっちの世界が頭の中で「ごちゃごちゃ」になっていく所がありますけど、「えいえんの世界」の方が徐々に主人公に大きく介入していっている、と。
 で、それが極大に達して飛んでいっちゃうんだろうと思っています。
 まぁ、「永遠」ならば時間軸は無視して色々と飛べるだろうと思いまして............

・盟約の相手
 みさおへの回想シーンがありますが.........あの最後に出てくる「永遠の盟約」の相手。画像は長森嬢の幼いころ、となっていますが.........
 個人的には、話の筋から「えいえんの世界」が「自分で作りだした世界」である以上(10年以上かけてでき上がるという、極めて遅効性のトラップみたいですが(^^;;)、やっぱり長森嬢なのかと思っています。ただし、「『永遠の世界』とセットで自分で作りだした」という長森嬢です。 ま、振り返って「この4ヶ月〜」って下りを考える(他のキャラクターを挙げていることとか)と、こうなる気がします。
 ま、主人公の精神世界にでき上がったキャラクター、という解釈ですね........... そういう意味では、話の中で毎朝起こしてくれて一緒に走っていたりする長森嬢とは「別の」人物、と思っています。
 でも、物すごく怖い話ですね.........こう言うのって。

・川名みさき嬢のシナリオ
 やっぱり、学校で失明したんですかねぇ..........
 二回目にプレイしたときに良く考えつつやってみたのですが、すごく痛かったです。と言うのは、肝臓ぶっ壊して飛んでもなく苦しんでいた時をこの人のシナリオで思い出してしまいまして(^^;;
 ともかく、色々と大人のキャラクターですね。
 尚、最後の一言は大分重く取っています。 「卒業おめでとう」というのは、やっぱり主人公の卒業式(って出ること出来たのか?)のだけじゃ無くって、「えいえんの世界」からとか諸々の、という意味での解釈をしました。
 ま、全体的な流れと言い、一番気に入っています。ある意味、最初にクリアーして良かったのかも知れないと思っています。

・椎名繭嬢のシナリオ
 結局この子は何歳だったんでしょうね?(笑) シナリオでは中二なのかな?
 ともかくあの「周辺が全員保護者状態」ってのは笑えましたね。大分。 しかも、過保護な連中ばっかり(笑) 長森嬢はその最たるものでしたし。 でも、主人公の保護者感覚も大したものだと思っています。えぇ。
 いちばん良いと思ったのはオーラス。振り返るシーンで日記の「みゅ〜♪」も笑ったんですが、一番良かったのは「最後に泣いた日」の下り。母親のところで泣くシーンが実は一番動かされました。

・長森瑞佳嬢のシナリオ
 本当に献身ぶりは大したものでして(^^;; 朝起こすのも大したものです。小さいころから、というキャラクターならではの活躍ぶりでした。 ま、おかげで結構笑えましたけど。
 しかし........この娘さんのシナリオをみると、主人公がエラく「ひどいやつ」に見えるのは私だけでしょうかね?(^^;;
 謎ですが、雨で風邪引く、ってシーンがありますけど何で彼女は来なかったんでしょう? 記憶から消え始めたからか? それとも単純に急用だったのか? 何となく最後まで気になったんですけど(^^;;
 ラストへの過程は結構好きです。消える辺りとかは、このキャラクターならでは、かと思います。

・里村茜嬢のシナリオ
 凄い味覚しているよな......... いや、良く考えると山葉堂の練乳蜂蜜入りワッフルですか。あれを食べられる味覚で弁当がまともだったのがある意味不思議で(笑)
 実は、この娘さんの話ではいつもある音楽が頭を巡っていました。Mike Oldfieldの「Moonlight Shadow」という歌。 何となくオーバーラップするんですけど..........
 歌詞の内容は「恋人を殺された時何も出来なかった女性が、『いつか、遠い天国で会えますように』と祈り続け、待ち続けていると、月明かりに恋人の姿が浮かび上がって...........でも、彼女は何も出来なかった」という感じ。 なんとなくこれと重ねてしまいます。 最初の幼なじみでも、そして主人公にも何も出来ませんでしたから..............
 しかし、やっぱり壮絶ですね。消えるときが。重いというか..........高い評価を出す人が多い理由がわかります。

・上月澪嬢のシナリオ
 見てて飽きないというのはこの娘さんでしょうね。多分。
 結局幼いときの主人公との出会いをどこまで覚えていたんですかね? スケッチブックの影響で、ってのは良く分かりますけど..........そう言えば、この子が声を持ってないと言うことを知った親御さんは、コミュニケーションの取り方について何していたんだろうという考えが実はあったりしまして(爆) ま、余計なお世話といえばお世話ですが。
 しかし........オーラスで友人が語っていた、というのは本当に残念だったりします。彼女自身の言葉が無かったですから。

・七瀬留美嬢のシナリオ
 楽しいやつ........(^^; やっぱり、漢字試験で結構悩みました(笑)
 ま、ともかく........クリスマス以降が面白いキャラクターですね。えぇ。主人公の鈍さも相まって色々と楽しいというか。 しかし、主人公もキムチラーメンとか食わせに行くかねぇ(^^;; もうちょい考えろとかさすがに思いましたけど。 でも、このシーンとダンスのシーンが結構記憶に残ったりしています。
 でも、まぁ........オーラスとか考えると、一途ですね。この人。
 「夫婦漫才」状態とか考えると色々と楽しいものでした。


 しかし......ま、初めてやるタイプの作品だったんで最初は結構悩みましたが..........
 えぇ。良い作品でした。 ファンが多いわけが分かったような気がします。色々と。


(最終更新 2000/06/18)

トップへ