からむこらむ
〜その51:新春お気楽与太話集〜
まず最初に......
いよいよ新年になりました。 皆様、明けましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いしますm(__)m
ま、今日からいよいよ仕事始めですが.........皆さん、どういう正月だったでしょうか? 管理人はベースが寝正月で、それにアレンジ若干、と言ったところでしょうか(^^;;
さて、今回は前回に引き続いて与太話集。 ま、意外と評判が良かったのと(「レポート」くださった皆様、ありがとうございましたm(__)m)、新年早々重い話もナンですので(被曝関連の締めですから)もう一回お気楽与太話でもやってみようかと思います。
さてさて、今回もどうなることやら..........ま、気楽に読んで笑っていって下さいませm(__)m
それでは「新春お気楽与太話集」の始まり始まり...........
では、まず最初に今回も..........
- 注意事項
- これはフィクションかもしれません(話によっては脚色、誇張が含まれているかもしれません)。
- 過去・未来の「からむこらむ」にこの話が出た/出るかもしれませんが、気にしないで下さい。
- 色々と話が出るかと思いますが、悪意は一切ありませんので、御留意を。
以上の点、よろしく御願いします(^^;;
では、今回も行ってみましょうか。
- 発想
科学で重要なもの、っていくらかありますが........そう、「理論」「実践」はもちろんの事ですが、結構重要なのに「直感」というのがあると思います。
ま、夢見て理論ができ上がるケースもありますし、研究室の先生なんかは病床のベッドで天井を見て極めて重要な事を思いついたそうですし..........
でも、「直感」って文字通り「思いつき」というのもあるかもしれないですけど、大抵は積み重ねた「経験」から生まれるものの様ですね。
- 薬は歴史から?
科学だけやるよりも、歴史を.......特にその伝承や記録、風俗などを見ると結構面白い、と管理人は思っています。
何故か?
記録などがよく取られるようになると、当然その中にさまざまな疫病の流行などが記されています。その症状が詳しく書かれていれば、当然何の病気が流行ったのか、とかを知ることが出来ます。 また、民間伝承から意外なところである病などに対して有効な薬効成分を持つ植物などを知ることが出来ます。
事実、意外と東南アジアの様なところの民間伝承から有効な薬効成分を持つ植物を知ることがある、という有名な話がありますから。
#結構こう言うのが面白いと思うのですがねぇ...........
- 暇な武士達
さて、上記絡みで少し。
江戸時代は五代将軍の頃、つまり1700年前後の元禄時代の頃になると、武士全てを職に就けることがかなわなくなり、当然浪人・閑職という事が増えてきます。事実、職についても1週間に1回出仕とか、そういうケースが結構あったようです。 ただ、ある程度上級の武士になるとそう言った環境の中でもまだ生活は楽だった様ですが.........
さて、このころの記録を見てみると、面白いことに当時の、ある程度の余裕のある武士達の死因がわかってきます。 それは大別して二つあり、「肝機能障害」と「腎虚」だそうです。 つまり? そう、「酒の飲みすぎ」と「セックス過剰」だったそうで(^^;;
妙なところで妙な事が分かるというか.......(^^;;
- 納豆菌最強伝説?
管理人の所属していた学科では微生物を扱う研究室があるのですが...........
さて、そこに所属の友人の話なんかを聞くと、面白いことに「納豆食べたら入室禁止」だそうで..........(^^;; これは、納豆菌はなかなか死なないため、実験で混入する(コンタミネーション。略して「コンタミ」と呼ぶ)ケースがあるから、だそうです。
納豆好きには苦痛な研究室ですな(^^;;
- 菌の入手は容易?
意外と知られていないようですが、純粋に培養された菌の入手は容易にできます。
これは大学・研究所で微生物を扱う所に「菌株保存室」という所がありまして、そちらに連絡すれば用途等は当然聞かれますが、菌株の入手は可能です。
ですから、高校などで微生物を扱いたい場合は、菌株保存室のある大学等に連絡をとれば、大抵の菌は入手可能です。
#もちろん、一カ所に全てがあるわけではありませんが。
- 菌の入手は危険?
微生物の分類の一つとして代表的なのに「グラム染色」という方法があります。 これはグラム染色液を用いて微生物に染色を行うと、染色出来るものと出来ないものに別れる事に由来します。染色できるならば「陽性」、出来ないならば「陰性」となりますが........
さて、最近では実験を行う高校では積極的に微生物を使った実験を取り入れる所があります。その中で有名なのと比較的容易なことからこのグラム染色を行う所が結構あるようです。 で、学校の先生も色々と調べて本の中にある「代表的な」グラム染色陽性菌を見つけ出し、そして連絡します。
こうして菌株保存室に電話がつながり、そこの先生が電話を取ります。で、高校の先生は「本にあったこの菌が欲しいのですが?」と言いますが、大抵は理由を言ってお断りです。
その理由? 簡単です。その本に書いてある菌が、大抵は結核菌だから(爆)
そういう場合は、別の菌を御紹介、となっています(^^;;
- 菌の物忘れ?
さて、上記菌株保存室ネタをもう一個。
上記のような実験の延長で、乳酸菌を使ってヨーグルトなんかを作ってみたい! という先生が電話をかけてくることが多々あるそうです。 当然分けるのですが.........
さて、乳酸菌と言っても数種類あります。 ま、いずれもあるグループの仲間なのですが......... で、目的も言わずに「本で見たこの菌をくれ」と言って入手する方がいらっしゃるそうですが、実はこれでヨーグルト造りにチャレンジしてもヨーグルトは出来ません。 何故か?
答えは簡単。「乳酸菌がヨーグルトの作り方を『忘れて』いるから」(^^;; つまり、普段それ用に使っていればちゃんとヨーグルトを作ってくれるのですが、菌株保存室にあるヤツは単に培養されて増えているだけです。 つまり、しばらくはヨーグルトなんか作っていない、と。
こういう場合は、最初に「ヨーグルト作りたい!」と言えば、ちゃんと作れる菌をお渡しする、との事です(^^)
- ギャグ
「ギャグ」とは本来は「さるぐつわをかませて沈黙させる」と言った意味だったそうですが.........
さて、大学の友人の話。
あるとき、食品関係の学生実験で「K値」という物を測る実験をしました。ま、これは魚肉と鶏肉の鮮度を測定する物なのですが......... さて、この実験は何故魚肉と鶏肉に該当されるかというと、死後硬直の時間の問題がからむからで、これが短いものに適用される物です(豚肉・牛肉などは適用できない)。
さて、こうして実験をして.........学生実験が終わったら? 大抵の場合班か個人かで担当研究室の人のところへ言って結果を見せます。 で、ここで二三やり取りがあって出席取って終了です。 管理人の友人の班も実験が終わって先生・先輩達に見せに行きます。 ここで質問。
先輩:「K値が適用できない動物はどういうのがあるんだ?」
友人:(即答で)「人間」
全員:「............(沈黙)............」
立派な「ギャグ」だったとさ(^^;;
- とっとと出せ!
ある学生実験では、食物繊維の有効性を測る、という実験がありました。 ま、この結果は結構面白いものだったのですが...........
さて、この実験ではラットを使って実験をしました。一班五匹を割当てて、各班で異った飼料を与えて飼育します。 この資料の中に食物繊維として、例えば柿の葉を加えてみたり、茶の葉を加えてみたり.........そして、全く食物繊維を入れていない班もありました。
さて、飼育は毎日で、昼には水を与え、そして体重を量り、糞の状態などを調べてメモをし、レポートとします。 この中で災難だったのは、食物繊維を入れていない班。
管理人が飼育をする日、隣でその班の友人が頭を抱えていました。
管理人:「うん? どうしたん?」
友人:「..........全く.........出ない..........(困)」
それで、食物繊維不足で便秘になることが良く理解できたとさ(^^;;
- とっとと出せ! その2
さて、上記の続き。
最終日に、ラットは解剖されて、各臓器の重量や血液検査などを行いました。 当然色々と見ていくわけですが...........
さて、上記の友人の班。解剖して見たところ...........一言、「詰まっているぅ〜」..........(~_~;;
それで、食物繊維不足で便秘になることが更に良く理解できたとさ(^^;;
#ま、この結果はかなり面白かったのですが(^^;;
- 飼育の法則
管理人の所の大学では非常に動植物の飼育が盛んです。 学科・研究室によって何を飼育していくかは大きく変わっていくのですが..........
さて、当然のことながら各学科によって「カラー」という物がありまして。ちょくちょく、特に女性陣の間で話題になったのが「どの学科に洒落た子が多いか?」という話が出ていました。
で、この話や自分の観察からしてみると...........次の主観的結論が出ました。
「動物を飼育しているところは洒落た格好をした人は少ない」
何故かって? そりゃぁ、顔に豚やらニワトリやら蝿やら牛やらが化粧とかの匂いにつられて寄って来るんですよ?(^^;;
#あ、念の為言っておきますが、そりゃぁ「かわいい」人もいますし、「洒落た」人もいます。単に飼育が多いと、という事です。(^^;
- 第一歩
化学なんてやっていると、当然基本の一つとなる「無機化学」は重要になります。
さて、管理人が大学入っての最初の学生実験は無機化学実験でした。 で、この実験の最初で学んだのは何かと言いますと.........? 薬品を混ぜる? pHの測定?
いやいや。「ガラス細工」でした。
- ガラス細工伝説
上記の「ガラス細工」といっても、別に芸術品を作るわけではないのですが(^^;; 実際にはガラス管を曲げたりくっつけたりして、器具の作成をやったりします。ま、どっちにしても実験で使いますし、また有機化学の分野でも所々必要とされるので、非常に重要な技術なのですが.........
さて、昔の錬金術師とかはこのガラス細工が上手かったと言います。 何故か?
そう、器具類は全部自分で作っていたから、です。 これは、最近までの科学者に言えます。
ま、今は難しいのは業者さんがやるんですけどね(^^;;
- ガラスの芸術
ガラス細工の技術を持つ人達は「職人」さんですけど.........
さて、科学をやると、その薬品への安定性の高さから当然ガラス器具が多用されます。フラスコ、ビーカー、シリンダーなんかはガラス器具が圧倒しているのですが..........
では、このガラス器具。ある程度の物なら機械で作ってしまえるそうなのですが、ある程度以上になると全部職人さんが作っています。 ですからちょっと特殊なタイプは全て値段が張ります(^^;; 例えば合成実験に使う、数百mlの容量の「反応フラスコ」というガラス器具で万オーダーですし.......(^^;; ですから、特殊な器具をオーダーメイドなんかやると............(^^;;
ちなみに、ガラス細工技術は日本人が一番上手い、という話だそうです。
#後継者不足がやはりあるらしいのですが。
- 錬金術師の密かな..........
錬金術師の話が出たのでちょっと.........
錬金術の基本技術は、ある意味現代の科学にも通じる技術で「蒸留」だったそうです。 まぁ、煮て焼いて........をちょくちょくやっているわけですし、そこから「成分」を取るのに蒸留なんて技術が必要だったのでしょうけど........ ま、ですから上記の通り器具の作成する技術は必要だったのですが。
さて、面白いことには彼らを調べると、蒸留を使った錬金術師の密かな楽しみ、と思われるものがあった様です。 それは何かと言いますと...........? そう、「酒」でした。 蒸留酒なんかは当然お手の物だった様です。
ただし、当然昔から酒は税金の対象でしたから「密造酒」となります(笑)
さて、結構長くなりました。
まだまだネタはあるのですが、取りあえず今回はこんなもので...........(^^;;
またの「レポート」をお待ちしていますm(__)m
ま、また軽いネタで行けましたかね?(^^;;
さて、今回の「からこら」は如何だったでしょうか?
今回は、前回に引き続いて、というか新年早々から行きなりヘビーなのもなんですので、「新春特別」と銘打って与太話集をやってみました。 今回も結構楽しんでやれたと思います。 まぁ、まだあるんですがまた別の機会にしましょう(^^;;
まぁ、「新春特番のノリ」で楽しんでいただければ嬉しいのですが(笑)
さて、今回の「からむこらむ」は以上です。
次回は........49回の続き........つまり、被曝関連の続きというか、締めをやりたいと思っています。
御感想(=「レポート」)、お待ちしていますm(__)m
来週をお楽しみに..........
(2000/01/04記述)
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