〜Parallelsのベンチマークの結果とVPCとの比較〜

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・このページの目的

 管理人が2007/12/28にMacBook(Late 2007)を購入。これに伴ってParallelsを導入し、これにWindowsXP Home Edition SP2を入れて使ってみました。
 以前のVPCとマシンパワーなどはどう違ってくるのか?
 これは当然VPCをバージョン1.0から使ってベンチをとり続けている人間としては気になり、せっかくですのでとり、比較を行ってみました。

 なお、当たり前の事ですが単純比較は不可能ですので、データは全て「参考」として考えてください。

・使用しているベンチマークソフト

 基本的には、VPCと同じような形でやってみたかったため、その通りにやってみました。即ち
 「HDBENCH」は、CPUの計算能力、描画の能力、ディスクのアクセス速度(KB/sec.)、メモリーへのアクセスをそれぞれ計算します。
 「Super_pi」は、単純に「π」計算を行い、指定された桁数を計算するまでの早さを測定します。CPUの計算能力の単純な比較が可能となります。
 「がんぶるベンチ」は、シューティングゲームをベースとしたベンチマークソフト。fpsを測定します。

・設定についてとベンチマークのデータ

 VPC側は基本的に過去の記事で示した条件とします。なお、10.5「Leopard」からはサポート対象外となっており、実際に障害があるケースもある為に計測は行っていません。以下のデータは過去のVPC記事から転載しています。ParallelsはMacBook上での動作になりますが、基本的に以前からの表記法を踏襲してあります。

環境その1
機種CPU2nd Cache/3rd Cache内臓メモリーMacOSHDD接続環境Video Card
PowerMacG4(DVD model)
(Sawtooth)
Sonnet ENCORE/ST G4
PowerPC G4/1.4GHz
256KB
2MB
576MBMacOS X 10.4.1(8B15)内臓Ultra ATA/66(60GB/60GB)
(MASTER接続)
GeForce3(64MB)
VirtualPCVPC稼働OSHDDイメージWinodwsメモリーVRAM割当ベンチソフトFormatter
7.0.2Windows98SE350MB256MB4MBHDBENCH3.30
Super_pi
がんぶるベンチ
Disk Utility

環境その2
機種CPU2nd Cache内臓メモリーMacOSHDD接続環境Video Card
PowerMacG5
(M9747J/A
PowerPC G5
2.0GHz Dual
512KB2.5GBMacOS X 10.4.2(8C46)内蔵Serial ATAATI RADEON9600(128MB)
VirtualPCVPC稼働OSHDDイメージWinodwsメモリーVRAM割当ベンチソフトFormatter
7.0.2Windows98SE350MB256MB4MBHDBENCH3.30
Super_pi
がんぶるベンチ
Disk Utility

環境その3
機種CPU2nd Cache内臓メモリーMacOSHDD接続環境Video Card
MacBook (Late2007)
(MB063J/B)
Intel Core 2 Duo
2.2GHz
4MB(共有)4.0GBMacOS X 10.5.1(9B18)内蔵Serial ATAIntel GMA X3100(144MB)
Parallels稼働OSHDDイメージWinodwsメモリーVRAM割当ベンチソフト
3.0(Build 5582)WindowsXP
Home Edition(SP2)
1500MB1500MB16MBHDBENCH3.30
Super_pi
がんぶるベンチ

 VPCでの環境は過去の記事にある通り、基本的に800*600で、フルスクリーンモードでの計測が基本となっています。一方、MacBookでは表示領域が1280*800の状態でフルスクリーンでの計測が「基本」になっています。

結果

HDBENCH 3.30
ALLCPUメモリーVIDEODISK
ALLIntegerFloatReadWriteRead&WriteRectangleTextEllipseBitBltDirectDrawREADWRITECopy
環境11088726833178731156229888180184529534314562732617235112371727
環境226757313351279010444768607142130678585253105314434512184137415
環境3a5517814927391265106126102542137406985808162031418462799611691475413523
環境3b61319189439122830924576947014600612657472985314184868102604832847514083
環境3c5354518802113834910090461381146006687866698624815725676943083455622
環境3d55935161348897787453910919820119556904631242783466870623242587712420
※環境3a:800*600 16bitフルスクリーンで、アンチウイルスソフト(NOD32 ver 2.7)起動中
※環境3b:800*600 16bitフルスクリーンで、アンチウイルスソフト(NOD32 ver 2.7)を終了
※環境3c:1280*800 32bitフルスクリーンで、アンチウイルスソフト(NOD32 ver 2.7)起動中
※環境3d:1280*800 32bitフルスクリーンで、アンチウイルスソフト(NOD32 ver 2.7)を終了


Super_pi
1.6万桁3.2万桁6.5万桁13万桁26万桁52万桁104万桁
環境100:0500:1100:2000:3801:2002:5906:45
環境200:0700:1700:3101:0002:0404:3009:13
環境3--:----:--00:0100:0300:0500:1100:27
環境2については実際の数値と異なる可能性が高いため、参考程度

がんぶる ベンチ(fps)
環境1環境2環境3
解像度調整73.1177.466.3
Window72.0169.962.0
MacBook上では256色の表示はうまくいかないため参考程度のデータ





・コメント
 画面サイズやソフトウエアが違うなど、ありとあらゆる状況が違う為に、単純比較ができない事は頭に入れてください。
 VPCに比べてやはり全体的に速度が速いのが特徴です。Super_piはまさにその顕著な例の一つとなるでしょう。HDBENCHでもやはり倍以上のパワーを見せつけています。「がんぶる」ベンチにかんしては色がうまく出せず表示がおかしいなどの制限がある為、これは完全に参考程度になると思います。

 ある程度細かくみると、HDBECHではメモリー関係の差が以前(VPC上と言うべきか)と比べて余り差がありません。が、やはりCPU、描画能力とDISKといった他の点で圧倒的な差があるように見えます。そして、実際に使うと入れざるを得ない(人が多い、と言うべきか?)アンチウイルスソフトは、大体1割程度ベンチ上では能力を食っていくらしいことが分かります。
 ちなみに、NOD32は「軽い」部類のソフトとされており、他社の製品を入れた場合にはもっと食われる可能性があると言うことを参考に入れておくと良いでしょう。なお、VPC上ではアンチウイルスソフトは入れていませんでした。

 Super_piでは、最初の二つの表示が「--:--」となっています。これは1秒未満で終わった為です。
 しかしやはりPowerPC上のエミュレーションとは大きく数値が異なるといえ、Intel Mac上での、と言うよりは異なるCPUのエミュレーションに如何にパワーが使われているのかをまた感じるようなベンチマークといえるかもしれません。

 がんぶるベンチについては表示がうまくいっていないので余りコメントができない、と言うのが実際のところです。
 当初XPではダメで、Windows98のエミュレーションモードを切り替えてはどうか、と思い実際にやって起動してもエラーが表示されました。完全な「参考」程度と言えるかと思います。
 しかし、実際にある程度ゲームなどを入れてやってみると、流石にVPC上よりもずっと良いパフォーマンスを見せます。音を鳴らしても音が途切れたりまともに鳴らない、と言う様な問題は生じる事もなくスムーズですので、そういう部分ではやはり圧倒的なパワーを見せつけるといえるでしょう。

 なお、実際にゲームの他にもMS Officeを使用しても特にもたつきはありません。
 表示や音など、マシンパワーを食うような部分でもしっかりと機能をしてくれる為、使用上速度という点でストレスはかかりません。この為、もしWindows機とMacとの併用を考える場合、余りこだわりが無ければMacintoshを購入し、その上にWindows環境を構築する事は、以前(VPCの時など)に比べてより敷き居が低くなったといえると思います。どうしても、と言う場合にはBootCampも使用できますので、資金面や諸々の部分はありますが、そういう点がクリアーできるならば実際にMacintoshの方の導入をするのも利点があるのではないでしょうか。
 実際、ヘビーなゲームをやるのではなければ現状は大きな問題はないといえます。
  MacからWindowsへと乗り換えてしまったものの、Macもやはり、と言う方には戻ってくるチャンスとなるかもしれません。


 しかし、エミュレータの世界もここまで来るとは驚きですが。
 VPC 1.0の頃の「まぁ、我慢すれば」段階から徐々に「使えてくる」と言うものへと発達して行ったのをみて行くと、こういうレベルにまで上がって行った事には感慨深いものはあります。同時に、ずっと使ってきたVPCの終焉も意味するものである事を考えると残念なものは感じます。



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最終更新2008/01/15