からむこらむ
〜その33:20種から〜


まず最初に......

 こんにちは。 なんだかんだ言って暑いですが、少しずつ秋らしくなってきたかなぁ............と思っている管理人です。いや、でも暑いものは暑いんですけどね(^^;; 皆様、如何お過ごしでしょうか?

 さて、今回は最近有名な(宗教本?)「買ってはいけない」のデータミス、説明ミス等を発見したので、それについてやろうかと思ったのですが、反応が無かったのでお流れに。よって、今回は前回の続きを行う事としました。
 そういうわけで、前回の「アミノ酸」からの続き............「たんぱく質」についてですが..............ちょっと今日の頭のエンジンのかかり方が悪いので、ちょっと心配.........(~_~;; ま、どうにかなるでしょう(^^;;
 それでは「20種から」の始まり始まり...........



 さて、前回の続きからです。
 前回にはお話していなかった事がありまして..........まず、それから始めましょうか。

 前回、「アミノ酸は連なる」という話もしました。まず、この説明からしましょう。
 アミノ酸の構造は前回を参照していただくこととしまして..............さて、このアミノ酸はどうやって「連なって」いくのでしょうか? これは、アミノ酸の構造が面白いことに、化学でいう「酸(-COOH)」と「塩基(-NH2)」の両方を含んでいる事から理解することが出来ます。 つまり、「正反対」の正確を持ち、普段なら互いに反応する両者を構造に含んでいるという、アミノ酸の変わった構造から「連なる」ことを可能にしているわけです。
 って、文章で書いてもわかりませんので、下の図を見ていただきましょう。


 え〜、二種類のアミノ酸があったとします。これの「酸」の部分であるカルボキシル基(-COOH:図中青色)と、「塩基」であるアミノ基(-NH2:図中赤色)は化学的にはお互いに反応しやすい性格を持っていますので、これらは比較的容易に結合をすることが出来、結果図の下側の様な構造を持つことが可能になります。 この下の構造の色つきの部分の結合を「ペプチド結合」と呼んでいます。 もっとも、「生化学的に」言えばであって、有機化学的に言えば「酸アミド結合」って呼ぶのですが(^^;;
 余談ですが、この「酸アミド結合」を持つ物質は周辺に多くあり、「ナイロン」と呼ばれる繊維は二種類の物質をアミド結合で「繋げて」いくことで繊維となっています。

 さて、上の図を見ると............. 「R1基」を持つアミノ酸のアミノ基の部分と、「R2基」を持つアミノ酸のカルボキシル基が余っていますよね? そうすると..........


 ハイ、上の図のようにまだまだくっついていく余地がありますので、更に結合していく可能性が出てくるわけです。 こうして出てきたペプチドはまだくっついていく余裕がありますので.............
 .........と、以上のようになります。
 この様にくっついていく事でペプチド、たんぱく質へとなる事が可能となっています。 つまり.........この結合をひたすらくっつくことで、最終的に数万、数十万の分子量を持つたんぱく質へとなっていくのです。

 では、どれだけ「巨大化」出来るか? 一つ例を挙げてみましょう。
 皆さんの血液の中で酸素を運搬する、御存じ「赤血球」の中には「ヘモグロビン」というたんぱく質が入っています。このヘモグロビンが酸素を体中に運ぶ事で、その生命を支えることが出来るのですが..............
 このヘモグロビン。実はどういう組成をしているのかは実はわかっているのですが、では、その分子量はどれだけになるのでしょうか?
 ヒトのヘモグロビンの組織は.............C2818H4380O790N764S12で成り立っていることがわかっています。つまり、炭素が2818個、水素が4380個、酸素が790個、窒素が764個、硫黄が12個です。 元素周期表を使って、炭素の原子量を12、水素を1、酸素を16、窒素を14、硫黄を32として単純計算した場合............12×2818+4380+16×790+14×764+32×12=33816+4380+12640+10696+384=61916 の分子量を持っているということになります。
 そう、「一つの分子でありながら」非常に巨大な訳ですが..............でも、これは赤血球の中のタンパクです。 まだまだ大きい(数十万とか)ものは一杯存在しているわけで..............(^^;
#筋肉を構成する「ミオシン」は分子量約48万とされていますし............


 さて、上記のようにして連なっていって出来たたんぱく質ですが、これはどういった物なのでしょうか? ちょっと書いてみましょう。
 まず、分子量ですが.........前回書いたように1万以上はあるもので、使われるアミノ酸は数十〜数百。ここまで来ると「高分子」と呼ばれる分子になります。
 役割に注目してみますと、ざっと上げただけで「結合、触媒、伝達(輸送)、収縮、栄養、構造」といった役割があります。これは、それぞれ各分子の結合、酵素に代表される触媒、生体物質の輸送、筋肉などの収縮、エネルギー源、生体の構造.......他をつかさどっています。 しかも、一つのたんぱく質で一つの役割と限定されているわけではなく、一つのタンパクで複数の役割を持つ事も珍しくありません。

 では、人の中では具体的にどのような物があるでしょうか?
 ヒトの組成の中で、たんぱく質は大体6.4%ぐらいを占めます。 で、どういった物があるかというと..........髪の毛やツメには「ケラチン」というたんぱく質が、目には「クリスタリン」、筋肉や臓器、骨、靭帯では「ミオチン」「アクチン」「コラーゲン」「エラスチン」、血液には「ヘモグロビン」「アルブミン」「グロブリン」など、その他酵素、ホルモンなど..................
 いずれもヒトが生きていくうえに非常に重要な物となっています。

 余談ですが............皆さんが食べる「肉」(獣肉、魚肉含む)というものは、要は「筋肉」の事で、そのたんぱく質を食べている、と言う解釈もまた可能であります。(尚、筋肉繊維は9種類のタンパク質でなっています。)


 さて、たんぱく質はいろいろな条件で「変成」をすることが知られています。
 たんぱく質は、アミノ酸が連なっているわけですが、実際には色々と「らせん」状になっていたり、それが「折り畳まれた」状態になったりといろいろな構造を取っているのですが............もしこの構造がさまざまな要因が入ると.........? その全体の構造が変化することがあります。これで「変成」という物が起きてきます。
 「変成」が起こる要因は色々とあるのですが..........例えば、有機溶媒の影響や、pHの影響(=酸性、アルカリ性)等に影響を受けるのですが.............もう一つ、実は皆さんの生活の中で大きく、特に目立った「変成」を見ることが出来ます。 それは何によるものか..............御存じでしょうか?
 皆さんは目玉焼きを作る、または卵をゆでた事があるかと思います。 これらは生卵とどう違うかどうか..........と、考えてみると、黄身は固まって、そして白身の部分も透明から白くなりますよね? そう実はあれはたんぱく質が 熱によって変成した為だったりします。 そう、実は日常で身近に見ていたりするのです。
 もう一例挙げておきましょうか。 皆さんは朝起きて寝癖がついていた場合.............ドライヤーをかけることがあるかと思います。そう、ドライヤーをかけることで髪の毛の寝癖などを元に戻すという事をしたことがあるかと思いますが..............実はこれもタンパク質の変成の一種です。これは、熱によって髪の毛のタンパク質の結合の一部(硫黄と硫黄の結合.......S-S 結合と呼ばれています)が熱に弱く、加熱により結合が切れることで髪の毛の「強さ」が無くなり寝癖を直す事が可能であったりするのです。
 御存じでしたか?
 尚、卵のたんぱく質の場合、熱して「変成」させた後はもう元の通りに戻らない(白身が透明にならない)事から「非可逆性」と、後者の髪の毛の場合、また結合さえ戻れば元に戻ることが可能なため「可逆性」という性質があり、この性質もまた、たんぱく質における「性質」の一つとなっています。


 おっと、これ以上やるとまた長くなりますね。
 今回はこれまでで............




 さて.......終わった.........(^^;;

 さて、今回の「からこら」は如何だったでしょうか?
 実は、今現在頭の回転が悪く(暑くて調子悪いんです)って、ちょっと文章の組み立てがおかしいような感じがあるのですけど............うぅむ? まぁ、意味は通じる......ハズ(爆)
 まぁ、取りあえず今回は前回「アミノ酸」からの進めてみましたが..........何となくでも御理解頂けたでしょうか? まぁ、本当はタンパク質はもっと深くやると面白い(食品的、生化学的)のですが、そうすると専門知識の嵐となりますのでやめておきました。 ただ、身近に実はたんぱく質が関わっているケースが良くあることをわかっていただければ嬉しいです。

 御感想、お待ちしていますm(__)m

 さて、それでは今回はこれまでです。次回は...........「祖母孝行」出発前ですね..............どうしましょ? やるとしたら軽めに何かをやってみたいと思いますが................? まぁ来週になればわかるでしょう(^^;; お楽しみに............
 それでは皆様、気をつけてお過ごし下さいませ.............

(1999/08/17記述)


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