「きみの欠点といえば」ホームズは赤くなった燃え殻を火箸ではさみあげて、長い桜材のパイプに火をつけた。彼は瞑想的な気分を離れて議論をしたくなると、陶製のパイプのかわりに、いつも桜のパイプを使うのだ。
(「椈の木荘」/『シャーロック・ホームズの冒険』所収
/アーサー・コナン・ドイル著 大久保康雄訳/早川書房)
挨拶らしいことも言わなかったが、やさしい目つきで、肘掛椅子に掛けるよう手で合図し、葉巻の箱を投げてくれ、酒の箱と炭酸水のサイフォンが部屋の隅にあることを指でさし示した
(「ボヘミア国王の醜聞」/『シャーロック・ホームズの冒険』所収
/アーサー・コナン・ドイル著 大久保康雄訳/早川書房)
彼は目を輝かせ、得意そうに煙草の青い煙を吐き出した。(His eyes sparkled, and he sent up a great blue triumphant cloud from his cigarette.)
(英文を除く訳は同上。)
(2006/12/16公開)