からむこらむ
〜その28:生きるために必要なもの〜
まず最初に......
こんにちは。夏っぽくなったり、梅雨になったりと嫌な天気が相も変わらず続いていますが、皆様如何お過ごしでしょうか?
私は........いつもインデックスに愚痴っているように..........(滅)
さて、今回は体調不良だったりでネタが決められず、迷いに迷った所に敦賀原発2号機が冷却水もれをしてくれたので、それにしようかとも考えながら結局...........栄養についての話。 もっとも、一回で語れるようなものではありませんので、今日はその「おおまかな」部分についてですが...........
それでは「生きるために必要なもの」の始まり始まり...........
この世に生を得て、まぁ早々に事故などでもないかぎり、人間はその「生命」の維持に「食事」という物を摂取しています(少なくとも、このページをごらんになっている方はそのハズですが............)。 いや、人間のみならず、多くの生物というものは外部からから物質を取り込んで生きています。 特に動物の場合(もちろんそれだけではありませんが)は他の生命を奪うことでその生命を維持しています(ベジタリアンであろうが何だろうが、他の生命を食べているわけで.............)。
#あ、念のために言っておきますが、事実をただ書いているだけです。
さて、その生命の本質についての議論は昔からされ、そして今もって「共通した結論」は得られていませんが、そちらは置いておきまして............ 多くの生物が取り込んだ物質は、これを自分の体内でエネルギーにしたり、あるいは自分の身体を構成している組織..........例えば筋肉や、各種臓器を作るために利用しています。 そして、この中で生まれてくる廃棄物、つまり老廃物を排泄、あるいは再利用しながらその生命の維持・増進をはかっています。 これはつまり、呼吸や運動、消化・吸収、成長などの「生命現象」を営んでいるということになります。
このように、生命現象を営むためには、そのために外部から物質を摂取・利用することが重要になりますが............ その物質を、外部から摂取しなければならない「物質」の事を、一般に「栄養素(nutrient)」と呼んでいます。
ちなみに、「物質を体外から取り入れ、生命活動を営むこと」を「栄養(nutrition)」と呼びます。
さて、まぁ概念的なことを書いてみましたが、これをもうちょっと具体的に表現すると、人間にとって「食品に含まれる成分で、ヒトの生命を維持し、正常な生命活動を営むのに必要な物質」を栄養素と呼ぶわけですね。 早い話、「食品に含まれる、生きるために必要な物質」なわけですが...........
では、ここで聞いてみましょうか?
「栄養素には、どのような物がありますか?」
さぁ、列挙していただきましょうか............. 近くの方と相談されていただいても構いません。
どういった物が「栄養素」でしょうかね............ たんぱく質? 食物繊維とか? アルコール? 脂肪? ............まぁ、色々とあるでしょうけど............
栄養素には、主に「三大栄養素」といったものや、「五大栄養素」と呼ばれるものがあります。
まぁ、簡単に挙げてみますと.......
- 三大栄養素:炭水化物、脂質、たんぱく質
- 五大栄養素:炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、無機質
となっています。まぁ、最近では「栄養素」と言えば「五大栄養素」の方が一般的に使われるようですので、「栄養素」と言えばこちらを指すこととします。
さて、皆さんの考えられたものは如何だったでしょうか? 「水」というものを考えられた方もいらっしゃるかと思います。が、一般的には水は「栄養素」とは含めない傾向があります(ただし、五大栄養素に水を加えて「六大栄養素」と呼ぶこともあるようです)。
では、一時期製品の宣伝でよくいわれた、「食物繊維」とかはどうなのでしょうか? これは五大栄養素意外の食品の成分ということで、「非栄養素」と呼んでいます。 まぁ、もちろん「あったほうが良い」もの、というか必要なものなのですが............
さて、それではこれら五つの栄養素に注目してみましょう。
それぞれは一体どのような働きを持つのでしょうか? だいたいこれは大きく三つに分けられます。
- エネルギー源となる:炭水化物、脂質、たんぱく質
- 体の構成成分となる:たんぱく質、無機質
- 生理作用の調節を行う:無機質、ビタミン
だいたいこれに別れます。 もっとも、これらは「主要な」働きを意味するもので、炭水化物や脂質といったものは体の構成成分になったりもします。実際にはかなり複雑な関係があったりします。
さて、ではそれぞれを簡単に見て見ましょうか。
- 炭水化物
日本人のエネルギー源の60%はこれになります。 炭水化物と聞いてもピンと来ない人も多いかと思いますが、これは文字通り、「炭素と水素でできた化合物」なのです。要は「糖質」の事を指すものと思ってください。 「エネルギー源」として見た場合、体内に入った糖質は「グルコース」と呼ばれる糖に変換され、体内でエネルギーを生産するために使われます(「グルコース」は栄養源として有名ですね)。 このエネルギーを生産する経路に、高校の生物などで習った「何とか回路(サイクル)」ってのが活躍します。 エネルギーを消費するときに、優先的に消費されるものでもあります(4kcal/g)。
また、アミノ酸を生産する原料にもなったり、細胞の核酸(DNA、RNAも含む)の成分や、その他糖脂質、糖タンパクと呼ばれるものの構成成分、更に物によっては食物繊維としての機能を持ちます(かといって、食物繊維が絶対に糖という事では無いです)。
- 脂質
まぁ、いわゆる「脂肪」をイメージされる方もいらっしゃるかも知れませんね....... 一般に体内での吸収率が高く、糖などよりも高いエネルギーを発します(9kcal/g)。 体内の「エネルギー貯蔵」に使われるもので、脂肪細胞と呼ばれる細胞の中に油滴として蓄えられており、体内の各所に脂肪組織として存在しています。
ちなみに、糖と「互換性」があり、過剰な糖は変換されて脂肪として蓄えられます(どちらも、行く先は「エネルギー」でありますので........)。
後は脂肪酸などもありますが、それはまた別の機会に詳しくやりましょう(ダイエットなどにも関して...........)。
- たんぱく質
その基本構造がアミノ酸からなる巨大な分子で、一般に体の構成成分として使われます。 また、糖が不足したときに熱源として使用されます。 体内で消化されたときに生じる「ペプチド(アミノ酸がいくつかくっついた、たんぱく質ほど大きくない分子と思ってください)」はいろいろな生理作用(例えばカルシウムや鉄の吸収を促進したり、血中コレステロール値を下げたり)があるなど、かなり重要な働きがあります。
また、糖と結合して糖タンパクとして重要な働きをするほか、食品アレルギーなどの原因となったりします(牛乳や、穀類、鶏卵によるアレルギーなど)
- 無機質
「無機質」ときいてピンと来ないかも知れませんが、手っ取り早く言うと「ミネラル」ってやつです。 人体から検出される元素は、多かれ少なかれ既知の元素のほとんどが検出されるのですが(水銀だって、カドミウムだってあります)、生体にとって有益でもともと存在しており、外部から取り込まれたものでは無い種類を指します。 カルシウムや、リン、イオウ、カリウム、ナトリウム、塩素(この二つは塩ですね)、マグネシウム、鉄などを指します。 非常に重要な役割を持ち、さまざまな代謝等に必要となりますが、欠乏症や過剰症も存在しています。
- ビタミン
よく聞きますね。10種類以上も種類があります。が、実はビタミンそのものは生体内でなんの構成成分やエネルギー源としては役に立ちません。 が、微量でさまざまな代謝や生理作用を手伝う働きがあります。 高等なシステムを持つ生物は外部よりこれを摂取する必要があります。 不足することでさまざまな障害がおきますが、一部のものは過剰に摂取することでまた障害が発生します。
特に地方で発生する独特の疾病の原因になったりもします(歴史を絡めると面白いのです)。
以上が五大栄養素の簡単な概要です。 それぞれは、その内突っ込んでやりますので、お楽しみ(?)に...........
#さまざまな病気や、ダイエットのやり方・原理などをしたいとは思っています。
そうそう、一応これについてもふれておきましょうか。
- 水
生体の中での水は、一般にさまざまな物質を溶かし、輸送などをする「溶媒」などに使用されています。 御存じの通り、人体の7割は水(年齢を重ねるごとに低下します)です。 だいたい1日1.5〜2lの水を必要とします(個人差ありますけど)。 が、実際にはその量を飲む必要はありません。これは、飲料として飲むほか、食品にふくまれる水分や、代謝によって生じる水を使用する為です。 また、水の排泄は尿の他に吸気、汗などの形で体外に出ていきます。
だいたい簡単に説明すると、このようなものですかね.............
そうそう。食品に関することですので、最後に「用語」について聞いてみましょうか........
「食品」「食糧」「食物」を説明してみてください。
さぁ、説明出来るでしょうか? 特に2番目の「食糧」ですね.............「食料」ではありませんよ。
まぁ、厳密に使い分け出来ているかといわれれば、実は私も自信がないのですが.........(^^;;
- 食品:(広義)人の食用となる動植物のこと (狭義)食糧に対する加工食品のこと
- 食糧:米、麦などの加工前の食品のこと(量的に、食料資源として大量にあるものです)
- 食物:調理され、人が過ぎに食べられる状態にしたもの
これって、結構難しいんですけどね...........どうでしたか?(^^;;
ちなみに、「食料」は「食品」に近い意味になります。
さて.........結構よく聞いたことがあるのに、実はよく知らないこれらの物質。 これから、徐々にお話することと思います。
お楽しみに..........
さて.......無事書けたかな........?
さて、今回の「からこら」は如何だったでしょうか?
生体のお話を始めようかとも思ったのですが、取りあえず「栄養」という観点から始めてみました。そちらの方が、ピンと来やすいと思いますので.......... どうでしたか? 難しくないようにはしたのですが..............
一応、これから徐々にこの手の話を進めていきたいと思います。病気のメカニズムなども絡めていきたいと思っていますので、お楽しみに.............
あ、そうそう。ご感想をお待ちしていますm(__)m
さて、それでは今回はこれまでです。次回は何にしましょうかね............? 続きになるか、別の話になるか..........? お楽しみに...........
(1999/07/13記述)
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