からむこらむ
〜その42:それは多いか少ないか〜
まず最初に......
こんにちは。11月になったものの、最近妙に変な天気ですね。如何お過ごしでしょうか。 体調崩したりしている方が多いようですねぇ............
ちなみに、管理人は.........管理人は............管理人は.............(ごふっごふっ)
さて、今回は与太。前回までの一連のシリーズで「量」というか「割合」に関してちょっと「意外と分かりにくいかなぁ」と思いましたので、そちらのお話をしたいと思います。ま、「与太」ってよりも、「頭の体操」に近いでしょうか(^^;; 数字が苦手な方にはちょっと辛いかもしれません........(^^;; でも、何とか読んでみて下さいm(__)m
#その前に、管理人が忙しかったので全然前準備していないのと、疲れどっさりなので文章が組み立てられるかが心配(爆)
それでは「それは多いか少ないか」の始まり始まり...........
さて...........冒頭から質問です。
みなさんが普段使っている数字の桁と単位にはどういった物があるでしょうか?
まぁ、そりゃ人によって全然違いますけどね...........職業とかでも異なってくるかと思います。でも、生活の上で出てくる単位ってのは結構共通していますよね? 一般に金を払わなければ食品を購うことは叶いませんし、風呂上がりなんかにちょっくら体重を量ってみたりと............ で、色々考えてみると..........どうでしょう、自分の生活の中で触れるのは大体5桁前後の数字ではないかと思います。 で、単位をみると.........「円(通貨単位)」とか「グラム」、「メートル」とか、そういう物を色々とみるのではないでしょうか?
#あくまでも、「一般的に」ですよ(^^;;
さて..........で、こういう事を考えてみると............「科学で良く使われる単位であり、ちょくちょく一般の人も聞くことがあるけれど、普段から使わないから全然どういった物か分からん」というものが結構あるかと思います。例えば、重さなんかも当然科学では使いますけど、研究分野によっては、「グラム」なんて持ってのほかで「ミリグラム」「マイクログラム」とか使います。皆さんもこういう物を聞くかと思いますけど、実際にはどれだけの量かなんてピンとこないと思われますし............. 更に、割合で使われる「%」なんかも研究分野によっては「ppm」「ppb」に取って代わられて使用されているのが現状だったりします。ここまで来ると、ニュースで聞く程度で、ピンと来られる方は一般ではかなり少ないのではないかと思われます。 まぁ、「ppm」に関しては、その35で触れましたけど.............ただ、「4%」と聞くのと「40000ppm」と聞くのでは全く印象が違うことも確かです。
で、今回はこういう微量の量なんかについて、少し..........どういった「感覚」なのかについてやってみたいかと思います。
では..........
よく「○○湖の××の濃度が100ppm」..........なんていうニュースなんか聞くかと思います。でも、100ppmなんて聞いても普通は全然分かりません。これは「多い」のか「少ない」のか? ま、もちろん物によって「多い」「少ない」は変わってきますから一概にどうとは言えないんですけど................ う〜ん.......では、「100ppmの食塩水」にちょっと置き換えて考えてみましょうか。
さて、では100ppmの食塩水が1kgあったとき、この中には食塩はどれぐらい入っているか、ちょっと考えてみましょう。さぁ、多いか少ないか? ................どれだけ入っているでしょうか?
「ppm」というのは、「parts per million」=「100万分の1」という意味です。つまり、100ppmというのは、「100万分の100」という事........ま、約分すれば「1万分の1」ですね。つまり、1kgの食塩水の内、食塩は1kgの1万分の1の量だけ入っている、という事になります。
さて、では「1kgの1万分の1」ってどれぐらいでしょう?
換算が結構面倒ですが..........1kgってのはまず何グラムでしょうか? ま、愚問かもしれませんけど(^^;; そう、1kg=1000gですよね? 「k」....「キロ」というのは「1000」という意味です(人によっては1024かもしれませんけど(^^;;)から......... で、これによって「1kgの1万分の1」という物は「1000gの1万分の1」という意味に入れ替えられるかと思います。 さ、では「1000gの1万分の1」はどれだけの量になるかと言いますと...........そう、簡単な計算ですね.........結果は「0.1g」になるかと思います。 でも、小数点を嫌う場合は? そうなると更に下の単位まで落とす必要があります。 そうなると............「g」........「グラム」の下の単位は? となるとここで出てくるのが「mg」........ 「ミリグラム」という単位になります。「ミリ」を表す場合の「m」は「10-3」、つまり「1000の1」という意味です。 では、「1g」というのは「何mg」になるかと言いますと、これに従えば分かるように「1000mg」という事になります。 では、質問を戻しまして、「0.1g」は何mgかと言いますと...........「100mg」になります。
さ、以上をもって考えるに、「100ppmの食塩水1kg中の食塩」の量は「100mg」という事になります。
さて、では........「100ppmの食塩水」ってのは一体何パーセントの食塩水になるか、分かるでしょうか?
最初にちょっと考えてみますと.........「%」って単位はどういう意味でしょうかね? ま、簡単に考えていただければいいのですが.........「100%」ってのは「全部」という意味、「1%」ってのは「100分の1」という意味ですよね? .........と、ここで考えていただければ分かるかと思われますが、「%」と「ppm」というのはお互い「割合」を示すものですので、それぞれ単位を「互換」させることが可能です。つまり、ppmは「100万分の何ちゃら」、%は「100分のなんちゃら」ですから.......... ハイ、では考えていただければ、「1%」、つまり「100分の1」は何ppmになるかちょっと計算していただきましょうか? となると.........「100万分の何ちゃら」を「100分の1」にするには、「何ちゃら」の部分には............そう、「10000」という数字が入るかと思います。 つまり、「100万分の10000」=「10000ppm」=「1%」という事になります。
さて、以上を踏まえて考えてみれば............100ppmは、「100万分の100」=「1万分の1」です。これを「%」に換算するとなると.......... 「1%」=「100分の1」。「1万分の1」は「100分の1の更に100分の1」になりますので.............こたえは「0.01%」という事になります。
以上を踏まえると、100ppmの食塩水.........結構薄い、という事になるかと思います。
........と、ちょっとここで上の例で「ppm」にピンと来ない方。 もうちょっと別の方面から「どれぐらいのものか」というのを考えてみましょうか。
さて、確か記憶によれば東京→岡山という距離は、JRの営業キロ数では約700kmであったように記憶しています。新幹線「ひかり」でおおよそ4時間程度でしょうか? 横浜から鈍行乗り継ぎで、特急を使わずに行けばおおよそ14時間前後になるかと思われる距離です。 では、これを基準にちょっくら考えてみますか..........
この距離の「1%」ってのはどれぐらいの長さになりますか? と尋ねられればこれは簡単でしょう。700kmの100分の1、つまり7kmという距離になります。ま、普通の人が歩いて大体1時間40分ぐらいでしょうか?
では、700kmの「100ppm」相当の距離とは? と考えると............700km(=700,000m)の「1万分の1」..........つまり、70mになります。総距離に対してこの距離は長いか短いか?
では、700kmの「1ppm」相当の距離とは? と考えると..........700km(=700,000m=70,000,000cm)の「100万分の1」...........つまり、70cmになります。
ちなみに......「ppm」より更に小さい数字を扱うと「ppb」という単位が出ることがあります。 これは、「parts per billion」で、ppmの更に1000分の1.........つまり、「10億分の何ちゃら」という数字を表すときに使います。
上記例で言えば、700kmの「1ppb」相当というと............700km=700,000m=70,000,000cm=700,000,000mm=700,000,000,000μm(1mm=1000μm μ=10-6)の「10億分の1」..........700μm=0.7mm..........定規のあの目盛りよりも短い(^^;; う〜ん.........わかるか、分かりにくいか.........
もう少し例を挙げてみましょうか。 何にしようか.........「光」にしてみましょうか。
光の早さは大体、1秒間に約30万km..........これで地球約7周半でしたか?。この長さを基準にちょっと考えてみましょうか。
30万km(=300000km)の1%は3000km.........大体日本の領域の長さに相当しますか............
では、30万km(=300,000km=300,000,000m)の「1ppm」はと言いますと...........30mになります。光の速さの100万分の1はプールの長さよりちょっと長い程度になります。
では、30万km(=300,000km=300,000,000m=300,000,000,000mm)の「1ppb」はと言いますと..........30mm=3cmになります。
さて、毒とか汚染とかそういう話にこれを持っていくと...........
農薬などの残留基準などは一般的にはppm、ppb単位になります。また、通常環境におけるダイオキシンやその他の物質はおおよそ「ppb」の更に1000分の1(つまり、1兆分の1)の「ppt」という単位の更にそれ以下のレベルになります(あくまでも「通常」)。 ついでに、過去に触れたアフラトキシンなどの「極悪な物質」では「ppb」という単位になります。
「非常に毒性が高い」というアフラトキシンでは15ppbで数ヶ月投与すると100%ガンになる、という話でした。こう考えると、この物質は上の事などを考えると確かに「ものすごく毒性は高い」と言えるかと思います。もっとも、通常は規制値やら何やらで皆さんが口にするのは(前にも述べたように、アフラトキシンが入っている食品はある)pptとかそういう単位になるかと思われます。 ダイオキシンなんかは............報道関係が調べた環境中の量で、大体「1kg辺り○ピコグラム」とか言いますけど...........「ピコ」=「p」は10-12で、「ピコグラム」は1gの10-12の量になります。 これを考えてみた場合、「どこどこの水1kg辺り1ピコグラム」と言われた場合、この水1kg中にはダイオキシンがの1kgの1000分の1(これでグラム換算)の1000分の1(ミリグラム換算)の1000分の1(マイクログラム換算)の1000分の1(ナノグラム換算)の1000分の1(ピコグラム換算)............つまり、1000兆分の1の割合であり、pptに直すと0.001ppt..........つまり、1pptの更に100分の1や1000分の1単位でしかありません。ま、大体これぐらいで「悪さ」を出来る物質は.............まずないです。つまり、毒性発揮するには、まだまだと.............「ppb」までいけば毒性を発揮するのでしょうが、通常の環境ではとても足りません(もっとも、状況と慢性毒性があるので、そこら辺はまた別問題ですが)。
#ま、ダイオキシンは、将来的に増加の抑制というのは意味があるわけで、規制は正しいと思います。 もっとも、前に主張したように、本質をみる、という点では問題だらけですが(^^;;
#繰り返し言っておきますが、この手のは全部毒性との絡みがあってなんとも言い様がない部分があります。
まぁ、なんというか「数字のマジック」というか、「単位のマジック」ですが........(^^;;
..........以上で...........何となくこれらの単位の「度合い」というか「感覚」が分かっていただけるでしょうか? 時として無意味なほどの量を「強調」する例があったりするのもみられますが............(^^;;
う〜〜.......文章、ちゃんと出来たかな?
さて、今回の「からこら」は如何だったでしょうか?
今回は色々と「割合」についてやってみました。まぁ、「ppm」などを機軸に考えてやってみたのですが..............何となく「あぁ、こういう程度の量なんだ」って思っていただければ結構です。ハイ。
まぁ、何と言いますか........普段聞いたりする割には、大体ピンと来ないんじゃないかなぁ、と思ったのがきっかけで書いてみたんですけどね。ちゃんと文章になっているでしょうか?(^^;; いや、本当に、ぶっつけ本番で書いたもんで(^^;;;
さて、取りあえず今回は以上です。
次回は.........全く考えていません。そろそろ世間様も大分忘れてきましたので、被爆やらそこら辺の話をしてみようかなぁ、などと思っています。ま、先が不透明なもんで良く分からんですが(^^;;
御感想、お待ちしていますm(__)m
さて、それでは今回は以上です。来週をお楽しみに..........
(1999/11/02記述)
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