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ここは、からむこらむの151〜154で触れた精神分裂病、及び156〜159で触れた躁鬱病に関連し、これらの話の統合の補助の為の簡単なまとめを目的としたページです。感じとしては、「骨格」をまとめたものとなるでしょうか。一応、8回にわたる長い話になっていますので、色々とごちゃごちゃしている人も多いかと思いますので。
ご覧になっていない方は、上記の記事を読まれてから読んでいってください。
#ここだけ見て「理解」出来る様な作りにはしていません。
この二つのキャンペーンにおいて、色々と症状などに注目されている方も多いと思いますが、管理人の意図するものは、あくまでも「精神と物質」の関係です。つまり、「精神」の働きが「物質」によって支配されている面があり、そしてその異常によって精神にも異常をきたす。しかし、それの是正を行う物があり、それが「薬」である、と言う様な部分が中心にあります。
あくまでも「物質」が中心にあるということは頭の隅にいれておいてください。
さて、では精神分裂病と躁鬱病の症状について簡単に触れておきましょう。
精神分裂病(統合失調症)
精神の連合が上手く行かなくなる病気。重度では人格の崩壊を伴います。
基本症状としては思考障害をはじめ、情動の鈍麻、無関心、隔絶、遅滞、自閉行動、情動反復性など。また、二次症状としては幻覚や妄想など。ただし、二次症状は基本症状に対抗するつまり、「彼ら自身がバランスを保とうとする結果」の機序として発現するものと現在考えられています。この基本症状と二次症状は分裂病症状に特有です。
いわゆる「狂気」に当たるケースが多くあります。
鬱病
特に理由もなく、精神的に沈み、そして身体的にも不調が続く病気。
抑うつ気分が続き、一日の時間帯で気分の変化が見られ(朝方はすぐれず、夕方当たりになるとやや良くなる)、理由もない悲哀、絶望感、不安、焦燥などを感じます。更に精神活動が抑制され、場合によっては自殺観念を持ち、心気妄想(重病にかかったと思い込む)や罪業妄想(重い罪を犯したと信じ込む)を持つこともあります。こう言った精神症状は分裂病とは異り人格の崩壊を伴わないのが特徴です。他にも倦怠感や便秘、食欲不振に睡眠障害、不調感、インポテンツ、月経不順といった自律神経や内分泌系の障害を伴う身体症状を出すことがあります。
躁病
鬱病と「正反対」の病気。
軽度なら余り問題無いものの、重度になると興奮状態が続く上に活動過剰、更に集中力も無くなります。重度になると妄想などが症状として出ます。
躁病と鬱病は、「躁鬱病」でまとめられることもあり、躁状態と鬱状態が「交互に」やって来る障害を「両極性情動障害」。鬱状態だけが続く状況を「単極性情動障害」と呼びます。
これらの病気は「無関係である」ものではありません。両者とも精神に密接に関係する上、いずれも精神に絡む神経系の異常があると考えられており、それに関して数多くの証拠があります。それらの構造、そして薬剤の経緯なども考えると、決して無関係とは言えません。
精神分裂病も躁鬱病も、その神経系で使われる神経伝達物質がアミン性の物であることから、それぞれの病気の原因に「アミン仮説」と言う物が立てられています(他の関連も指摘はされていますが)。
その関連する神経伝達物質は三つだけでして、いずれも研究から人の情動に深く関連していると考えられています。
ドーパミン:精神分裂病、パーキンソン病に関連
ノルアドレナリン:躁鬱病に関連
セロトニン:躁鬱病に関連
これらの物質が、神経間において過剰/欠乏になることで精神への障害を生じることとなります。
構造と図に簡単にまとめておきますと.........
では、シリーズで色々と出してきた薬剤の役割は何か?
実に単純なことでして、もし神経間で伝達物質が過剰な状態にあればこの伝達を「抑え」、もし欠乏状態にあるのならば、この伝達を「強化」して正常な伝達に近づけるようにする役割があります。
病名
関連すると思われる
神経系と原因
薬剤の役割
精神分裂病
(統合失調症)
ドーパミン作動性神経の異常
(一般に過剰)
→
ドーパミンの伝達をブロックする
(過剰状態の是正)
鬱病
ノルアドレナリン
セロトニンの欠乏
→
ノルアドレナリンまたはセロトニン
の伝達を強化
(欠乏状態の是正)
躁病
ノルアドレナリン
セロトニンの過剰
→
ノルアドレナリンまたはセロトニン
の伝達をブロック(?)
こういった神経の研究から判明したのが
その158
で触れた「再取り込み」の機構でして、三つの神経ともこの機構で働いています。抗分裂病薬はドーパミンの伝達を後膜でブロックすることで改善を行い、抗うつ薬は伝達を終えた後の再取り込みをブロックしてシナプス間に伝達物質を残し、これによって伝達を強化します。
尚、当然のことながら、精神分裂病の人にドーパミンの伝達を強化するものを与えれば悪化し、鬱病の人にノルアドレナリンやセロトニンを欠乏させる物質を与えれば症状は悪化していきます。
#ですので、レセルピン(三つの伝達物質の枯渇をさせる)を与えると、分裂病は改善し、鬱病はより悪化します。
そして、同時に正常な人にドーパミン神経系の伝達を強化させる物を与えれば分裂病の症状を示しますし、ノルアドレナリンやセロトニンを欠乏させれば鬱病になり、強化させれば躁病の様な症状を出すこととなります。
換言すれば、159の最後で触れたのは、ある種の薬剤がこの三つの伝達系の単独、あるいは複数の伝達を強化/欠乏させることで、幻覚を見させたり急激に心身とも活発になるようになり........つまり、幻覚剤や覚せい剤などがこういった効果を持つ薬剤となります。
以上が二つのキャンペーンで行った「骨格」を簡単にまとめたものです。
大体大丈夫ですかね?
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