VirtualPC高速化の為に

～Finder稼働の有無とVirtualPC～

ここでは、VirtualPC起動時にFinderの稼働の有無よる変化を調べてみたものです。

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・最初に
　さて、最近は余り見かけなくなりましたが、昔のアプリケーション（特にゲーム）において「Finderを強制終了」させる、というオプションがありました。　これは、まさにそのメモリーの節約や負荷の軽減の為にあったオプションだったのですが.........
　さて、VirtualPCを通常通り使用していると、その背後ではFinderが稼働しているのは皆さん御存じの通りです。では、Macintoshに付属しているApple Scriptを使用してVirtualPCを起動している間Finderを稼働しないようにすればどれだけの速度向上が見込めるでしょうか？　もちろん、Finderが終了してしまってはファイルのやり取りは出来ないという様なデメリットが存在しますが、そう言った作業を特に必要としない場合、高速化するというメリットが存在します。
　試してみました。

・使用した機種・ソフト等
　以下に実験に使用した機種等、条件を書いておきます。

**ハードウェア・ソフトウェア**
機種	CPU	2nd Cache	内臓メモリー	MacOS	HDD接続環境	Video Card
PowerMacG4(DVD model)	PowerPC G4/350MHz	1MB(175MHz)	320MB	9.0.4J	内臓Ultra ATA/66(10GB)	内臓ATI Rage128Pro(AGP2x)
VirtualPC	VPC稼働OS	HDDイメージ	Winodwsメモリー	VRAM割当	ベンチソフト	Formatter
3.0J	Windows95 OSR2	300MB	約64MB	4MB	HDBENCH2.61 HDBENCH3.22 Super_pi Final Reality1.0.1	ドライブ設定1.9.2

上記以外のVirtualPCの条件
- サウンドカードの使用をオフ
- ビデオの調整をオフ
- Ethernetを不使用
- プロセッサのMMXを不使用（アイドル時間は「与える」）
- 画像条件は、640*480　HDBENCHおよびSuper_piでは256色モード、Final Realityでは16bit High Color。フルスクリーン
- いずれのソフトも起動直後に余計な操作をせずすぐに計測。
- Final Realityの結果は、No Soundで3D AccelarateおよびSoftwareで測定となっている。
  ＃基本的には、他のベンチマーク計測と一緒。
Apple Scriptのプログラム
　「Aox」さんの運営される「趣味手紙」の記事を参考に作成。
　「スクリプト編集プログラム」(J1-1.4.3)を使用して上記サイトのVPC関係記事にある
　を「新規スクリプト」として入力。　終了後、「構文確認」で「VPC」をVirtualPCのアプリケーションに設定。　これを「別名で保存」を選択し、「classic　アプリケーション」として保存し、ベンチマーク計測の際にこれを使用した。
Windows95のインストール条件-HDBENCHとSuper_pi
　通常、ベンチマーク専用に使用してある、300MBのハードディスクイメージを使用。
　Windows95 OSR2を標準インストールし、そこに「3.0 Additions.img」にあるvpc3add.exeを使ってアップデート。このHDDイメージに更にLhasaをインストールしてHDBENCH2.61および3.22。更にSuper_piをインストールしたものを使用した。
Windows95のインストール条件-Final Reality
　新規にハードディスクイメージを300MB用意し、そこにWindows95 OSR2を標準インストール。後、「3.0 Additions.img」にあるvpc3add.exeを使ってアップデートしてから、Connectix社より提供されていたVoodoo2のドライバをインストール。　更にSOFTBANK社のPC Computing誌の1999年９月号のCD中にあるDirectX6をインストールの後、再度vpc3add.exeを使ってアップデートした。　ここにFinal Realityをインストールして使用した。
使用したベンチマークソフトについて
- 「HDBENCH2.61」「HDBENCH3.22」→HDBENCH NETのホームページ：http://www.hdbench.net/（「窓の杜」でも入手可能）
- 「Super_pi」→東京大学金田研究室が制作：ftp://pi.super-computing.org/windows_jp/よりダウンロード可能
- 「Final Reality(Ver.1.01)」→VNU LABS：http://www2.vnu.co.uk/finalreality/（約9MBあるので、時間が必要）
  ※試験方法に関する注意事項：上記ベンチマークソフトを使用するが、基本的に１回しか計測は行わない。

・結果

計測条件
1. Finderを切って際の計測(Finder off)
2. 通常使用環境

結果

ベンチマーク結果

**HDBENCH2.61**
	ALL	浮動小数点	整数演算	メモリー	矩形	円	テキスト	スクロール	DirectDraw	READ	WRITE
Finder off	6112	7928	12139	4311	6351	724	4012	1136	19	9614	7003
通常使用環境	6027	7907	11845	3469	6486	763	4107	1105	19	9037	6970

**HDBENCH3.22**
	ALL	CPU		メモリー			VIDEO					DISK
	ALL	Integer	Float	Read	Write	Read&Write	Rectangle	Text	Ellipse	BitBlt	DirectDraw	READ	WRITE	Copy
Finder off	5251	7278	3966	3375	4298	5715	4366	3127	519	597	19	10605	7675	3073
通常使用環境	5129	7207	3948	3377	4340	5713	4360	2965	576	601	19	10259	7361	3055

**Super_pi**
	１．６万桁	３．２万桁	６．５万桁	１３万桁	２６万桁	５２万桁	１０４万桁
Finder off	00:12	00:22	00:47	01:41	03:45	08:25	18:30
通常使用環境	00:12	00:22	00:47	01:41	03:46	08:27	18:31

Final Reality
	2D image processing	3D Performance	Bus Transfer rate	Ovaeall Score
Finder off(Software)	0.83	0.24	1.69	0.63
通常環境(Software)	0.83	0.24	1.72	0.64
Finder off(Hardware)	0.83	1.82	1.94	1.54
通常環境(Hardware)	0.83	1.82	1.84	1.53

※Pentium150+S3 Virgeの値を１としたときの相対値

　・コメント
　ん～～～～...........

HDBENCH2.61/3.22から
　誤差の範囲ですねぇ..........
　突出した、つまり有意な差が見えません。3.22の部分と比較して総合的に考えてもFinderを切ったら有利、とは思えません。
Super_piから
　全て誤差の範囲内。　どちらが優位、という結果ではありませんね。
Final Realityから
　比較的誤差の大きく出るBus Transfer rateに若干差が出ているようですが、計測ごとにここは大きく変わるので余りあてになりません。
　外見上も変化なし。Finderを切ることで優位に働くとは思えませんでした。

・総括

　ま、環境とか色々とあるとは思うのですが............
　今回の結果を踏まえてみた場合、管理人の環境下においてFinderを切るという行為は無意味という結論に達しました。　もちろん、前バージョン(2.1.X)やOS、機種環境で異って来る可能性は多分にあります。　ただ、冒頭に書いたようにFinderの強制終了をするようなアプリは以前はたくさんありましたが現状では少なくなってきている事を考えるとFinderを切るという行為は全体的にメリットが無いのかも知れません。
　仮に大きくメリットがあったとしても、PC/AT互換機エミュレータの最大のウリの一つであるMac-Win間でのやり取りが出来なくなってしまうことを考えればキツイでしょう。
　機能拡張やFinderなどをいじってみても、結果的にはメリットは無いのかも知れません。少なくとも大きく期待できるほどの結果は無い可能性が高いと言えます。

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最終更新2000/05/29