〜VirtualPC7.0.1の簡単な所見〜


ここでは、VirtualPC 7.0.1を稼働させてみた簡単な所感です。


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・最初に

 2004年12月、MicrosoftがConnectixより買収したVirtualPCの初のメジャーアップグレードのアップグレードパッケージが登場しました。
 これを購入し、テストした結果やトラブル等、比較的初期の段階ではありますが、その時点での所感を欠いていってみたいと思います。なお、使用しているOSは「サポート対象外」である98SEが基本です。
#一部95もあります。


・設定および基本ベンチマーク

 一応、ベンチマークの結果からの転載です。
7.0.1
環境その1
機種CPU2nd Cache/3rd Cache内臓メモリーMacOSHDD接続環境Video Card
PowerMacG4(DVD model)
(Sawtooth)
Sonnet ENCORE/ST G4
PowerPC G4/1.4GHz
256KB
2MB
576MBMacOS X 10.3.7(7S215)内臓Ultra ATA/66(60GB/60GB)
(MASTER接続)
GeForce3(64MB)
VirtualPCVPC稼働OSHDDイメージWinodwsメモリーVRAM割当ベンチソフトFormatter
Windows98SE350MB256MB4MBHDBENCH2.61
HDBENCH3.30
Super_pi
がんぶるベンチ
Disk Utility
※VPC7.0より旧MacOSでの起動はできない。

結果

HDBENCH 2.61
ALL浮動小数点整数演算メモリー矩形テキストスクロールDirectDrawREADWRITE
7.0.117905512984698216396814231858142269261471110512
6.0.3(9.2.2)2584078648696553288710487337513518364301715213526
6.0.3(10.3.3)24360776116880334532904737051278634725133849200


HDBENCH 3.30
ALLCPUメモリーVIDEODISK
ALLIntegerFloatReadWriteRead&WriteRectangleTextEllipseBitBltDirectDrawREADWRITECopy
7.0.1112262970619244997526922158525541619616112752617273124352008
6.0.3(9.2.2)1609943352268801059529126166786963933765431231170832153512351
6.0.3(10.3.3)1304943584263891248333381199636178859817773392517279109632278


Super_pi
1.6万桁3.2万桁6.5万桁13万桁26万桁52万桁104万桁
7.0.100:0300:0600:1200:2200:4601:4704:15
6.0.3
(9.2.2)
00:0200:0600:1200:2100:4501:4204:07
6.0.3
(10.3.3)
00:0700:1400:2100:4001:2002:5306:28


がんぶる ベンチ(fps)
7.0.11.4GHz
(9.2.2)
1.4GHz
(10.3.3)
解像度調整83.676.568.2
Window80.183.463.2




・アップデートとトラブル


 VPC7を導入時、VPC6からのアップデートを行いますが、今回はいくつかの違いがあります。
  1. MacOS Xのみしか使えない
  2. システムがあるディスクにしかインストール出来ない
  3. VPC6はそのまま使用出来るが、VPC7へコンバート後のバーチャルマシンは使用出来ない
  4. OSはWindows2000とXP以外は保証しない(但し、DOS、Linux、Me以前を使用する事はできないわけではない)
 と言う点があります。ま、MS側としてはXP以外は「絶対に使わせたくはない」のでしょうが、それだとスカン食らうからやむなくなんでしょう。2000も使わせたくないと思いますが、本当は。
 なお、2000とXP以外のOSは全てだと思われますが、必ず「サポート対象外」と言う事で警告がされます。

 コンバート後は自動的にバーチャルマシンが立ち上がり(ついでにヘルプビューワも立ち上がる。コンバートする量が多いと段々邪魔にしか感じなくなります)ます。
 使用している98SEでは、内部構造の変化の為か自動的にドライバ類のインストールなどが行われる事となります。この時点ではCD/DVDドライブは認識されませんので、「CD-ROMを入れてくれ」と言われてもスキップする事になります。
 但し、使えるまでの過程では必ずOSのCD-ROMを用意する必要に迫られます。これがないと、640*480の16色モード以外立ち上がる事はできず、またCD/DVDのドライブが読めなくなります。
 最初からOSのCD-ROMを入れっぱなしにしておくと後は勝手に保管してくれるので楽でしょう。640*480-16色モードであっても、起動時にCD-ROMを入れておくとその後改善されますので御安心ください。
 注意事項ついでに、バージョンアップ後、使えるまでの過程をまとめておきましょう
  1. バーチャルマシンが起動し、ドライバ類のインストール作業が行われる(640*480-16色モード)。
  2. CD-ROMが要求されてもスキップする(ドライブは認識されないのでどちらにしても無駄)
  3. 再起動が始まるまでにOSのCD-ROMを用意し、入れておく(入れないと640*480-16色モードで固定され続け、更にエラーが生じる。その場合は、CD-ROMを入れて再起動し、後は以下の手順に従う)。
  4. 再起動するときにはハードディスクからの起動を行う。
  5. それまで使っていた画面モードになっていればOK。起動を待つ。
  6. 追加機能のインストール/更新を行う
  7. 再起動して更新終了
 となります。

 なお、こう言ったのが「恐い」と言う方や手間を惜しまれない方は最初からOSのインストールを行うとこの問題を回避出来ます。余計なゴミも落とせますので、この方法でも良いのかも知れません。

 また、トラブルとしてはディスクイメージの取り扱いの変更があります。
 CD/DVDのイメージディスクは、今までは「.img」あるいは「.image」となる物しか使用出来ませんでしたが(これは旧MacOSで使用されたものです)、しかし今回からはMacOS Xで使用される「.dmg」の物しか使えないようになっています。
 必要に応じて再度イメージ化する必要はあるようです。

・アプリケーションを使ってみる


 アプリケーションは体感的に速度の向上がみられます。
 顕著になるものもあれば、それなりに、と言うものもあります。ただ、Excelでのスクロールは滑らかになりましたし、ゲーム関係も大分警戒になったものがあります。
 しかし難点もありまして、一部のソフトとの相性が悪いのか、あるアプリケーション(現在不明)を使用した後に他のゲームなどを起動させると極端に遅くなる現象があったり、あるいは画面表示がおかしくなるゲームも存在しているようです(原因不明。正常に立ち上がる事もある)。
 特に悲惨なのは、MIDI関係を使うゲームでしょうか。
 物によって違うようですが、異様な間延び状態になったりします。内部のプログラム処理の方向が変わった為か、そう言ったゲームなどは気をつけたほうが良いようです。
#PARTSはどんどん悲惨になるなぁ(笑)

 ひとまず、部分部分アニメーションするようなところでは明確に改善はありまして、個人的に目に付いたのは「吸血殲鬼ヴェドゴニア」のタイトルシーン。床が揺らめく部分が非常にスムーズになり、また他のソフトでも音の途切れなどが顕著に改善されたりと、遊びやすさなどは改善されているように思えます。


・Windows95のサポート?


 VPC6.0以降、Windows95は「使用は出来るが、一部ゲームソフトなどでおかしくなる事がある」と言う現象に見舞われています。その為に管理人は98SEへの移行を行ったのですが、7.0になってどうなのか?
 少し検証してみました。
 まず、ベンチを見ますと次のようになります(ハード等条件は上述のものと全く一緒なので省略。ただし、98SEのデータは比較の為残しておいた)。
結果

HDBENCH 2.61
ALL浮動小数点整数演算メモリー矩形テキストスクロールDirectDrawREADWRITE
98SE17905512984698216396814231858142269261471110512
951565638598467051649574902232827024138118249893


HDBENCH 3.30
ALLCPUメモリーVIDEODISK
ALLIntegerFloatReadWriteRead&WriteRectangleTextEllipseBitBltDirectDrawREADWRITECopy
98SE112262970619244997526922158525541619616112752617273124352008
95116012949825883987426925158525341630915722573715556111044960


Super_pi
1.6万桁3.2万桁6.5万桁13万桁26万桁52万桁104万桁
98SE00:0300:0600:1200:2200:4601:4704:15
9500:0300:0600:1100:2200:4601:4804:14


がんぶる ベンチ(fps)
98SE95
解像度調整83.644.2
Window80.145.4


 Super_piは同じ数字、HDBENCHではCPU、DirectDrawに差があり、特にDirectDrawが95は圧倒的に上なのは分かりますが、チューン具合は全く違うものといって良いようです。トータル的には同じ様な部分もありますが、描画などでは大きく異なる部分があるという見方が出来るかも知れません。
 内部的な処理が違う、と言う事なのでしょうが。
 特にこれを実感させるのが「がんぶる」ベンチです。このベンチに関しては表示がおかしくなりまして、スクリーンショットを実際にとって見ますと、右のようなきわめておかしな表示になります。
 無論、何が生じているのかはよく分からず、また画面中に出てくる文字も化けていまして、尚更判別はつけられないという状態です。ま、動きは見えますので、何度もベンチを見ているひとであれば分からなくはないものはありますが。速度的には98SEでみられるような快適感はなく、実際に数字に反映されているような速度と言えます。また、通常はがんぶるは640*486-256色なのですが、800*600-16bitの状態からの切り替えが上手く行かないようで、画面サイズも800*600になったままとなっています。

 こう言った症状は以前より、VPC6の頃から出ていましたので、実際にWin95は切り捨てられているという感じはしないわけでもありませんが。実際の所、使用してみるとその軽さ故に非常に軽快ではあるのですが、「実際に使用する」という事を考えるとまた問題がありまして、色々とUSBの不具合等もあり、現実的ではないのかも知れません。
 ま、結局は95はやめておけ、と言う事になりますか。


・まとめ


 速度の向上など、トータル面では使い勝手は良くなったと言えるかも知れません。
 しかし、トラブルに関しては対処すべき方法は一切MS側からは提示をしてくれません(2000とXP買えと言いたいのでしょう)。実際のところ2000はまだ使いやすいかも知れませんが、XPに関してはVPCでは非常に評判が悪く、以前として98SE前後のOSは主力として使われる事になるのでしょう。
 一応、速度の向上などはみられますので、アップデートの価値はあり、と思われます。
 もっとも上記のトラブルを切り抜けられるといった、事が普通に出来るのであれば、と言う前提条件がついてしまいますがね。ここら辺はどうにかして欲しい物です。


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(2004/12/19公開)