からむこらむ
〜その143:効く/効かず〜
まず最初に......
こんにちは。冷える日が続き晩秋のまっただ中となっていますが、如何お過ごしでしょうか?
ま、冬の足音が大分近づいてきましたね........あっという間に今年も終わりになるのでしょう。
さて、今回ですけど........
前回は農薬の必要性とか、そういうような話をしましたが。今回は、ちょっと先に進めてちょっと高度な話をしようと思います。ま、いわゆる「薬剤」に対する考えに関しての話です。ま、実際に色々と「○○に効く」とか言いますが、実際にはかなり奥深く、細かく考える必要が生じますので。そういうのを農薬を中心に、ついでに選択毒性についても触れてみようと思います。
ま、今回は必要性から長くなることは先に断っておきます(^^; 分けると半端になりますし.......ただ、農薬だけでなく医薬など、「薬・毒」全般についての考え方を更に深く理解することが可能になりますので、ある程度はつかんでもらえると嬉しいです。
それでは「効く/効かず」の始まり始まり...........
さて、今までやって来た通り薬/毒というのは大体は化学物質であるわけですが。
何故これは効くのでしょう? と言えば、今まで示してきた通りそれらは生体の機能に作用するから、となります。その結果が「良い」方向に向かうなら「薬」、仇なすなら「毒」と言われるわけですが。
ところで、そう言う薬剤のメカニズムに興味を持った場合、そう言うことについて書いてある本を開けば作用機構などを見かけることがあります。ま、「身体の○○を××することで〜」云々と言う感じです。そして、一般にそれが「薬剤の効果」全てと言う形で捉えることがあります。
しかし、それが「全て」なのでしょうか?
いや、実際にはそれだけではないんです。実際には薬剤が効果を発揮するにはいくつかの「過程」があり、各過程毎に考える価値があります。実際にそう言った点は薬剤を使ううえで非常に重要だったりします。
また、一方で農薬のかなりの部分や医薬は「有害な生物を殺す」事でその効果を発揮します。しかし、同じ「生物を殺す」でも人間には効かない(ないしは最低限の副作用で食い止める)様な配慮がなされたうえで使用されます。よく考えれば、そこには「殺す」効果の選択(対象生物に有効で、人に無効)が生じないと......つまり以前少し触れた「選択毒性」がないとうかつに使えない、と言う意味でもあります。
何故こういうことを書くのか?
これは一つは薬剤と言うものをもっと知りたければ更なる知識が必要であるからです。実際にいくつかの局面でこれは重要性を持ちます。そして、同時にこういうことは薬剤の「安全性」と言う問題にも絡んできます。よって、ここら辺の説明をしておくことでより深い理解が出来ることとなります。
今回は、そう言うことについて、農薬が中心となりますが触れてみたいと思います。
#尚、今までの話をベースにして成り立っていますので、その1、その2と言ったもの(慢性毒性、急性毒性、「毒と薬」の差)と言うようなものはきっちり押さえておいてください。
#でないと意味がありませんから。
さて、皆さんは薬/毒と言うものが「どういう過程を経て」効果を発揮するか、と言うものを考えたことはあるでしょうか?
最初の部分と重複しますが、一般に薬/毒と言うものは「どういう効果を出すか」と言うのは興味を持たれやすく、そしてそのメカニズムに関しては本やらでよく出てきます。そして、そこに書かれているのは、例えば「作用機構は○○の阻害」等とあり、そしてその毒性評価としては「経口LD50=○mg/kg」等と表記されています。当然農薬もこれらのデータを参考には良く使いますが.......しかし、これでだけで薬剤の「評価」をするには欠陥があります。
何か?
考えればわかりますが.......例えば農薬というものは医薬とは違って「経口投与」「注射」と言うような手法で生物が摂取することはまずありえず(自殺は除きましょう)、実際には「環境中に放出する」と言うのが一般的です。ですので、実際に農薬の作用を考えたければそこから出発し、そして様々な過程を経た有害生物への作用を考える必要があります。また、医薬でも「飲む」事を前提とした薬があれば、「塗る」「静脈注射」と言うような物があり、それぞれで薬剤の作用の段階を考えていく必要があります。
つまり、実際的な面に則した.......「使い方」と言う意味も含めて薬剤が作用していくまでの過程(=作用過程)を考えないと、本当の意味で「薬/毒」と言うものは考えることは出来ない、言うことになります。
こう言った部分はなかなか本などに書かれることはありません。しかし、こういう部分を理解しないと時として「何故そう言う使い方をするのか?」「安全性はどうなのか」と言うようなことは理解できなくなります。
では、こういう「作用過程」と言うものはどういう考え方になっているのか?
ま、管理人の専門というのもありますので農薬を中心に説明しますが、農薬の作用過程は5つに分けて考える形となっています。殺虫剤・除草剤などと言った、一般的な「農薬」を中心に考えますと.......
- 第1過程:施用された農薬が有害生物に到達するまでの過程(環境因子)
農薬を散布してから、目標とする生物に届くまでの過程です。実は100の量を撒いても、その内の数%〜数十%程度しか目標の生物に届きません。これは、農薬が撒かれてから環境内で分解されてしまう事が原因となっています。これは気象条件や土壌条件などによって左右されまして、例えば水(湿気)があれば農薬は加水分解されてしまいますし、光によっても分解されてしまいます。空気で酸化されてしまう事もありますし、土壌が薬剤を吸着してしまうこともあります。また、有害生物の生態や形態、農薬を散布する時間・期間、更に薬剤の形状(粒状、液体、散布方法)もこの過程で問題となります。
- 第2過程:有害生物に到達した農薬が有害生物体内に入るまでの過程(表皮抵抗)
有害生物に達した農薬の大半は生物の内部で代謝のかく乱を行うものが多いですので、当然生体内に入らないと意味がありません。その方法は、経口、(昆虫なら)気門、そして表皮から(人なら「口、鼻、皮膚」)の侵入という物が考えられますが、大体は表皮から薬剤の浸透が問題となります。この浸透による移行量は重要でして、量が少なければ第3過程が原因で効果が発揮できなくなります。
この点は生物の表皮の構造、吸収能、農薬の物理化学的性質に左右されます。
- 第3過程:有害生物に入った農薬が体内移行して作用点に達するまでの過程(代謝機能)
生体内に入った農薬は、作用するポイント(作用点)に到達しないと効果を発揮できません。つまり、神経の伝達阻害をする薬剤なら、当然神経にまで到達しないと作用は出来ません。が、生体内に入った農薬はいきなり神経に到達することはまれでして、大体は体液や内臓といった部分に入り込みます。よって、作用を発揮したい場合は浸透したところから作用点に移動する必要があります。しかし、作用点に到達する前に農薬は体内で代謝を受ける事がありますので、作用点に到達する間に解毒代謝によって無事なままの農薬は減ることとなります。もっとも、代謝の結果薬剤が活性化して毒性を増すことも多くあります。
ここでは、薬剤の物理化学的性質や、生物の代謝機構・能力が問題にされます。
これは非常に重要でして、ここで薬剤が作用量(効果を発揮する量)以上に達すれば次の過程で効果が発揮されることとなります。作用が発揮できない量=無作用量なら「解毒された」事になります。
- 第4過程:農薬の作用点との反応過程(作用点との親和性)
作用点に到達した農薬が作用量以上存在していれば、「作用」を発揮すべくそこで主に酵素の阻害などを行って、生理機能(代謝機能、ホルモン機能、神経機能、走性行動、他)のかく乱を行います。ここでは、作用点と薬剤との親和性(=反応性)が問題になり、その親和性の如何で効力が異ることとなります。いわゆる毒や薬が効果を発揮する、「作用機構」の部分でして、その説明が最も行われる過程です。この結果、農薬なら「病気状態」が引き起こされることとなります。
ある意味、最重要となります。
- 第5過程:作用点との反応によって誘起される生理機能かく乱が死亡に至るまでの過程(回復(代謝)機能)
作用の結果生じた生理機能のかく乱により、「病気状態」が引き起こされることとなりますが、そこから回復またはそれが出来ずに死に至る過程です。これは回復機能の大きさによって左右されます。
以上が農薬での作用過程となります。
通常ではなかなか考えにくいですが、これらは理に適っています。第1過程では薬剤が環境放出から目標生物にたどり着くまで。第2過程では生物にたどり着いてから身体の内部に薬剤が入るまで。第3過程では侵入した薬剤が作用点に到達するまで。第4過程では作用点における薬剤の挙動。そして第5過程では第4過程で生じた結果に対する生体の回復・死に至る過程となります。
まぁ、いちいち「細かく分解してみた」説明になりますね。しかし、こういう説明がなされることはほとんどありませんので、こういったことを改めて書いておくと少し見えるものもあるかもしれません。
実際、本などでは作用機構の話がでますが、これは第3、第4過程での話です。確かにこれはこれで重要なのですが、他の点も触れないと薬剤と言う物の説明には不足することとなります。例えば、試験管だけの結果(例えば第4過程のみ)だけで「猛毒」と判定されても、それに対する「接触」「身体への侵入」の機会が無ければ効果はないですし、入っても第3過程であっという間に分解されてしまうような性質の物質ならそう恐れるものでもないでしょう。
と、もう一つ理解の手伝いになると良いのですが。
医薬などの場合、飲み薬から塗り薬、静脈注射など投与法には様々な手段があります。静脈注射などは当然第4過程に到達する薬剤が増えますが、飲み薬の場合は胃や腸から吸収して作用点に到達するまでに、第3過程においてのロス(解毒・無効化)が多くなります。ですから、同じ効果を発揮するにも静脈注射なら少量ですみますが、飲み薬の場合は大量の投与が必要です。
そう言う意味で、色々と「使い方」「投与法」と言うのは重要な問題になります。
#で、やはり飲むのが手間がかからないので、上手いこと改善されれば注射から飲み薬に投与が変わる、と。
まぁ、ここら辺はもう少し、下のほうで補足的な説明が入ることとなりますが。
とにかくも、実際に各作用過程はがかなり重要視され、研究・追跡がされることとなります。当然、これに関して要求される知識はかなりのものでして、薬剤その物に関して有機化学、物理化学、その代謝に関して生物化学。また、基本的な生物学(対象は生物ですから)も当然要求されます。また、第1過程などから広範な環境科学も要求されます。
結構大変な分野と言えるかと思いますが........
#実際、構造を「ちょこっと」変えただけで効果に大きな変化が起きたりしますからねぇ.......
ところで、この作用過程は農薬での例ですが、他の分野の医薬と言ったものにも当てはめることが容易にできることに気付くと思います(生物化学兵器とて同じ)。実際考えるべき内容は全く一緒です。ただ、医薬の場合は基本的には第1過程は大体は必要ありません。実際に考えるのは第2過程以降となるでしょう。そしてその「目的」は「生理機能のかく乱」ではないと言うのは言うまでもないでしょう。
もっとも、「効果」に関しては「結果論」に過ぎませんがね。
さて、農薬(そして医薬)などを考える際、上述の作用過程の他にも「選択毒性」と言う物が重要視されることとなります。この言葉はその140でDDTの話をしたときに簡単に出しましたが、ここである程度詳しく話すこととしましょう。
実は上述の「作用過程」が非常に密接に絡んできます。
「選択毒性(selective toxicity)」とは何か? 農薬を中心に説明しますと........
農薬というものは環境中に撒いて、更に生物に作用する以上、何らかの形で他の種に作用する可能性が常にあります。よって、「目的の害虫(雑草、菌等)に効いて、他のものには影響を与えない」と言う、つまり「種ごとの効果の選択性」が必要となります。これは「農薬」を作る際の究極的な目的でして......ピンと来ないなら、「害虫(雑草、菌等)に効くけど、人にも効いてしまう」、「害虫(雑草、菌等)に効かず、人には効く」と言う様な農薬のメリットがどこにあるのか、と言う事を考えれば理解できるでしょうか。そういう意味で種ごとへの効果(=毒性)の差は必要ですし、そして重要視されます。
この「選択性のある毒性」を「選択毒性」と言います。
もう少し例を挙げておきますと........ま、医薬の抗生物質でも、「病原菌を殺すが、人への影響は少ない」から投与するわけで、「菌は生かすが、人を殺す」では医薬としては使わないでしょう。そういう意味での「選択性」を指します。
この選択毒性というのは非常に重要でして。
例えば、農薬は通常散布することで使用しますので、当然環境中に広がることとなります。環境中に存在する生物は非常に多種に渡りますので、目標とする「生物」以外(使用者も含む)にも農薬がかかる可能性が出てきます。そうなると害虫だけを狙いたいのに、他の生物(動植物)の方に効いてしまったり、散布者自身に効果があったりしては農薬の有効性は無いでしょう。ですので、理想的には「目的の害虫だけに効いて、他の生物に影響を及ぼさない」物が求められます。もっとも、そう言うものはほとんどありませんので、「他にはなるべく影響の少ない」と言う物が実際的ですが。
ただ、この選択毒性はそういった「生体」に関することだけでなく、施用のタイミングといった部分といった人為的な「運用」と言う部分も含まれます。
では、どうやって「選択」していくのか? これには上の作用過程が非常に密接に関わっています。実際、第1過程〜第4過程のそれぞれで選択毒性を生じる「機会」が出てくることとなります。
例えば第1過程においての選択毒性は何かといえば、対象となる生物の生態や形態、そして施用のタイミングによって生じることとなります。例えば、害虫の活動時間のタイミングを計る。また栽培の前に雑草を排除するために除草剤を撒く、薬剤の形状(粒状・液状)と言う様なものも選択毒性に含まれます。
第2過程なら農薬の性質によって生物の表皮の浸透と言うのは異なるのですが、種ごとにこの表皮の構造は異なりますので、目標とする生物に浸透しやすく他の生物の表皮には浸透しにくい、と言う様な農薬があれば、それで選択毒性を生じることとなります。
第3過程は代謝に関することですので、その解毒能力の差から選択毒性を生じる事が出来ます。狭義の「選択毒性」はここの部分に当たり、非常に幅広く、そして最も問題にされやすいです。
例を挙げておく必要があるでしょう。例えば、「高等生物」と「下等生物」の代謝能力には明確な差がありますが、この差が選択毒性に繋がります。例えば、人間は非常に解毒能力が優れているので作用量に達する前に解毒してしまいますが(もちろん、原液一気飲みするとか多量なら駄目ですが)、ハエ等は余り優れていませんので作用量に達してしまい死んでしまうこととなります。これも重要な選択毒性となります。
第4過程なら作用機構の阻害になりますが、作用量に達しても例えば対象となる酵素の阻害をしようとしても、その酵素と薬剤との親和性が無い(=結合出来ない=阻害できない)のならば効果を発揮することは出来ません。これは薬剤と酵素の構造に左右されまして、例えば薬剤の「右手」「左手」といった立体構造の差違で薬効(=親和性)が大きく変化するのはこれに由来します(その24のサリドマイドが好例)。これも選択毒性となります。
ま、以上が選択毒性の簡単な例になりますが.......もう少し触れておきますと。
「動物」と「植物」でも細胞の構造や特定酵素の有無などが存在しますので、この差を利用することも可能です。例えば、細胞を囲む「細胞壁」は植物や菌に特有のものですが動物は持っていません。よって、細胞壁の合成を阻害してしまう物を使えば、植物・菌には影響が出ますが、これを持たない動物には影響を与えません。一方、例えば神経を攻撃する薬剤は神経で動く動物には有効になりますが、神経を持たない植物や菌には影響を与える可能性は無くなります。
ただし、動植物・菌に共通する機構.......例えばエネルギー生産は生命の維持に必要な機構ですが、これを阻害する薬剤というものはすべての生物に対して有効になる可能性があります。この場合、選択性は第4過程における選択毒性が生じにくい可能性がありますので、第1〜第3過程での選択毒性を利用する必要が生じることとなります。
そうそう。
更にDDT耐性の蚊や、ニュースなどでいう「薬剤耐性菌」と言った、「それまで有効だった薬剤が効かない」生物の存在を皆さんは聞いたことがあると思います。この様な生物は文字通り薬剤に対して抵抗するのですが、これの理由は様々で、例えば解毒能力発達した、とかがあります。
こう言ったものも実は選択毒性が当てはまりまして、例えば解毒代謝能力が発達すれば第3過程においての選択毒性が生じていることとなります。他にも例えば第2過程で薬剤の浸透性を低下させることで耐性を得るものもいます。また、第4過程で酵素の構造が変化することで、薬剤と作用点のとの親和性が落ちる結果死ななくなる、と言うのも良い例となります。
ま、この選択毒性もかなり奥深いものがありますが........まぁ、もうちょっとピンと来ない部分があるかもしれません。ただ、いちいち例を出すと莫大な数になりますので、スペース的に限界があります。ですので、ここら辺の詳しいことは色々な薬剤の話をするときに具体的な例を触れていくこととしましょう。
ただ、薬剤も「こんな効果が出るとは思わなかった」とか色々とありますし、様々な要因も常に複合していますので、実際にはこれらは単純ではありません。実際、「この機構が存在しないので、無効な薬剤」のはずが、全然関係ない機構に効いてしまって、と言うこともあります。
ここら辺もかなり奥深いです。
さて、そう言うわけで通常、農薬(医薬)と言うものはこの「選択毒性」がちゃんとあることが前提となっています。
しかしながら、そんな簡単にできたりするわけではなく、この選択毒性を生じさせる薬剤(農薬・医薬)の開発には当然時間がかかることとなります。実際、こう言った薬剤の開発には非常に多大な研究・試験期間が必要でして、大体普通で数万〜数十万の化合物を合成し、それを試験していって大体1〜2個程度しか良いものは出来ません。最悪、それでも「全部ダメだった」と言う事もあります。
この研究は奥深く、「選択毒性を考慮した上で、いかにして最小容量で作用量に達するよう、作用点まで薬剤を到達させるか」と言う様な研究がされており、そのために施用方法、そして薬剤の化学構造などが研究されることとなります.......っと、施用方法はピンと来にくいかもしれませんけど、例え第3過程、第4過程で優秀な結果を出しても、「実戦」に出してみたら施用に絡む第1過程、第2過程で全然だめで使えない、などということもあるわけです。
更に言うなれば、農薬ならばかなり厳しい規制がかけられていますので、実験動物を使った慢性/急性毒性の試験、残留性、自然界での薬剤挙動(どういう変化をしていくのか、など)、水生生物・野生生物に対する試験などで良い結果を出さないと許可が下りません。
#でも、今もってDDTと同レベルの思考で批判する人がいるのは解せませんが。
そう言うわけで、実際にこの分野は非常に多大な金が必要となるのですが........
ただ、一発当てると莫大な特許料が入るわけでして、かなりの金・人をつぎ込んででも新薬の開発に力を入れています。ですので、昨今の医農薬業界の「再編」と言うのはここら辺の競争力が問われているから、と言うのが理由になったりするのですがね。
#余談ですが、日本は世界第2位の医薬市場ですが、日本の製薬会社の競争力はほとんどが弱く、ごく一部を除いては生き残るのは難しくなっています。
#ま、研究予算だけで桁が違いますからね.......
以上、駆け足気味ですが、これらが薬剤の「作用過程」と「選択毒性」、つまり「効く/効かない」に関しての深い部分の話となります。
ま、実際にはもっと詳しい話をするともう少し面白かったりするのですが、そう言うスペースは残念ながらありませんので、薬剤毎にしていくこととしましょう。
と言うことで長くなりましたので、今回は以上ということで。
さて、今回の「からむこらむ」は如何だったでしょうか?
ま、長くなってしまいましたがね(^^;; 取りあえずは「薬/毒」と言う物を今までやった慢性・急性毒性など以上に深く考えると言うことで作用過程と選択毒性に触れました。この二つは医農薬では非常に重要な概念なのですが、なかなか触れられているものはありません。ま、今後関与していくものでもありますので、長くはなりましたが二つを関連づけて説明させてもらいました。
ま、良く考えるとそう難しいものではないとは思いますけどね.......もっとも、事例が少ないのでピンと来ないかもしれませんが。
取りあえず、概念だけでも結構ですので頭に入れてもらえると嬉しいです。
で、次回ですが.......え〜、まぁ必要ですので今回も触れた「薬物耐性」の生物が出来る理由とか、そう言うのに触れておきますかね.......ま、当然農業だけでなく、医療の重要な問題ともなっていますが。
ま、今回の話が関与しますけどね.........
そう言うことで、今回は以上です。
御感想、お待ちしていますm(__)m
次回をお楽しみに.......
(2001/11/13記述)
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