からむこらむ
〜その2:「毒性」についての認識(2)〜
まず最初に......
こんにちは。本格公開を開始して数日、ヒット数が増えてきてうれしい管理人です。最初に「ひっそり」とばびぱら掲示板のURLに記入したのに、なかやまらいでんさんの「速攻」発見から数日で急速に膨張し始めました。なかやまさんからのリンクが結構多そうです(ありがとうございます>なかやまさん)。 が、しかし........この「からむこらむ」の反響が無いのが少し悲しいです。グスッ......... みなさんの御感想をお待ちしています。
さて、前回では、「急性毒性」と「慢性毒性」について触れさせていただきました。本当は「ま、こんなもんで」などと思っていたのですが、重要な部分を「相当数」忘れていましたので、今回はその続きをしたいと思います。
今回も「毒」を理解するのに必要な基本的な部分のお話です。
では、「『毒性』についての認識(2)」のはじまり、はじまり.........
さて、一般に考えられる「毒性」の中で前回はその効力を発揮する「早さ」を問題にしました。しかし、これだけではテーマである「毒性」の認識の一部にしか過ぎません。今回は(やはりその一部でしかありませんが)「リスク」についてお話したいと思います。
「リスク」と言う単語をこれを読んでいる方の大半は見聞きしたことがあると思います。ここに挙げる「リスク」も基本的には同じもので、その内容は「対象となる人物が、その物質(毒)から受ける影響の度合い」を表します。ぶっちゃけた話、「Aさんがその毒にやられる可能性」です.......極端ですが........
この「リスク」は、だいたい「人に影響を与える物質」を使っている人間にはかなり重要な要素になります。この「人に影響を与える物質」とは、ここの意図からすれば「薬」「毒」「農薬」など(全部含めれば「薬剤」ですが)を指すと思われるでしょう.......が、これだけでは実は「画竜点睛を欠く」事になります。何故か?
確かに「人に影響を与える物質」なぞと言われて、「なんだ、俺関係ないじゃん。そんな危険な『ブツ』使っていねぇし」って思われるのはある意味普通です。しかし、「人に影響を与える物質」なんて言うのは非常に「広義」な物でして、「空気、水、食事」なんて言うのはもちろん、ここの「からむこらむ」の読者の方(何人いるんだ?)でどれだけいるかは知りませんが、「たばこ」も対象になります。つまり、普段身の回りにある物も対象になっていくわけです。
さて、この「リスク」の算出方法ですが、まず対象となる「人」と「物質」を定義してあげる必要があります。
例を挙げましょう。「物質」......例として「青酸」にしておきましょうか(分かりやすいし)、の「毒性」を出します。そして、「人」.......例として「管理人」にしておきましょうか、が普段この「青酸」に接触する可能性をだしてみます。
2点がそろったところで、「管理人が青酸から影響を受ける」可能性を算出してみましょう。「青酸」の毒性を仮に「10」と言う係数で表したとしましょう。そうして、普段(今は違うが)化学の実験室にいてちょくちょく合成をしている「管理人」が「青酸」を触れる機会を仮に「10」と言う係数であったとします。すると..........「管理人」の「青酸」から受ける「リスク」は 10×10=100 という数値で表すことが出来ます。
しかし、これでは良く分かりませんのでここで「サウンドコンポーザー」の「なかやま」さんに(相互リンク第1号記念)に登場していただきましょう(御不満があれば変えます(^^;;>なかやまさん)。さて、ここで普段「なかやま」さんが「青酸」に接触する機会を考えてみましょう。「なかやま」さんは「普段化学実験室にいない」ですし、「有機化学実験の合成」はしません(真偽のほどは分かりませんが)。つまり、普段実験室にいて実験している「管理人」に比べれば、サウンドコンポーザーをしている「なかやま」さんが「青酸」に触れる可能性は「ほとんど無い」と言えます(全く無いとは言えない)。よって、「なかやま」さんが「青酸」に接触する機会は「0.1」ぐらいの係数になると思います(「仮定」で進めていますので、詳しい数字については考えないように! 概念です)。
それでは「なかやま」さんが「青酸」から受ける「リスク」は?......... 「管理人」の時と同じように考えてみますと、 10×0.1=1 という「リスク」になります。
さて、ここで始めて「なかやま」さんと「管理人」のリスクを「比較」することが可能となりました。上述の事より、
「なかやま」さんが「青酸」にやられる可能性:「管理人」が「青酸」にやられる可能性=1:100
と、以上のように表すことが出来ます。「管理人」が「青酸」にやられてしまう可能性は、「なかやま」さんに比べて100倍あると言うことが言えてきます。
別にこの「リスク」は前にも書きましたように「猛毒」だけに適用するものではありません。「青酸」を「アルコール」(=エタノール 飲める方です)に置き換えてみましょう。
「アルコール」の毒性が仮に「0.1」とします。そして(仮にですけど)酒豪の「なかやま」さんはやれ「新年会だ」「つきあいだ」「オフ会だ」で酒への接触機会が「1000」とする(あくまでも、「仮に」です)と....... 「なかやま」さんの「アルコール」に対する「リスク」は 0.1×1000=100 と言うことになります。
では、ここで考えてみましょう。「なかやま」さんが「青酸」からうける「リスク」と「アルコール」から受けるリスクを考えてみてください。「青酸」から受ける「リスク」の係数は「1」、「アルコール」の方は「100」になります.......... すると、「普段の生活の中で、『なかやま』さんは『青酸』によって害されるよりも『アルコール』によって害される可能性が高い」ということが言えてくるわけです。
以上、「青酸」と「アルコール」の例を出してみました。「アルコール」は「たばこ」に置き換えても、普段の接触機会が大きい分問題はないでしょう(もっとも、「たばこ」の場合は喫煙者のみならず、周りにいて「間接喫煙」する人たちの問題もからんでくる)。
今回では「係数」という形で簡単に説明しましたが、実際には非常に複雑です。それぞれの物質の「急性毒性」と「慢性毒性」の考慮(これは、「たばこ」や「アルコール」だとその毒性が「徐々に蓄積」していく為。普通の食品などもそうである。)、実際の数値化(「毒」を係数で出しましたが、ここには具体的な数値を入れられます)など、色々と考えなければなりません。
最終的には「総合的」に考えないとこのような数値化は意味をなしませんので、その点は頭に入れておいてください。
・補足
実際には、500グラムの青酸の瓶があっても「厳重に封印」して「厳重に保管」してあれば、その「リスク」は非常に小さくなります。しかし、いくらこのことが守られていても「合成でバンバン使います」となると「リスク」は跳ね上がります。
同様に「ダイオキシン」も、「瓶に入って厳重保管、厳重封印」等、「厳重な管理」をしておけば「リスク」は非常に小さくなります。
ほぅ........
さて、「からむこらむ」第2回目はいかがでしょうか。今回は非常に重要なお話であったと思います。管理人は 「マスコミを中心とする『世間一般』で根本的に欠けている」のはこの考えであると思っています。今回の「リスク」を完全に忘れて、「毒性」一辺倒で行くから「変な意識」が横行するわけです。早い話「上っ面」しか見ていないと言う、「ジャーナリズム」に有るまじき事をやっているということになります(.......最初っからねぇか? ●~*発言)。
次回は.......何をやるか考えていません。何やりましょうかね? リクエストと御感想をお待ちしています。
(1999/01/19記述。メールでのやり取りから抜粋し、加筆・修正(Thanks>Ms. A.M.))
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