〜VirtualPC4.01のMMX機能とパフォーマンス〜


ここでは、VirtualPC 4.01JにおいてMMXモードのON/OFFについての検証してみた結果です。


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・最初に

 VirtualPCの初期設定において、「MMXの互換性を有効にする」というチェックが存在しています。これは、VirtualPCにおいてMMX機能を有効にする意味があるのですが、マニュアルには「チェックを入れないことでパフォーマンスが向上する」旨のことが書かれています。
 では、実際にパフォーマンスに影響はあるのでしょうか?
 簡単ながら試してみました。


・使用した機種・ソフト等

 以下に実験に使用した機種等、条件を書いておきます。

機種CPU2nd Cache内臓メモリーMacOSHDD接続環境Video Card
PowerMacG4(DVD model)PowerPC G4/350MHz1MB(175MHz)320MB9.1J内臓Ultra ATA/66(10GB)
(SLAVE接続)
内臓ATI Rage128Pro(AGP2x)
VirtualPCVPC稼働OSHDDイメージWinodwsメモリーVRAM割当ベンチソフトFormatter
4.01-JWindows95 OSR2300MB(固定)64MB4MB(固定)各種ドライブ設定2.0.3



・使用ベンチマークソフト



結果

HDBENCH 2.61
ALL浮動小数点整数演算メモリー矩形テキストスクロールDirectDrawREADWRITE
MMX ON7883223501902211453397510562916101995074141
MMX OFF7883223671903511494395610372972100993854213


HDBENCH 3.30
ALLCPUメモリーVIDEODISK
ALLIntegerFloatReadWriteRead&WriteRectangleTextEllipseBitBltDirectDrawREADWRITECopy
MMX ON664511889117937826171001042921532497214949987278373064
MMX OFF6646119081150277711689010429214825145111029988978293021


Super_pi
1.6万桁3.2万桁6.5万桁13万桁26万桁52万桁104万桁
MMX ON00:0900:2000:3401:0402:1304:5410:42
MMX OFF00:0900:2000:3501:0402:1305:5310:44


がんぶる ベンチ(fps)
総合評価
MMX ON24.9
MMX OFF25.0


電脳ベンチ(処理時間[sec]/ポイント[pt])
総合試練1試練2試練3試練4ビデオカード依存度高速演算性重視度
MMX ON1127.6/14131.7/19325.0/11726.2/10844.7/14534%-25%
MMX ON2125.9/14330.7/19724.8/11925.6/11244.9/14433%-21%
MMX ON3124.9/14430.3/19824.5/12126.0/11044.1/14733%-25%
MMX ON-Ave.126.1/14330.9/19624.8/11925.9/11044.6/14533%-24%
MMX OFF1123.1/14629.5/20124.1/12425.8/11143.8/14832%-24%
MMX OFF2126.7/14130.4/19825.8/11125.7/11144.8/14429%-22%
MMX OFF3124.3/14530.0/19924.5/12125.6/11244.2/14532%-22%
MMX OFF-Ave.124.7/14430.0/19924.8/11925.7/11144.3/14631%-23%
試練:
1:CPUによる描画命令+αの実行速度 2:ビデオカードの描画能力 3:整数演算速度とメモリアクセス速度 4:多重スクロールによる総合評価
平均値は単純に足して割ったもので、時間は小数点二桁目で四捨五入し、ポイントは小数点以下を四捨五入(よって、現実とは異る数字が出る)
処理時間が小さいほど高速でポイントが高い




・いくつかのソフト使用感


 何種類かのゲームソフトを使用してみました。
 Windowモード、フルスクリーンモード、解像度調整などで試したのですがいずれも目に見える変化はありませんでした。

 その代わり、「VirtualPC4.0の画面モードと動作」で検証したように、Windowモードで描画が間引きされ易く、解像度調整がされていたほうが描画の間引きが無い(少ない)と言うのを追試できましたが。



・コメントと総括

 ベンチ結果の比較をしてみると、まずHDBENCHは、3.30のVIDEOの「Ellipse」で大きめの差があるようにも見えますが、経験的に計測で出す誤差ともとることが出来ます。また全体的にはほとんど同じ(ALLで±1以内!)という結果を出しており、絶対的に「これ」と言った差が無いように見えます。
 Super_piでもほとんど同じ傾向を出しており、104万桁で2秒の差が出ていますが、経験的にも「絶対に差がある」という様なものではなく誤差の範囲ともとれるでしょうか。
 がんぶるベンチも0.1fpsという範囲になっており、絶対的な差が生じているとは思えません。
 しかし、「電脳ベンチ」は少し面白い差を出してくれました。基本的にこのベンチはやや誤差が大きく念の為に3回計測し、その上で(多少無理があるのですが)平均値を出してみました。すると、全体的にMMXを入れていないほうが有利な結果になる........っぽいようです。特に「試練1」と「試練3」というCPU絡みの部分で差が出ているようにも見えます。もっとも、これは誤差が大きめなベンチですので「決定的」とは言い難い気もしますが。ただ、何となく面白い傾向が出ているようにも見えます。がんぶるの「差」はこれなのかも知れません。

 ソフトの使用感からすると、はっきり言って差はないです。
 一応、上述の通り「VirtualPC4.0の画面モードと動作」で検証した事を再確認しただけと言うか。そういう感じでした。

 以上より、結論を出してみますと..........
 実際には大した差は実用上無いと思われます。が、ベンチ結果からすれば「MMXの互換性」をオフにすることで、「微妙な差」は生じる「可能性がある」かもしれないと言えます。
 もっとも、ほとんど「大同小異」の世界とも言えますので、気にしない人は気にしなくても、という感じがしますが。
 もし具体的な差を出してみたければ、大きな負荷をかけてみると良いような気もしますが、それでも微妙な差程度で終わるのではないかと思われます。また、ベンチの種類や、どういう項目で負荷をかけていくかでも違ってくるでしょう。
 可能性としては、Super_piを更に高次の桁にして行ってみると出てくるような気がしますが........後は、電脳ベンチを100回ぐらい繰り返すと大分はっきりするかも知れません。
 そういう時間がどれだけあるか、と言うもの課題になりますけどね。

 微妙な差を追いかけるものでなければ、ほとんど気にしなくても良いのではないでしょうか?



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最終更新2001/04/09