からむこらむ
〜その187:偶然の革命〜
まず最初に......
こんにちは。忘年会シーズンまっただ中となりましたが、皆様如何お過ごしでしょうか?
酒が食べ物が、と言う季節ですけれども。体のメンテ、お忘れなく.......
さて、今回のお話ですが、今回も前回の続きといきましょう。
前回まではバルビツール酸系の化合物にメプロバメートといった鎮静催眠薬が抗不安に使われるようになる、と言う話をしました。しかし、これは更により良い薬剤の開発へと結びついていく事となります。
今回は、その
おそらくご覧の方の中には使った事がある人もいるかも知れない薬剤他について触れる事としましょう。
それでは「偶然の革命」の始まり始まり...........
前回まではメプロバメートの頃にロシュ社で探索された抗不安薬がなかなか見つからない、と言う話をしました。
では前回の続きと行きましょうか。
さて、ロシュ社のスターンバック達が頑張っていたものの、芳しい成果が出てこない。彼らは努力するのですが.........
1957年、合成した約40種のキナゾリン化合物がはかばかしい結果を出さなかったことから、研究の路線変更が決まります。この為にスターンバックが研究室を掃除していると、キナゾリン化合物の数百グラムもの「残り物」が隅っこに転がっているのを発見しました。不要と思われていた、「Ro5-0690」とラベルされたこの化合物を、彼はロシュ社の薬理学研究部長であるランダル(ランドール)に渡します。ランダルはこれをスクリーニングに回すのですが........
その2ヶ月後、Ro5-0690のスクリーニング結果が出てくるのですが、これをみたランダルは非常に驚く事となります。そこにはメプロバメート様の作用を持つ上、鎮静筋弛緩、抗痙攣などに強力な作用を有する事が報告されていました。しかも、メプロバメートやバルビツール酸系の物とは異なり、自律神経系に影響を及ぼしていないらしい。
これはそれは今まで合成したキナゾリン化合物はおろか、ランダル自身が経験した中で最も強力な抗不安薬として有望なものとなっていました。これはすぐさまスターンバックにも報告が行きます。
これはどういう構造なのか?
急いでこう言った点が注目されて調査が行われます。と、キナゾリン化合物と思われていたこの物質にはその名残が無く、全く違う化合物である事が判明します。この化合物は「クロルジアゼポキシド」と命名されました。
これがやがて「ベンゾジアゼピン類」と呼ばれる化合物群のデビューの瞬間でした。
と、ここで少し面白い「IF」が想像できます。
つまり、もしスターンバックが早くこの構造を知っていたら? おそらくキナゾリン化合物とは違うこの化合物は捨てられていた可能性が高かったのかも? もちろん、「どうしてこういう構造になるんだ」と逆に調べられる可能性はあるかも知れませんけどね(化学者としてはそれが正しいでしょうし)。もっとも、試験に回されない限りは結局はこれから述べる事は起きなかったわけですが.......
さて、こうして登場したクロルジアゼポキシドは、研究グループを大いに勇気づける事となります。
当時巨大な市場となっていたメプロバメートの市場に挑むべく、ロシュ社ではクロルジアゼポキシドの認可を取り付ける為に人員を割き、実験動物を増やして実験を行います。そして、1960年のはじめにはクロルジアゼポキシドは認可が下りて「リブリウム」という商品名で販売をします。
更にスターンバック達はクロルジアゼポキシドを元に、多数の誘導体を合成します。そしてそれら55種の薬剤の中から、最も強力な薬剤「ジアゼパム」が発見されます。これは抗不安作用でクロルジアゼポキシドの5倍もの強さを持つもので、これはやがて商品名「バリウム(ヴァリウム)」として販売・臨床での使用が始まります。
化学をやると何となく分かるかも知れませんが、クロルジアゼポキシドはキナゾリン化合物の合成中に構造が転移し、更にオキシド(→O)となったものでした。
さて、こうしてロシュ社の新薬は市場に出回る事となるのですが........
さまざまな実験データなどが提出され、それが認知されていくと医者はこれらの薬剤を本格的に使うようになります。それはメプロバメートを一掃しまして、不安の解消にはもっぱらジアゼパムを始めとするベンゾジアゼピン類が処方されるようになりました。一説には、1975年のアメリカにおいてジアゼパムは1億の処方調剤が行われ、そしてアメリカ国民の15%が使用していたと言われています。
つまり薬として「大成功」はおろか、「傑作」の部類に入るほどの物となり、数多くの人が使う事となりました。
そして、同時に不安の治療に大きな「革命」を引き起こしました。
では、クロルジアゼポキシドやジアゼパムというものはどういう「薬剤」なのか?
もともとこれらの開発目標は、メプロバメートの謳い文句「不安に選択的に作用し、既存の鎮静薬より眠くならず、耽溺性も余りない」だったのですが、前回触れた通りメプロバメートにおいてこれは10年かけて否定されました。と言う事は、メプロバメートを目標とした事自体が誤りになるのですが.....ただ、幸いな事に精神科医がこの二つの新薬を調べていくうちに、メプロバメートの謳い文句がこの薬剤で実現されている事が分かってきます。
つまり、調べていくとこの薬剤は不安を緩和し、ある程度の傾眠作用があるもののやがて患者はこれに耐性を示すこと。ただ、耐性は傾眠作用に対してであって不安の緩和は持続をします。そして漠然とした不安やそれに伴う心配、恐怖感といった症状は薄まり、これによって患者は落ち着きを取り戻す事となります。
ただ、研究が進むと、これらの薬剤にも耽溺性が若干あり、更に持続的使用で耐性も上昇し、そこで突然止めると禁断症状が出る事も分かります。もっとも、バルビツール酸系やメプロバメートよりは軽度で、禁断症状も軽くなっている点はメリットといえました。
また、研究が進むとベンゾジアゼピン類も物によっては抗不安作用のみならず、ある程度の鎮静作用もある事も判明します。
これは不安のみならず、不眠に悩む人にとってもメリットでして、抗不安薬の量を増やせばそのまま眠る事が出来る事となります。実際、この観点から抗不安というよりは睡眠薬として活躍するベンゾジアゼピン類もありまして、例えばトリアゾラム、いわゆる「ハルシオン」の商標名でよく知られる薬剤はその代表例の一つとなっています。
尚、これらの薬剤もバルビツール酸系の化合物の分類で挙げたものが適用できます。
クロルジアゼポキシドやジアゼパムは長時間性でして、一方でトリアゾラムは超短時間性です。分類での説明も考えればこれは納得が出来るかと思います。
さて、こういった特徴を持つベンゾジアゼピン類ですが、更に忘れてはいけない点としては「安全性」があります。
バルビツール酸系の催眠薬による自殺、と言うものは前に触れました。これはバルビツール酸系の化合物の催眠量と致死量の差が数倍程度しかない、と言う事によりますが、このおかげで「自殺用に」などと余計な事が起きますし、また誤って大目に飲んでしまった為に死んでしまう。ところがジアゼパムなどはこの点はかなり安全性が高く、実験動物で筋弛緩と行動の変化を観察する為に必要量の1000倍もの投与を行ったものの、マウス、ラット、ネコ、サルといった実験動物は1匹も死ぬ事はありませんでした。
これは「睡眠薬自殺」が多かった当時の自殺志願者に影響しまして、1瓶の100錠以上もあるベンゾジアゼピン類を全部飲んだものの、2、3日ぐっすり眠って特にといった副作用も無く終わり、と言う事があったようです。
まぁ、死ぬつもりで睡眠薬をのみ、そのまますっきりと目が覚めて辺りが見覚えのある風景では死ぬ気も萎えるかも知れませんが。こういった事態は大分影響があったようで、いくつかの小説などの作品に反映されてもいるようです。
もっとも、安全なベンゾジアゼピン類の薬物も鎮静剤との併用は危険でして、この場合は作用の相乗効果によってそれほど多量でなくても死ぬ事があります。注意しなければならないのは、この「鎮静剤」にはアルコールも含まれまして、物によっては併用する(ベンゾジアゼピン類をアルコールで流すとか)のは危険と言う事になります。実際、幾人かの有名人
例えばアラン・ラッド(映画「シェーン」のシェーン役)は1964年、ジュディ・ガーランド(映画「オズの魔法使」のドロシー役)は1969年にアルコールとベンゾジアゼピン類の併用で死亡しています。しかもこれが「どれだけの量で」なるのかが人によって異なり、場合によっては作用量のたかだか2倍程度でもアルコールとの併用で死亡してしまう事もありました。
ただ、これは「注意」すれば済むだけの事でして、気をつければやはり安全性は高いといえます。そういう事で、結局はこういう面でもバルビツール酸系やメプロバメートのデメリットを補って余りあるものとなりました。
さて、こうして広まる事となったベンゾジアゼピン類の薬剤ですが、「お約束」というべきか。これもやがて問題を引き起こします。
それは、ベンゾジアゼピン類も絶対安全ではなく、やはり「薬物」であるという事なのですが........実はメプロバメートを作ったバージャーがこの可能性を気にしていました。その「可能性」とはメプロバメートやベンゾジアゼピンが広く乱用される事でして、彼はこれを恐れていました。つまり、彼やスターバックが作り出した薬剤は不安などに悩む人の「生活上の問題の緩和」を最大の目的にしているのに、しかし別の目的
例えば日常の雑音や不快などといった物に鈍感にするために使おうとしている、つまり「抗不安」を目的としていないケースに使われる事に懸念を示します。もっと手っ取り早く言えば「どうでも良い事の気休めの為に何でもかんでも薬剤を使おうとしている」と言う事を彼は気にしていました。
この懸念の根拠は当然ありました。つまり、医者が不安だけでなく、「どうでも良い事の気休めの為」にこういった薬剤を処方していたわけでして、その結果は1975年のジアゼパムの処方数が1億を超えた事にも現れています。
これについては一部の人はかなり警戒をしまして、1970年代の半ばにラルフ・ネーダー(アメリカの著名な消費者運動・環境保護運動を展開している人物。最近ではマイクロソフトの独占を批判したり、緑の党から米大統領選挙に出馬(大敗していますが)など)がベンゾジアゼピン類の過剰使用が150万のアメリカ人をジアゼパム耽溺にしていると批判します。これによって米上院議会で調査が行われまして、結果、ジアゼパムの処方調剤は1975年から1980年にかけて半減します。
これは警告を受けてむやみに処方される事が減った事を示します。
ま、やはり薬剤は正しく使わないと、と言う事になるのかと思いますがね..........
さて、ベンゾジアゼピン類の抗不安薬の登場は不安の治療に大きく貢献する事となりましたが。
ここまで来ると、科学者達は次に「何故不安を和らげる事が出来るのか」と言う事に目を向けるようになります。これはある意味当然の流れ、ではあります。が、何故それまでにしなかったのかというとこれは簡単でして、バルビツール酸の時代(20世紀初頭)には脳についての明確な研究が出来るような時代ではなく、メプロバメートやベンゾジアゼピンが登場した頃にも「どうやって脳の中を探索し、機構を探すか」と言う事に明確な方法がありませんでした。
と、ここで一つ頭に入れておいて欲しいのですが。
メプロバメートやベンゾジアゼピン類と同時期に出た
レセルピン
、
クロルプロマジン
、
イミプラミン
と言った統合失調症(精神分裂病)やうつ病の薬剤と精神の研究は1960年代に進んだ、と言うのは過去に書いていますが、抗不安薬もまたこれと同じ流れに乗っています。つまり、それぞれの研究・開発がそれぞれに影響を与えており、そういった中に不安についての研究も入っているという事になります。
これ、つまりはこれらの研究はほぼ同時期に脳と精神、機構がさまざまな方向性から行われているということです。そして、いずれもが急速に発展して今に繋がり、正常な時と病気の時で何がどう違ってくるのか、と言うものが分かってくるという事になります。
一応、「それぞれ無関係でしょ?」とは思って欲しくないので........頭に入れておいてもらえれば、と思います。そしてまだそれは「途上」である事も覚えておいていただきたいですが。
#ですから、10年後にはここに書いてあるものが「間違い」となる可能性も無きにしもあらず、です。
話を戻しましょう。では、これらの薬剤はどうして不安を和らげるのか? その機構は?
科学者が注目したのは、バルビツール酸誘導体、メプロバメート、ベンゾジアゼピン類の三つの共通点と差違でして、こういった点から答えを探していくこととなるのですが........最初の成果は1960年代の初期に、これらはいずれも
シナプス伝達機構
が関与していると言う事が確認された事でした。これ自体はある意味当然、と捉えられていたのでそう興味あるものではないのです。ただ、いずれの物質もシナプスに関与し、そして鎮静なり筋弛緩などの類似性を示す、という事は重要な関心となります。
つまり?
つまりは「この三種の薬物は、いずれも同じ、またはよく似た受容体に作用し、そして同じような働きを起こすのではないか」と言う事を示唆する事となります。他にも、この三つの薬剤の間には
交差抵抗性
薬では通常は「交差耐性」となりますが、これが存在している事も確認されて「同じ/似たような受容体に結合し、作用する」という説を支持する事となります。
ま、交差耐性の基本に関しては過去にやっているのでそちらを読んで欲しいのですが。
このケースを元に簡単に言えば、例えば貴方が不眠やら不安やらで、今まで一度もお世話になった事の無い鎮静催眠薬を使う事となったとします。例えばバルビツール酸系の薬剤を使用する事になったとしましょう。これは貴方に効果をもたらします。
さて、貴方はこれを服用していたのですが、連用なり何なりの為に耐性をもち、使用量を増やさないと以前と同じ作用が出なくなりました。と言う事で、薬剤を変えてみようと思ってメプロバメートを飲む事にします。が、いざ使ってみると通常の用量では作用が出にくい、と言う事に気付く事となります。
これはいずれの薬剤の一つに耐性をもつと、他のものにも耐性を持ってしまい、通常量より多く投与しないと作用しないという事になります。これが「交差耐性」です。
この事は重要で、これは以前の例(農薬でしたけど)でも関連していますが「同じような物を使っていると」起こるものです。
更に「交差依存性」と言うものもありまして、例えばメプロバメート依存に陥った人が禁断症状で苦しんでいる時、これにメプロバメートではなくバルビツール酸系、あるいはベンゾジアゼピン類の薬剤の投与でこの症状を緩和する事が出来ます。更には、アルコール(鎮静剤になるとは以前書いた通り)中毒に陥った患者の禁断症状(譫妄が代表的)はベンゾジアゼピン類を使って緩和させ治療を行う事が出来ます。
実際に調べると、バルビツール酸系化合物とメプロバメート、ベンゾジアゼピン類、更にアルコールが交差耐性・依存性を持つ事が分かります。という事は、いずれも同じあるいは類似した機構を持つ可能性が高いと言えます。もし全く作用が違うならば、耐性のメカニズムからしてこう言うことはまず起きにくい、あるいは起きないはずです。
そして、更なる詳細な動物実験などの結果、興味深い事にバルビツール酸系の化合物とメプロバメート、アルコールはどうも受容体の同じ部位に結合するものの、ベンゾジアゼピン類は類似はするものの全く同じ部位ではなく、別の部位に作用する事も示唆されました。これは理由がありまして、バルビツール酸系の化合物とメプロバメート、アルコールは抗不安作用を起こさせる用量をある程度上回る用量で実験動物(ヒトも)を眠らせてしまいます。が、ベンゾジアゼピン類は不安は抑えながらも、(物によって違いますが)眠らせるにはかなりの量を必要としました。これは重要で、ベンゾジアゼピン類は鎮静を示す量よりはるかに少量で抗不安作用を出せるもの、他の三者は不安を緩和させる用量では同時に鎮静も引き起こすということになる。
これはつまり同じような作用ですが、もしいずれも同じ部位に結合するなら、ベンゾジアゼピンも他の三つと同じく抗不安を示す用量と鎮静の用量はほぼ同じでないとおかしいはずです。そうでない事は受容体に結合する部位が三者では同じで、ベンゾジアゼピン類は異なる可能性を示しています。
これは研究の重要な足がかりとなります。
登場
基本的な作用
基本的な作用
受容体に置ける示唆
バルビツール酸系
20世紀初頭
抗不安・鎮静・催眠
(不可分)
抗不安の用量で鎮静・傾眠作用あり
→
三種は受容体の同一部位に作用
メプロバメート
1955年
抗不安・鎮静・催眠
(不可分)
アルコール
紀元前
酔う
ベンゾジアゼピン類
1960年代初頭
抗不安
鎮静・催眠が目的のものもある
抗不安の用量と鎮静の用量は別
鎮静には抗不安以上の用量が必要
→
上記三種の受容体の異なる部位に作用
更にシナプスの伝達への作用やこのような特徴が分かってくると、今度はこれらの薬剤に関連している神経伝達物質はどれであるか、と言うものが追及される事となります。
最初は不安がうつ病と似ている部分がある為に、基本的に
うつ病と同じメカニズム
ではないか、とも考えられました。しかし、不安に悩む人に抗うつ薬を投与しても特に顕著な改善をしない為、この考えは否定的になります。つまり、不安=鬱とは言えず、明らかに違う機構になっている。
しばらくすると、研究からこれらの薬剤は神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸、通称「GABA(ぎゃば)」の働きの強化をする、と言う事が分かってきます。これは
その167
でも触れたものですが、1960年代初期の研究からバルビツール酸の誘導体やメプロバメート、ベンゾジアゼピン類やアルコールがこの機構に関与する事が判明しました。
#構造は左右両方とも基本的に同じですので、学生さん以外は特に気にしなくて大丈夫です。
#尚、余談ながらGABAは19世紀に合成されて人類に知られた物質です。が、後に自然界にある事が分かったという、少し「変わった」歴史を持っています。
GABAの「役割」は以前にも書きましたが、最も代表的な役割としては、神経伝達に対して「抑制」を行う機構に関連しています。つまり、これは興奮などを起こす神経伝達の頻度を抑制的にさせるものです。それゆえにGABAは「抑制性神経伝達物質」と呼ばれます。
その働きは、「興奮」をもたらす神経の伝達に介入して、その伝達の頻度を抑えるというものでした。これはもちろん「興奮」と「抑制」でその神経のバランスをとる為の機構、という事なのですが.......
つまり?
これらの薬剤は、GABAに関与する事でGABAのもつ「抑制的に働く作用」を強化すると言う事になります。よって、こういった事から例えば鎮静や睡眠を引き起こすのでは、と考えられる事となります。そういう事で、GABAと薬剤の関連が調べよう事となるのですが......
ただ、残念な事に当時の技術には限界がありました。
神経伝達の抑制を行う、というのはあくまでも神経の電気信号で見られた話です。いくつかの実験ではネコの脊髄での神経の電気的な記録をとっていたのですが、これがまた非常に骨の折れる作業となり、しかも一つの薬剤の性質を知るには1週間の実験が必要だった様です。しかも、例え電気的な信号が分かったとしても、それが薬物の治療効果と実際にどう関連していくのか、と言うのは実験で示す事が不可能でした。
つまり、完全に壁に当たる事となります。
この問題については1970年代になるまで待つ事となりますが...........
長くなってしまいました。
次回はこの続きから行く事としましょう。
ふぅ...........
さて、今回の「からむこらむ」は如何だったでしょうか?
という事で、ちょっと長めですが(^^; 以上が有名な抗不安薬で催眠導入剤としても使われるベンゾジアゼピン類の話と、そこから「先」への、つまり「不安」という機構のメカニズムの解明へ向かうまでの話となります。
ま、取りあえずはベンゾジアゼピン類も実生活で色々とありますが。まぁ、それだけでも色々とありますが、取りあえずこの程度で(^^; ただ、使われている方もこういった経緯から、というのを頭に入れておいてもらえれば、また少し見方が変わるかなぁ、とも思いますけどね。
........変わりませんか?(^^;
さて、そういうことで次回から機構に関する話ですが。ま、次回は少し受容体の話とかの「復習」も少し兼ねた話をしようかとも思いますが。えぇ、図版使って説明した事が余りありませんでしたので(^^;
一応、話は進めますけどね。まぁ、上手く行けるかどうか?
#図版作るのが手間で手間で.......(^^;
そう言うことで、今回は以上です。
御感想、お待ちしていますm(__)m
次回をお楽しみに.......
(2002/12/10記述)
前回分
次回分
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