〜Parallels 4.0へのアップグレードとベンチマークの結果〜

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・このページの目的

 2008/12/05、Parallels日本語版の最新版がダウンロード開始となりました。
 このページではその最新版の導入とベンチマーク結果を公表します。

・アップグレード実行とトラブル

 Parallels4.0は指定されたサイトに行き、ダウンロードをした後に、アクティベーションをする事で使えるようになります。その後、メールによる情報配信を望むか、と言うようなアンケートの後に起動します。

 起動後、3.0の時とは異なり、起動する仮想マシンが一覧となって表示され、それを起動する事で立ち上げる事が出来ますが、MacOS 10.5.xのメタル基調のウィンドウに準拠した為か、今までとは違う感覚での起動となります(むしろVPCに近い感覚のリストであり、右クリックで一発でスタートが可能です)。
 実際に起動すると、アップグレードした場合は3.0で使用していた仮想マシンを変換する作業が待っています。この変換には容量等で恐らく大きく違うと思われますが、20GB弱の容量でおおむね40〜50分ぐらいかかり、また途中で手動でのParallels toolのインストールが数回要求されました。
 このやりかたは非常に面倒くさいので注意を要します。初回の起動に関してはウィンドウをクリックしてしまうとParallels toolsが一度削除された後の為か、通常の手順によるマウスの解放が無効化されます。まずは「仮想マシン」から「Parallels toolsのインストール」を選択してからウィンドウをクリックする必要があるかもしれません。
 これによる起動時には、毎回構成の変化によるWindowsのライセンス認証を要求されますが、これは最後まで無視して構わないようです(どちらにしても最後の最後でやる羽目にはなる)。

 最終的な起動後、CD/DVD-ROMにアクセスできない、と言う様な表示が出ましたが、これは環境設定で接続を切っておく事で解決できます。また、音が一切出てこない問題も生じました。これに関してはウィンドウモードで起動し、ウィンドウ右下にあるサウンド関係のアイコンをクリックし、出力を「Default」にしておく事で解決しました。

 ウィンドウデザインの変更に伴い、使用感は若干異なる部分もありますが、基本的な感じではそれほど大きな差はないように見えます.......今のところは。

・ベンチマーク計測

 基本的には、今まで通りです。
 「HDBENCH」は、CPUの計算能力、描画の能力、ディスクのアクセス速度(KB/sec.)、メモリーへのアクセスをそれぞれ計算します。
 「Super_pi」は、単純に「π」計算を行い、指定された桁数を計算するまでの早さを測定します。CPUの計算能力の単純な比較が可能となります。

・設定についてとベンチマークのデータ

環境その1
機種CPU2nd Cache内臓メモリーMacOSHDD接続環境Video Card
MacBook (Late2007)
(MB063J/B)
Intel Core 2 Duo
2.2GHz
4MB(共有)4.0GBMacOS X 10.5.1(9B18)内蔵Serial ATAIntel GMA X3100(144MB)
Parallels稼働OSHDDイメージWinodwsメモリーVRAM割当ベンチソフト
4.0(Build 3540)WindowsXP
Home Edition(SP2)
1500MB1500MB16MBHDBENCH3.30
Super_pi
がんぶるベンチ
環境その2
機種CPU2nd Cache内臓メモリーMacOSHDD接続環境Video Card
MacBook (Late2007)
(MB063J/B)
Intel Core 2 Duo
2.2GHz
4MB(共有)4.0GBMacOS X 10.5.1(9B18)内蔵Serial ATAIntel GMA X3100(144MB)
Parallels稼働OSHDDイメージWinodwsメモリーVRAM割当ベンチソフト
3.0(Build 5582)WindowsXP
Home Edition(SP2)
1500MB1500MB16MBHDBENCH3.30
Super_pi
がんぶるベンチ

結果

HDBENCH 3.30
ALLCPUメモリーVIDEODISK
ALLIntegerFloatReadWriteRead&WriteRectangleTextEllipseBitBltDirectDrawREADWRITECopy
環境1a96204156377103792849158647616762764200658942562075859327156156375155
環境1b98859157470106285862278765417851364948655472564078259326114256967247
環境1c1204213122902088881606671116212267481089818301323943157363120217687559
環境2a5354518802113834910090461381146006687866698624815725676943083455622
環境2b55935161348897787453910919820119556904631242783466870623242587712420
※環境*a:1280*800 32bitフルスクリーンで、アンチウイルスソフト(NOD32 ver 2.7)起動中
※環境*b:1280*800 32bitフルスクリーンで、アンチウイルスソフト(NOD32 ver 2.7)を終了
※環境1c:環境1aの状況で、割り当てCPUを2個に。

Super_pi
1.6万桁3.2万桁6.5万桁13万桁26万桁52万桁104万桁
環境1--:----:--00:0100:0200:0500:1000:25
環境1(CPU*2)--:----:--00:0100:0200:0500:1100:24
環境2--:----:--00:0100:0300:0500:1100:27


・コメント
 大きく目に付くのは、DISK関係の能力が著しく向上している事でしょうか。仮想マシンのフォーマットが新しくなっていますが、恐らくはその影響と考えられます。他の数値は大きく差があるようには見えず、描画についてDirectDraw関係が若干落ちています。しかし、Super_piの結果を考えると、内的には若干の速度向上もあるように見えます。
 なお、本ベンチでは「がんぶるベンチ」は描画がうまくいかない為に乗せていませんが、参考までに環境1aの状態で462fpsを記録しています。3.0では描画がおかしいものの余り数値が延びなかった事を考えると、内部での処理で何かしらの変更があった事は容易に推測できます。
 また、もう一つ仮想マシンへのCPU割り当てを増やしたベンチマークも測定しています。描画が著しく落ちているのは、2CPU時には画面を左右二分割し、それぞれで計測(スクロールは左側と右側で向きが違う事もありますが)と言うことをしている為に、単純に比較は出来ません。ただ、CPU関係の性能はほぼきっかり二倍の数値を出しているのが特徴です。
 ではCPU2個の割り当てで効果があるか、と言うとまだ今のところ体感できるような差はないようです。大きな負荷をかけない限りは駄目でしょうか。
 なお、複数CPUにした時に仮想マシンが終了しなくなる事もあるなど、時折不具合も見られるようです(環境に寄りけり?)

 ひとまず、メジャーアップデートを行ったソフトですが、色々と細部での変更はあるような感じはします。
 ただ、アップグレード作業での妙な手間や、終わった後の不具合(音が出ない時はどうしようかと思った)には困りましたが.......ま、ひとまずはもっと使ってみる必要があるでしょうか。



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最終更新2008/12/08