専門的にはセスキテルペンの一つでして、窒素を含まない点でキニーネとは大きく異なります(この差は大きいです:その点ではある意味THCと同じく注目に値します)。全合成は1987年に行われています。
#ヨモギ属(artemisia)は、その141のアブサンの話で語源の由来が出ていますのでご参考まで。
また、最近(2002年3月)では同じく非アルカロイドで「1,2,6,7-Tetraoxqspiro[7.11]nonadecane」の物質(「1,2,4,5-テトラオキサシクロオクタン」の3位に「シクロドデカン」が結合したスピロ化合物)が抗マラリア薬として働く、という事を岡山大の教授らが発見しています(この件に関して、Nishitaniさんから構造の情報を教授していただきました。ありがとうございますm(_ _)m)。
他にも、京大と米の大学の合同で研究した結果、マラリア原虫の酵素を阻害する化合物が開発されるなど、様々な方面で抗マラリア薬が開発されています。
尚、某医療漫画や毒を扱うサイトなどでマラリアの特効薬を「ストリキニーネ(strychnine)」(その164参照)などと言っているケースがありますが、恐らくキニーネと混同しているようですのでご注意を!
これでキニーネは終わり、と。
さて、今回の「からむこらむ」は如何だったでしょうか?
今回は前回にキニーネが広まるまでの話をしました。今回はそのキニーネそのものと、20世紀の動向について触れてみました。まぁ、もっと書きたい物とか、構造の提示とかしたかったのですが、そこまでやると足りないものもありますので。ま、ある程度の要点を押さえつつ色々と書けたかとは思いますけどね。
ま、マラリアとキニーネと人との関係を掴んで貰えれば幸いです。
さて、今回は以上として次回ですが。
取りあえず話の予告通り、ですね。ま、DDTについての話をしてみようとおもいます。
そう言うことで、今回は以上です。
御感想、お待ちしていますm(__)m
次回をお楽しみに.......
(2001/10/09記述 2002/05/27追記(Thanks>Mr.Nishitani)