VirtualPCとSoftWindowsの比較

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このページは、「Aox」さんが実験・比較調査をした内容、および感想をMLに流した内容を、本人の許可を得て一部転載いたしました。
ただし、内容の一部は管理人の責任において編集されています。
一応、両ソフトの「性格の違い」を主眼にしています(「どちらが優れている」という観点ではありません

尚、データとしては「過去のもの」でありますので、現在の最新バージョンとは異なるかも知れません。しかし、管理人の独断ですが、
「基本的な性格に変化はない」
と見られますので、転載しました。「現状ではこうであるから間違いだ」という指摘は受け付けませんので、悪しからず。

VPCとSoftWindows95の環境等

・注意
 SoftWindows95(Ver5.0)をSW95と略してます。
 それから、Real PC(2.0)はSW95のエンジン部分共通なので、
 Real PCはSW95と置き換えてもおそらく同じ結果が得られるでしょう。

・使用環境

#たまに、PCコンパチカード(Pentium100Mhz)との比較もあり。
#もともとPCコンパチカードの変わりになるか?というのがテーマだった。
 Apple PC Compatible Card(Pentium 100Mhz,Mem72MB,VRAM2MB)

SoftWindows 95(Ver5.0)をためしてみましたので報告します。
さて、このバージョンのソフトウインドウズですが、3Dfxに対応してません。
このあたり、評価がちょっと変わってくる部分かも知れません。


ウインドウズ自体の動作

 SW95は、結構機敏に動いてくれます。もちろん、DOS窓も十分快適です。

 VPCのほうは、ちょっとモタつくイメージがあります。とくにDOS窓、または、MSDOS画面では、かなり遅い感じを受けます。特に、VPC2.0に置いては、キー入力のバグがあるようで、例えば

  c:\> DIR C:(CR)

と打ったはずなのに、

  c:\> IR C:(CR)
  Syntax Error
  c:\> d

#c:\>はDOSプロンプトだと思ってね。(^^;

となぜか、最初に打ったキーが入力されず、しばらくたってから入力されるという症状が発生。これが、ゲーム中に置いても出るようで、どれかのキーが押されたままになるという症状が発生。直前のキーでは無いため、「なんだかなぁ〜」と思う。ところが、VPC2.01にアップデートされてから症状が確認されていないので、修正されたようです。(どこにも書かれてないのだが)(編者注:実際には修正されている)


HD Benchについて

 SW95ではかなりのスコアを出します。これが、なかなかの値をたたき出します。もちろん、ベンチマーク中のグラフィックの動作も十分納得のいくものです。キー入力の誤認識もない。ちなみに、評価後のグラフではペンティアム166MHz程度となります。

 VPCの方は散々で、合計ポイントでなんとかペンティアム50Mhzか?という程度。まったく話しになりません。ベンチマーク中の描画測定のための丸や四角などを連続で描写する画面なんて見れたものじゃないです。おそらく、486機より相当遅いでしょう。これを見るとVPCって大丈夫?とかなり不安になります。

ちなみに、PCコンパチでははっきり値は覚えてませんが、まあ、それなりの実力でした。つまり、ほぼ、ペンティアム100Mhzマシンと同等ということで。


「アリスの館4・5・6ベンチ(笑)」

というわけで、昔98で出ていた移植作品ランスをインストールすると、なんと、このシステム、マシンのパフォーマンスチェックがついている。いや、全部についているんだが、なぜか、ご丁寧に、ランスでは、そのパフォーマンスチェックの説明をしてくれている。親切なアリスソフトさん(笑)。

ある意味一つのチェックになるかも?というわけで、とりあえず、ランスのシステムチェッカーをベンチに見立ててやってみました。

ちなみに、ペンチィアム133=100程度を基準として、より小さい値が良いというパワーチェックです。なぜかゲームごとに値が多少変わる(でも、大きく変わるわけではない)ので、とりあえず、ここではランスの物を使用しました。
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  (CPU=CPUのパフォーマンス、GAspec=Graphic Accelパフォーマンス)

  PC Compatible
   CPU 148 GAspec 69

  VPC 2.0
   CPU 67 GAspec 163
   全体的パフォーマンス(115ー112)
  (だいたいの値。一応取れたデータのワーストデータを出してる)

  SoftWindows95
   CPU  80  GAspec  1000

  参考
  AMD DX4/100Mhz PC
  (GraphicはTridentだったかなぁ?XF86に対応しているチップ)
   CPU  190  GAspec  400
  というのは失敗で、専用ドライバをいれたら
   CPU  189  GAspec  256

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 この結果はある意味非常に面白と思うわけで… たった2点しかチェックしていないが、なんか全てをあらわしているように見えて仕方がないわけです。恐らくPCコンパチの値が平均的なPCが示す値だと思います。
 まあ、意外なのが、PCコンパチのグラフィックが早いということです。ATIのMach64とかそーいうチップだったと思うわけですが、意外と早いんだなぁ…と。
 次にVPCですが、CPUだけ見ると、なんとPCコンパチの倍! 逆にグラフィックが倍以上(笑)とりあえず、全体パフォーマンスとして、PCコンパチもVPCも充分遊べるレベルになります。(100前後になります)
 一応このソフトペンティアム100MHz以上を推奨しているわけで、120〜130程度ならOKとしているようです。
 ここから判断すると、VPCは、動作するゲームにもよりますが、だいたい、ペンチィアム90ー120程度の実力を発揮するようです。

 問題は、SW95です。CPUの方は、まあまあな値で、Pentium166といのもまんざらうそじゃないのかもしれないですね。でも、グラフィックは遅い。こ、これは、HD benchのスコアはなんだったの?という感じです。

 ちょっと、ベンチマークでは不安になってきました。

 結果だけ書くと、まあまあ。例の、グラフィックの描画性能とCPUはずば抜けて良いが、その他がVPCの結果より悪く、まあまあな性能。というわけで、世間一般にいわれている、SW95がVPCに勝っているという面が、うわべだけのものと思わざるを得ません。
 それから、なぜかフォントが欠けるというか化けるという症状がでる。原因不明なのだが、メニューなど化けると意味が不明になる。これは一体どういうことなのか?使いにくくてしょうがない。バグなのか?それともインストールミス?それとも、体験版的な使用方法がいけないの?

・閑話休題
 昔、関数電卓の速度のチェックに69の階乗を出すなんてのがはやったことがあった。で、あるとき、69!がやたらに早い電卓が現れた。で、いろいろやってみると、65!から下は異常に遅くなるという。もっとも早いアルゴリズムとは、想定される結果をあらかじめ用意しておきその値を計算せずに出すことである・・・なんてのがあったが、SW95に関しては、HDベンチに関してもっとも良い結果が得られる用に作られているのではないか?とさえ思える。

 さて、どうも、SoftWindows95が嘘臭い感じがしてきたので、本当に使えるのか?の判定をするなら、やはり、アプリケーションを動かして見るに限る…というわけで、「実質使えるのかどうか?」持っているソフトをいくつか抜き出してチェックしてみよう!


アリス関係のソフト

 とりあえず、ベンチは今一だったが、実際の動きはどうだろう?
といわけで、アリスの館に入っているソフトをインストールしてみる。


リーフのソフト


その他

486/66以上を唄っているDOS系カーゲーム

 基本的に車のゲームは画面が激しく動く。だから、グラフィック系の苦手なVPCではきついかな?と思い、チェックしてみた。RAC RALLY,Need For Speed,Virtual Kartsなど全て、DOS/4G(W)というインストーラというか、アプリケーションで起動される。


総評

・VirtualPC
 基本的にベンチマークは苦手なソフト。はっきり言って、全然ベンチは良くない。HD Benchでは、ペンティアム50MHz程度だと出る。しかし、実質はそんなに遅いわけではなく、結構遊べる。全体的にきびきびとした動きが無いという不満はあるが、HDイメージ作成、それがMACでマウントできるなど、我々にとって使いやすいと思わせる部分がある。それと、基本的に動くソフトが多く、互換性の高さを感じさせる。また、全体的に速度の面でも安定しており、だいたい、予想通りの速度を実現するようだ。まだ、ちょっと重い処理もあるが、画面の描写の向上を次のバージョンで行ってもらえればいうこと無し。
 じゃあ、画面の描写が遅いので3Dfxにすればいいのか?ということだが色々試していると、どうも、3Dfxで早くなるのは物にもよるが、どうも2〜3割程度だと思う。これは計ったわけではないが、感覚的にそういう気がするというもの。過度な期待をしてはならないという感じがする。

 他、G3 DT233のユーザーから、VPCが意外と使えると言う意見も聞いた。仕事関係のソフトも、会社で使っているペンティアム100MHzと遜色なく動作しているそうだ。結構気に入っているらしい(^^;
#それとも、私のこのレポートの洗脳の結果か?(笑) とりあえず、G3マシンならVPCを入れて、結構使えるという評価である。

 しかし、ベンチマークが苦手という面でかなり表面的に損をしているイメージもあるなぁ。そんなこと気にせず実際使うとかなりの実力をもっているんだけど。


・SoftWindows95
 MACPOWER誌によると、老舗とか経験豊富とか…いい評価を得ていて、やたらベンチマーク関係の成績がよい、SW95。でもね… こっちは、ゲームには向いていない。そう、まったく向いてない。確認した中では唯一遊べるのはリーフ系だが、それでも、文字化けなど不満な点もある。また、ダイレクトX5系もなんか不安定な感じがする。気のせいかもしれないが。それから、HDDのイメージが専用になっているのも気にくわない。つまり、外からいじることができない。インストールできないものもなんとか動作できないかとおもったが、マウントできないのでは話にならない。処理速度的には、なんかマイクロソフト専用の速度向上がはかられているのではないかと思われる。デスクトップでは、かなりのきびきびとした動きは良いが、仕事で使うならまだしも、ホビーユースでは、あまり効果が無い。逆に、マイクロソフト最適化が仇になって他のソフトの動作が遅くなっているのでは本末転倒である。また、動かないソフトも多いとなるとまったく話にならない。確かに、SW95の方が、MACに繋がっている機器を利用できるという面では進んでいるのだが、私の使うレベルではほとんど意味を成さない。シリアルポートにMIDI出力が出来るというのも、やってみようとしたが、うまく動作しなかった。それから、なぜかわからないが、フライトシミュレータ98のCDを入れたまま起動すると、なぜか、SW95はフリーズする。なんだかなぁ。



 個人的には、

「VPCは技術者集団が作ったイメージがあり、SW95はエリート社員が最初作ったが、それを引き継ぎながらバージョンアップしてきた」

 というようなイメージがする。つまり、VPCはとりあえず、実際問題として使えるように、使えるように改善していて、ベンチマークなんて無視しているようにも見える。実際BIOSまで再現していて、起動時にBIOS画面を出すことが出来るが、そこで出てくる表示はペンティアム35MHzだ。嘘でもいいからこれをいい値にするだけでイメージは変わると思うのだが、していない。逆にSW95は最初にベースがあり、その改善方向として機能追加(MACのSCSI機器が使えるとか、サウンドカードの選択が可能とか)と、見てくれを良くするためのベンチマーク最適化を行っているように見える。だから、ベンチマークはやたらに良いが、全体的なバランスとしての動作が今一つになってしまっているように感じる。
 故に、VPCは見た目は悪いが、全体的にまとまっている感じがして、大抵のソフトが、このくらいで動作するだろう?と思う速度で動く(ただし、Need For Speedのみ苦手のようだ)のに対し、SW95は見た目が良いだけに、実際の動作が付いてきてない雰囲気がある。実際、VPCよりSW95の方が、遅いと感じる。何に対してもバランスというものが重要だと思うのだが、VPCはある意味動作としてバランスが取れていると思えるし、SW95はバランスが悪く感じられる。

 というわけで、ホビーユーザーにはVPCをインストール、仕事をメインにするのなら、SW95をインストールするべきだと思う。といいたいところだが、現状私の見解では、VPCの方が安定していると思えて仕方がない。



(1999/02/27 メールから抜粋し、編集  03/21 一部修正(Thanks>Mr. AOX))

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最終更新1999/03/06