〜VirtualPC4.0の画面モードと動作〜


ここでは、VirtualPC 4.0Jにおいて画面モードと動作についての検証してみた結果です。


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・最初に

 Connectix社よりリリースされた、VirtualPCのメジャーアップグレード版である4.0が日本でも発売されました。しかし、使用してみるとどうも色々と「?」という部分が多いように見えるのは事実。

 さて、VirtualPCにはウィンドウモードにフルスクリーンモード。そして、後者には解像度調整という画面モードがあります。以前VIDEO調節の影響とVPC3.0-3.0.3では解像度の調整をすると描画性能があがるらしい、ということがわかりました。しかし、今バージョンではウィンドウモードの方が高速と見られる節もあり、ある種不思議な傾向があります。
 今回は、この件について検証してみることにしました。

#注意・追加:最初に検証して記事にした後に出た、Version4.01も検証しました。これは「追記」として記載しておきます。


・使用した機種・ソフト等

 以下に実験に使用した機種等、条件を書いておきます。

機種CPU2nd Cache内臓メモリーMacOSHDD接続環境Video Card
PowerMacG4(DVD model)PowerPC G4/350MHz1MB(175MHz)320MB9.1J内臓Ultra ATA/66(20GB)
(MASTER接続)
内臓ATI Rage128Pro(AGP2x)
VirtualPCVPC稼働OSHDDイメージWinodwsメモリーVRAM割当ベンチソフトFormatter
4.0-J/4.01-JWindows95 OSR2300MB(固定)64MB4MB(固定)各種ドライブ設定2.0.3



・使用ベンチマークソフト



結果

HDBENCH 2.61
ALL浮動小数点整数演算メモリー矩形テキストスクロールDirectDrawREADWRITE
640*480/Window7949223731906311515351599741951911092334031
640*480/Full(OFF)7541214771836611010395770033911771084693820
640*480/Full(ON)7768219091846511210389998239491761089043859
800*600/Window781122347190481153438929522855102993083987
800*600/Full(OFF)75502175418565110363186941316796887513944
800*600/Full(ON)75022166318424110083483917264193988653933
※:640*480は256色、800*600は16bit、Windowはウィンドウモード、FullはフルスクリーンでON/OFFは解像度調整

HDBENCH 3.22
ALLCPUメモリーVIDEODISK
ALLIntegerFloatReadWriteRead&WriteRectangleTextEllipseBitBltDirectDrawREADWRITECopy
640*480/Window729511898115077420170411042225062900536363101393176072837
640*480/Full(OFF)69651148111230582015867982923982596450393101354474012693
640*480/Full(ON)69351135611102667315871981923742598454389101341171902750
800*600/Window7309118851149374681689510423219125374339891411477922905
800*600/Full(OFF)699711501110785826156579713213723784959881396974652743
800*600/Full(ON)6980115661126159141571297211993231345710481365375652797
※:640*480は256色、800*600は16bit、Windowはウィンドウモード、FullはフルスクリーンでON/OFFは解像度調整

Super_pi
1.6万桁3.2万桁6.5万桁13万桁26万桁52万桁104万桁
Window00:0900:2000:3401:0302:1204:5210:42
Full(OFF)00:0900:2100:3601:0702:2105:1111:17
Full(ON)00:0900:2100:3601:0702:1905:0811:13
※:640*480の256色で統一。Windowはウィンドウモード、FullはフルスクリーンでON/OFFは解像度調整

がんぶる ベンチ(fps)
総合評価
Window25.0
Full(OFF)23.5
Full(ON)23.5
※:800*600の16bit色で統一。Windowはウィンドウモード、FullはフルスクリーンでON/OFFは解像度調整

電脳ベンチ(処理時間[sec]/ポイント[pt])
総合試練1試練2試練3試練4ビデオカード依存度高速演算性重視度
Window125.7/14430.3/19824.4/12225.8/11145.2/14333%-21%
Full(OFF)131.1/13731.8/19325.3/11526.8/10447.2/13634%-22%
Full(ON)132.0/13531.5/19426.4/10726.9/10347.2/13630%-23%
※:800*600の16bit色で統一。Windowはウィンドウモード、FullはフルスクリーンでON/OFFは解像度調整
試練:
1:CPUによる描画命令+αの実行速度 2:ビデオカードの描画能力 3:整数演算速度とメモリアクセス速度 4:多重スクロールによる総合評価



・追記:Version4.01について
 ベンチをとってみた結果、4.01のベンチマーク結果の様に4.01は数字が上昇していますが、画像モードに関する「おおまかな傾向」はほぼ一緒と出ましたので、数字の掲載は省略します。


・市販ソフトでの所感

 持っているいくつかのソフトを使用してみました。
 Office関係にゲーム関係を使ってみたのですが.........実際には今までである程度高速化されているために、実際にはこれらは画面の条件で顕著に差が出る、という事はありませんでした。
 しかし、「わずかに差があるっぽい?」というのもありまして、実際に「微妙なワンテンポ未満のタイミングが違う様な気がする」という差違があったものもあります。
 色々と試したかぎりでは、概ね次のような感じに体感できたように思います。

Windowモード≧解像度調整>Fullスクリーンモード

 前二者は「微妙に?」という気がします。使用するソフトで違う感じがしますが、かなり「等速」にも見えます。具体的な体感の差はそう感じないです。フルスクリーンモードだと、ある種のゲーム中のデモなどでWindowモードに比べて「ワンテンポ」遅れた感じがすることがあります。しかし、実際に使っているうえでこれらの差はそれほど大きいとは決して言えないのも事実です。

 もう少し所感を書いてみると、特にゲームなどでアクション物で遊んでみる際、視認性や体感的な物、描画の様子などから解像度調整したほうがWindowモードよりも良さそうなケースもあったりしますので、Windowモードにこだわらずに自分で色々と確認してみると良いかと思います。
 特に描画の様子は物によって違いまして、Windowモードよりも解像度調整したほうが「しっかり描画しているっぽい?」というソフトがあります。
 うかつに数字には騙されないほうが良いでしょう。

 尚、一部の、特にノベル系ゲームでは描画他がVPC3.0xより後退したものが存在しています。これはどの条件でも発生しており、VPC及びゲームのプログラムの問題(双方)が考えられます。


・追記:Version4.01について
 おおまかな傾向は一緒になっています。
 ただし、様々なバグフィックスや、内部チューンの変更(?)などに伴い、解像度調整とWindowモードでも「描画の感じ」の差が大きめに出てくるものがある感じがすることがあります。ただし、ソフトによってここら辺は違いまして、前に比べてそれほど差が出ていないように見えるのもあります。


・コメントと総括(Version4.01も含む)

 意外と報告通りの部分だったり、部分でなかったり、と言うものがありますが.........

 VirtualPC4.0からプログラムが変わったせいか、色々と障害やら変更などが報告されているようです。この描画に関する報告もその一環と言えるでしょう。

 ベンチマークソフトでの結果を見ると、Windowモードが高速であり、次に解像度調整>Fullスクリーンモードという様な数字上の結果が得られています。特に不思議なことにWindowモードではCPUやメモリー関係が良好となっています。描画も一部高速っぽい可能性がありますが、こちらは誤差が大きいこともままあり、「絶対的に」と言えるほどではありません。しかし、描画などが関係しないSuper_piを見るかぎりは確かにメモリーやCPU関係が良好のようでして、確かにWindowモードではこれらが高速化する、と言える可能性が高いです。
 しかし、実際にソフト、特にゲームを使ってみると、物によってはWindowモードは解像度調整の物よりも「描画をわずかに省略」と見える感じがすることもあり、何とも言えないものがあります。実際には両者での一発で「絶対に違う!」という様な大差は存在しませんが、ソフトによっては見ていると差が出てくることがあるようです。

 これはある意味邪推ですが、WindowモードはMac間とのやり取りを特に使うビジネス向けアプリのユーザーが使用する事が多いと思われますが、このモードの高速化はこう言ったビジネスユーザーに特化したものであって、特に重要視されない描画をやや手を抜いて(大きくは分からない程度)、その分をCPUなどにパワーを回しておこうとか、とかやっているのではないかとか少し思ったりもします。実際にはゲームでもそう大きな差が無いので、これが絶対にあっているという気は無いですが。
 ただ、特にOffice系ではMacとのやり取りを考えた際にWindowモードで使用するケースが多く、またゲームほどには描画が必要ありませんのでこういう推論もあながち間違いではないのか、とか思ったりもします。

 ま、以上のようなことより、今バージョンにおいて
 という様なことが言えるかと思います。
 こうなると、解像度を調整しないFullスクリーンモードの存在意義がほぼ皆無に近い感じになりますが..........

 また、やや本題とはずれますが、実際に使った感じや、FAQsのVirtualPC4.0での特定のゲームの音飛び現象と描画からゲーム関係を考えるとある意味後退した感じが強くあったりします。もっとも、比較的重いゲームやアクション系のゲームではVPC4.0での体感速度の上昇は現実としてありますので、難しい部分はありますが。
 ゲーム目的の、特に比較的多いと思われるノベル関係ではここら辺の後退が顕著ですので、必要に応じVPC3.0xを持っておいたほうが良いのかも知れません。4.01になり、一部改善されたものもありますが、ソフトによって「差がある」事は確認しておくと良いでしょう。
 ここら辺は、おそらくVPCとゲームのプログラムの問題に起因していると思われます。

 とにかくも、使用されるソフト(=目的)によってここら辺の画像モードの設定は色々と試してみると良いかも知れません。とにかく「描画は重視しない」でMacとのやり取りが最重視ならばWindowモードになるでしょうし、ゲーム関係で「少しでも描画を省略して欲しくない」物があるならば解像度調整したほうが良いでしょうし。両者とも差が無いのならば、好みで。または、CPU関係などの上昇もあるみたいですのでWindowモードで、と言った感じで変えていく、と。
 意外と小さいながらも操作感に差が出てくる可能性はあるかと思いますが、その目的に合わせて「ベスト」を自分で探してみると良いかと思います。



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最終更新2001/03/02