からむこらむ
〜その129:スキタイ人と麻打山の女〜


まず最初に......

 こんにちは。ついに7月も今日で終わりとなりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
 いやはや。なんか、一ヶ月が異様に早いです。

 さて、今回は........
 え〜、前回は麻の話のイントロ的なものをしましたので、今回は「麻薬」としての麻、つまり大麻についての話をしてみようかと思います。
 まぁ、いろいろとあるようでないような物でもあるんですけどね.......  それでは「スキタイ人と麻打山の女」の始まり始まり...........



 まず、前回は押えておいて下さいね?
 その上で今回は「麻薬」としての大麻の話をしていこうかと思います。

 では、まず.......最初に、「大麻草」について前回でも少しやりましたが、もう一回触れてみますと........
 「大麻草」は学名を"Cannabis sativa L. "と言いまして、「カンナビス・サチーバ・エル(リンネ)」と呼びます。ま、「カンナビス・サチーバ」でも十分に通じますけどね。
 この植物は雌雄異株の一年草でして、冬に種を蒔き春から夏にかけて成長します。中央アジアを起源とすると考えられていますが、実際には非常に強い繁殖力を持ち、現在では世界各地の様々な風土・気候に適応して生育しており、その地域毎に適応して様々な形状(大きさが異るなど)のものが見られます。その中のあるものは人工的に栽培されていますが、中には人工的に交配された変異株も多くあり、そして前回で触れたように生活に密接な繋がりを持っています。また、中央アジア周辺では広く野生していることが知られています。
 また、夏には花が咲きまして、雄花は淡黄色の、雌花は緑色で穂状の花となっています。
 ま、詳しい植物学的な形態はここでは省略しましょう。

 大麻の麻薬としての「製品」には色々と呼称があることが知られています.......とは言っても面倒でして、これがなかなか一筋縄ではいきません。基本的には「有名」な物も多いのですが、実際には思いのほか複雑なものとなっています。一応、調べて出てきたものを挙げますが、「一例」と思っておいて下さい。
 「製品」としての呼称を見てみると、まず大麻草の学名より「カンナビス」、英名である「ヘンプ(hemp)」。雌花より出る樹脂は固められましてよく空港などで押収されますが、この樹脂を「ハシシュ」「チャラス」「ブッダスティック」などと呼びます(地域によって違う)。この樹脂は板、棒、粉末があるようですが、今年(2001年)の前半には、この樹脂の板に彫刻して「美術品」として輸入しようとした男が捕まった話が出ていました。樹脂に大麻の花穂や結実部を入れて固めたものは「バング(ブファングとも:bhang)」「ガンジャ」などと呼ばれるようです。
 一般的に有名な「マリファナ」は乾燥大麻の葉部(花が入ることも)を細かくきざんでタバコにしたものでして、「バング」「ダッカ」「リーファ」と言った各地の呼称や、「ポット」「グラース」「メリージェーン」と言う隠語もあるようです。が、大麻製品全般を指して「マリファナ」と言うケースも結構あるように思えます。
 ま、とにかく「一例」でして、国・地域、そしておそらく時代で指すものが変わってくる可能性はあります。
 ただ、ここら辺の名称を抑えておくと、結局「何だ、大麻じゃん」でひと括り出来たりもしまして、ドラマなどで混乱した使用例などを確認することも可能かも知れません。
#以前、これら大麻の呼称の区別がついていない物(全部大麻だと思っていない様に見えた)がありましたから........

 ところで、「大麻」のなかの代表的な変異株で有名なものに「インド大麻」と呼ばれるものがあります。
 インド大麻とは確かに「カンナビス・サチーバ」なのですが、「変異株」でして学名を"Cannabis sativa L. var. indica Lamarck"「カンナビス・サチーバ・エル(リンネ)・ヴァル・インディカ・ラマルク」と言います。これは、「用不用説」で名を残すラマルクにより、カンナビス・サチーバの変異株として命名されました。
 ま、変異株と言わせるほど形状が異っているのが特徴的なのですが。このインド大麻は中央アジアで遅くても2000年以上前から品種改良が行われていたと言われており、その結果としていわゆる「麻薬成分」を多く持つこととなり、麻薬として用いられるようになります。これは前回スキタイ人の話をしましたが、彼らはこのインド大麻を使っていたと考えられています。以後も中央アジアでは様々な場面(社交・娯楽目的でも)でインド大麻が使われていた様です。
#映画「ビーチ」(だったか)で出てきたのはこれでしょうね.......
#↑個人的にはつまらなくて、途中でやめましたが(笑)


 さて、「大麻」は麻薬として使われているわけですが、その歴史は古いと言えます。
 大麻の麻薬成分は大麻の雌花の花序と、上部の葉にあることを古代の人達は知っていたようで、いろいろと利用していたと思われています。その中で有名なのは、前回にも(そして上述もした)スキタイ人達でして、彼らは焼いた石の上にこれらの大麻の部分を投げ込み、その蒸気を吸って大麻の陶酔感を味わったと言われています。と......ここで少し注釈ですが、前回はヘロドトスの記述として「麻の実を投げ込んで」と書きましたけど、麻の実には基本的に麻薬成分は無いと考えられていますので、実際には麻の花穂などを投げ込んだのだろう、と考えられています。
#麻の実に効果があれば、鳥のエサや七味などの香辛料には使えませんしね。
 では、古代ではどうやって使用されていたかと言うと、基本的にはスキタイ人の事例と全く一緒でして、大麻は「喫煙」を中心に使用されていたと言われています。一応、内服と言うのもあるのですが、全体的には喫煙・吸煙と言った「煙にする」方法が有力だったようです。そして、面白いことに現在でもこの方法が一般的にとられる大麻の摂取法となります。
 この吸煙による大麻の使用は、使用者に対して身体的には頻脈、目の充血、のどの渇きを覚えさせますが、精神的には時間・空間感覚の変化や多幸感、抑制の消失した解放感、注意力の低下、触覚・視覚・臭覚・聴覚・味覚と言った感覚の変化、痛覚などの低下・消失、暗示にかかりやすくなると言った変化が見られると言われています。面白いことに、集団での使用と、個人での使用とでまた変化していくことも知られています。
 こう言った変化はスキタイ人や、それ以降の中央アジアを中心とした人々に娯楽・社交の目的で好んで使われたほか、古代ギリシアの巫女や、中世ヨーロッパの「魔女」達にも使用されたようで、特に儀式などで口走る「言葉」は「予言」や大麻を使った作用によるものと考えられます。また、古代より痛覚が低下・消失することから鎮痛性の薬として使用していた事も知られています。
 全体的に大麻の作用は緩やかと言われていまして、中毒者でもその量はそう多くないと言われています。また、精神的依存はあるものの、身体的依存は少なく、耐性も出来にくいと一般には言われています。
 大麻中毒となり、大量に用いていくと今度は思考のゆがみや非現実感、視覚のゆがみに幻覚、妄想、興奮と言った症状が起きることが知られています。また、その111でも触れた「フラッシュバック」症状を起こすことも知られていまして、経験者は中断しても再使用で突然に幻覚などを見て凶行に、と言う事例もあるようです。
 ま、ここら辺の作用に関してはいろいろと現在でも社会問題になっている部分がありますが........これは次回に少し詳しく説明することとしましょう(ある意味そちらも本題ですので)。

 ところで、こう言った麻薬としての大麻ですが、余り世界中には出回って使用されなかったようです。基本的には、中央アジア周辺程度で使われていたに過ぎなかったと言われています.......個人的には、ルネサンス頃からの錬金術のイスラムからヨーロッパへの流入時に本格的に入らなかったのは疑問でもあるのですが。
 ヨーロッパでは一応、かの有名なシェークスピアが麻薬類を使用していたのではないか、と言う様な研究が今年3月に発表されていたりもするので、「全く使用されてはいなかった」と言う訳ではないようですが、余り使用されていなかったのは確かの様でして(アヘンがあったからかも知れませんが)、「本格的な流入」はナポレオンとその軍隊が小アジア〜中央アジアへの遠征の時に、そしてイギリスがインドより持ち帰ってからと言われています。彼らは大麻を用いる習慣を広め、19世紀以降にはヨーロッパでの麻の使用量が急増。この頃になるとフランス人作家が「ハシシュ愛用者クラブ」なるものを設立するまでに流行します。こういったクラブの会員には著名な人物がいるそうですが、いずれもハシシュによって「芸術的作業」が効率良く出来るようになったと言い、大麻による知覚の変化などの影響と見る効果が出ているようです。そういった記録の中には、視覚と聴覚の変化により「あらゆる細かいものが見える」様になり、「音が色彩を持つようになる」と表現しているのもあります。
 しかし、ヨーロッパではそれ以降はそれほど用いられることもなかったようでして、それほど多量に使われることはしばらく無くなります。ただ、ヨーロッパに入ることで以降、アメリカなど世界中にこう言った習慣は伝わっていったようです。
 そして、現代に入ると大麻は地味に、しかし一気に問題化していきますが...........ここら辺は、次回でまた触れることとしましょう。

 尚、日本では麻のこう言った効果についてはどうなったのか、と言いますと..........一応、ここら辺のことはある程度は知られていたようです。
 いくつか例を挙げてみますと、まず古くは『播磨風土記』の中に揖保郡の麻打山(あさうちやま)の話がありまして、「昔、但馬の国の人、伊頭志君麻良比(いづしのきみまらひ)、此の山に家居しき。二人の女(をみな)、夜、麻を打つに、即(やが)て麻を己が胸に置きて死(みう)せき。故(かれ)、麻打山と號(なづ)く。今に、此の辺(あたり)に居る者は、夜に至れば麻を打たず」と言う話が残っています。これは、単純に言うと「但馬の者が移住して住み着き、ここで二人の女が夜に麻を打っていると、麻を自分の胸に置いて死んでしまった」と言う事件です。ここからは二つの解釈が存在していまして、一つは神話的要因、つまり「この麻打山いた神(伊頭志君麻良比)が、後から住み着いてきた者を妨害して、夜に麻を打つ(繊維をとる)女二人を殺した」と言う解釈。これは早い話この神の「先住権」の話となりますか。もう一つの解釈としては、「夜に女が麻を打っていたら、その中から大麻成分が出てきて、それを多量に(何らかの形で)摂取したために中毒死してしまったと」言う科学的な見方があります。
 まぁ、科学的な見方をベースに、「理由付け」として「先住していた神の妨害」と言う様な話が出来たのかもしれませんけどね。ただ、じつに伝説・伝承的な話ではありますが。
 他にも江戸時代後半〜幕末に、平戸藩主松浦静山による随筆に『甲子夜話(かっしやわ)』と言うものがあります。これは重要な歴史資料でして、幕末の政治・経済・外交・逸話・風俗と言った広範な話が入ったものですが.......尚、「甲子」とは静山が62歳だった1821年11月17日の甲子(キノエネ)の夜に起稿したから、と言われています。ま、そちらの話はともかく.........この『甲子夜話』には「麻の初生の芽を食せば発狂す」と言う記述があります。
 こう言った事からも、昔の日本でも麻についてある程度の知識はあったのではないか、と思われます。もっとも、日本では専ら繊維をとるために麻を利用しており、実際にはスキタイ人の様な利用は見出されていません。
 これは興味深い物ですが.......これは次の成分の話を考えると理由がある程度推測出来ます。


 では大麻の「麻薬成分」とは一体何なのか?
 これの探索が始まったのは、以前話したアヘンなどと比べると遅い物でして、1898年にW.R.ダンスタンとT.A.ヘンリーによって始まり、当初は不純物での分離などでなかなか判明せず、最終的には20世紀半ばに構造が最終的に判明します。この研究では、大麻には類似の化合物が多くとれることが判明し、結局「大麻」の「カンナビス」からそれらの化合物群を総じて「カンナビノイド」と命名。その中の「テトラヒドロカンナビノール(THC)」が大麻の主要麻薬成分であることが判明します。



 他のカンナビノイドのについてはどうか、と言いますと、研究の結果として大麻成分としてはあるにはあっても強くなく、作用の無いものも多いことが判明します。が、いくつか重大な知見も得られていまして.........
 大麻は世界中にある事は前回にも少し触れましたが、大麻を調べていくと、化学物質的に見た場合には概ね2種類に分けられることが分かっています。両者ともカンナビノイドでして、片方は「テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)」を。もう片方は「カンナビジオール酸(CBDA)」を主として含んでいる事が分かっています。



 THCAを見ると、基本的にはTHCと構造が似ています。唯一の違いは構造の右側にある「-COOH」でして、THCAはこの部分が抜ける(脱炭酸)することでTHCに変化します。この化学反応は加熱や光によって進みます。一方、CBDAの場合はTHCには変化しにくい構造となっています。
 こう言った事実と大麻の世界的な分布から、THCA種とCBDA種に分けて(実際にはもう少しあるんですけど)それぞれの分布・伝播を調べた人がいまして、その研究によればTHCA種は中央アジアを中心に中東〜アフリカ、小アジアを経由してヨーロッパ〜アメリカへ、と分布しています。CBDA種は中央アジアから始まって北のルートで東西へと向かい、西はヨーロッパ〜アメリカ大陸へ、東は中国〜日本〜アラスカを経由してアメリカへと渡っていったと考えられています。
 こう考えると、スキタイ人や古代ギリシア人達はTHCA種の麻(インド大麻もこの種)を利用していたと考えることが出来、このことから「麻薬」的効果をも利用していたと考えられます。しかし、日本に来た麻はTHCAを多く含まないCBDA種であり、このことから多少の麻薬的効果があったとしても熱心に使うほどでもなく、結局は大麻の麻薬としての習慣が出来なかったのではないか、と考えられます(他の地域も同じ)。
 ただし、植物学的には興味深い報告もありまして、これらの種を交配させていった実験では、最初はCBDA種が優勢でも交配していくごとにTHCA種が徐々に優勢となってくるそうでして、このことから当初はCBDA種が多かったところでも、THCA種が徐々には入り込んでくることによってCBDA種がTHCA種に変化していくのではないか、と言う話もあります。
 ま、遺伝的なものか生物学的な何かがあるのだとは思いますけどね.........
 こう言った事もあるのでしょうが、現在の日本では麻の栽培は例外なく免許制となっていまして、繊維をとるか研究を目的とする人達が都道府県知事に申請して免許を得る必要があります。一応、繊維を目的とする場合には、品種改良でTHCが最終的には出来にくいようなものが用いられるそうですが........実際には生産量は少ないので、それほど大規模には行われていません。
 そうそう。もちろんこういう申請を行わずに栽培すれば逮捕されます。

 そうそう、THCなのですがこれは生化学的には少し興味深い物質となっています。
 自然界において「麻薬成分」と言うものは大抵は窒素を含んだ(過去に何回か書いている)「アルカロイド」と呼ばれるような化合物なのですが、THCは窒素を含まない炭化水素化合物となっています(もう少し専門的に言えば「テルペノイド」(その79参照)ですが)。この様な事例は他にあまりなく、化学者達にとってはなかなか興味深いものとなっています。
 ただし、他の麻薬などに比べて「強い」物ではないので、「極めて多大な興味」とまではなっていないのですが.........

 さて、このTHCの作用ですが、動物実験でいくつかの症状が確認されています。
 ラットに注射すると、小量では自発的な運動が増加し、大量になると逆に抑制されることが知られています。一方犬の場合は小量ではおとなしくなるようですが、急に動き回ったり何かを探る様な動きが見られるので、幻覚を見ているのではないかと考えられています。更に多く投与すると、眠くなったりするようですが、突然動き出したりするそうで幻覚・幻聴的なものを感じているのではないかと言われています。
 ところで、ラットに注射すると0.313mg/kgで身体をこわばらせて身動きしなくなる「カタレプシー効果」と言うものを引き起こすことが知られています(THCAだと20mg/kgが必要)。この点はスキタイ人の例でも現在でも、大麻は「喫煙」「吸煙」と言う方法で使用されると書きましたが、上述の通りTHCAは熱・光でTHCに変化しますので、こう考えると「煙」による摂取(=THCAをTHCに変化させた摂取)は極めて的確に当を得た方法であると言えます。
 人間が標準的なTHC含有マリファナを使用した際の報告はありまして、一本のマリファナ喫煙で陶酔感を覚え、一〜二本で知覚・感覚が変化。三本以上で顕著な感覚の変化、離人感、現実遊離感、幻視、幻聴が現れると言われています。基本的には、上の方に記述した症状が主として現れるようです。

 こう言ったTHCの作用機構ですが、「麻薬」である以上は中枢神経のどこかに作用している、と考えられています。
 では、どこに作用しているか、と言いますと.........実は良く分かっていません。色々と推測がなされてはいるのですが、実際には明確な説明を行ったものは今のところ無く、それ故証明もされていません。
 実際にはじつに謎の多い物質だったりするのですが........
 ですので、現状としては大麻による現象的な物は良く知られているのですが、その詳しい機構は他の麻薬よりも分かっていない、と言えます。
#それ故、実はここら辺は詳しいことは書けなかったりしますが.........
#作用について2004/12/06に追記あり。記事の下を参照。


 さて、長くなりましたので、とりあえず今回はそろそろ、と思いますが........
 そうそう、その102でも触れた通り、大麻は「ソーマ」ではないか、と言う話もあります。一応、以前にも触れましたので、ここでもう一度思い出しておいてもらいましょう。

 ま、とりあえず以上が簡単ながら大麻の植物学的な部分と、化学的な話となるのですが.......ま、植物学的には結構色々とあるのですけど。
 さて、この大麻は日本ではかなり取り締まりが厳しいので一般的ではないのですが、実は大麻は他地域においては民間への浸透がされている植物だったりします。もちろん、基本的スタンスは「麻薬」なのですが、先進各国の一部でもすでに取り締まりが限界に来ている状況にあります。そして、同時に「大麻は麻薬ではない」と主張する人達が多くいます。実際、医療などでも末期患者への使用(苦痛の除去)をしてはどうか、と言う話もありますし、一般でも野放し状態になっている所もあります。
 ......と、今これを入力している横で、カナダで末期患者へのマリファナ使用が解禁になった、と言うニュースが入ってきましたが.......
 こう言った「解禁論」は日本でも主張する人達がいます。

 次回には、ここら辺の論議についてと、大麻によるいくつかの動物実験の話をしてみたいと思います。
#ま、ある意味本当のメインですね。

 そういうわけで以上で。


○2001/08/17追記
 毎日新聞の2001年8月16日付けの記事に、次のような物がありましたので、転載しておきます。
 作用機構が不明なTHCも無論カンナビノイドですから、この様な現象の確認はTHCの作用機構解明へのヒントとなるかも知れません。
 神経伝達物質の「逆流」と言う発見も面白いですが、この物質が抑制的に働くとの事ですから、感覚の喪失や麻酔的な作用(これは次回分で触れていますけど)などとの関係を考えると、鎮静剤や麻酔剤などの作用部位などに関係するかも知れませんね........


○2004/12/06追記
 THCの作用について、脳内でドーパミンの放出を促すという働きがあるようです。もっとも、これを考えると統合失調症コカイン・覚せい剤等の興奮薬との関係も考える必要がありますが、興奮薬とは少し違うようにも見えます。
 メカニズムは複雑なのでしょうけどね。




 あぁ、暑くて溶けそう(爆)

 さて、今回の「からむこらむ」は如何だったでしょうか?
 え〜、暑さがぶり返して思考能力落ちまくった中でやったのが申し訳ないんですが.......ま、(どうにか)今回は大麻の麻薬としての話を簡単にさせていただきました。とは言っても、実際の化学的な機構は記述した通り結構分かってないんですがね(^^;; ただ、有効成分は各種実験で確認されていますので、そちらはご安心を。
 とりあえず、大丈夫ですかね?(^^;
#暑くて本気で辛いので(- -;

 まぁ、麻薬の中では結構化学的な物はまだ「薄い」物だったりするのですが........ただ、大麻の重要な点は実際には次回触れる予定の部分にあります。実は大麻は今現在かなり「ホット」な麻薬でして、これの議論が各地で展開されていることは覚えておいても良いと思います。実際、日本でもこの議論が近い将来起こる可能性もありますので........
 とりあえずその点は次回をお楽しみに、と言うことで。

 そういうわけで次回は.......今ホットな社会的な問題の話をしてみようと思います。
 ま、皆さんもくれぐれもへばらないように、お気をつけを。

 そう言うことで、今回は以上です。
 御感想、お待ちしていますm(__)m

 次回をお楽しみに.......

(2001/07/31記述 08/17追記)


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